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森の賢人
「85話」
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追跡を続けることしばし、足音や話し声が聞こえてきたかと思うと草むらからゴリさんらが現れた。
「ウッド、あたりを引いたって聞いたが」
なんかそうらしいデスヨ。
俺はよく分かってなかったりするけどね!
とりあえずバナナを渡してさっき見つけた奴のことを話してみる。
「なるほどな……そいつは今どのあたりを移動してるんだ?」
真面目な顔して俺の話を聞いていたゴリさん。 この辺りの地図をバサッと広げると俺に問いかける。 バナナを抱えてなければイケメンなのに。
「えーと、向こうの方角で距離は3キロぐらいっすね一直線に移動してます」
「ならその先にいるのか……? 街とはかなり方向が違うが……まさかもっと遠くの街を襲う気か?」
バナナを食べて考え込むゴリさん。
糖分たっぷりだからね、脳を働かせるには良いだろう。
あ、そうそう。
俺が見つけた変な奴だけどね、どうも指導者が放った偵察だろうとのこと。
俺たちの位置を確認して、街を襲うまで見つからないように移動しているんだろう……とゴリさんが言っていた。
「んお?」
と、その時であった。
俺たちが居る地点から一直線に離れていってたそいつが、ふいに方向転換したのだ。
「……曲がりました。 方角はあっちっす」
60度ぐらいガクッと曲がった。
あれかね、向かってる方向を悟られないようにでもしてたんだろうか。
だが残念、俺の索敵範囲は広いんで数キロ移動した程度じゃ意味ないんだなこれが。
「分かった。 よし、皆他の方面に行ってる連中にも連絡する準備しておいてくれ。 本体を見つけたら、各位連絡に走る。 ただ、街との距離によっては金ランクの連中は足止めだな……」
近くまで来てたらやばいもんね。
しっかし本体はどこに居るのだろうか。
曲がったってことはもうすぐなのかなーと思ったけど、なかなか見つからないんだよね。
「ん……んん? な、何かむずむずる」
とかなんとか言ってたら、何やら変な感触が。
なんかこう細かくぶいーんて振動しているような……?
「ニャ?」
「なんか細かく振動してるのに触れてるよう……な……みつけたっ!」
最初は細かい振動だったけど、だんだんと振動がでかくなる。
ある程度まで近づくとそれが大勢の何かが地面を歩く振動であることが分かった。
ぶいーんて感じたのは余りにも数が多かったせいで、歩く振動が重なりまくってたからの様だ。
「でかしたぁ!」
ゴリさんが笑みを浮かべて背中をバッシバシ叩いてくる。
地味にくっそ痛い。 ってかバナナの皮持ったまま叩かないで!?
酷い目にあった。
ちょっと肩のあたりがべたついてる……まあ、とりあえず見つけた情報を伝えよう。
「場所は向こうに3キロいった地点からこっちの方角に10キロ行ったあたりです。 で、連中はおそらくこっち方面に移動してるみたいです」
「そっちは確か……」
「街がある! 人口2~3万ぐらいの街だが……連中規模がそこまで大きくないはず、だから手ごろな大きさの街に行ったか。 まだ街まで距離はある……各位、連絡に走ってくれ。 集合地点はダンジョンだ」
おう、やっぱしっかり街狙ってきてたか……俺らのこと監視して見つからないようにしたり、街狙ったりと指導者いると本当にやっかいだね。 モンスターって普段は人を見かければ真っ先に襲い掛かってくるし、なんて言うか基本脳筋なのに……。
まあ、だからこうして皆して必死こいて探した訳だけど。
数時間ほど経ったところで、皆集まりましたぞ。
いやー下手したら100キロ以上離れてるのに皆早いね本当。
「さて、皆集まったところで改めて状況を説明する」
別の方を探してた人たちはとりあえず、見つかったから集まれ程度の情報しか持ってない。
現在地を含めてゴリさんが説明するようだ。
「先ほどモンスターの群れを発見した。 場所はここから北東に80キロほど行った地点だ。 今は5名ほどで追跡をしている」
あ、根っこでの索敵は止めてるよ。
モンスターの群れが根っこの範囲外に出そうになったもんで、他の索敵得意な人たちに変わってもらってダンジョンまで戻ってきたのだ。
「迎撃ポイントはここ。 街から30キロの地点で森が途切れる、俺たちは……ここだな、少し高台になっている箇所で待ち構える、問題は……」
街の手前に良い感じの広場があるじゃないー、それに高台まで……これは勝ったな!
「割り振りをどうするかだが……」
割り振り? ……ああ、誰が前衛とか後衛とか?
「ゴリアテ、お前さんが指導者やるんじゃないのか?」
「やりたいのは山々だが、正直俺たちの手には余る。 鉄竜も何頭か居るそうでな……正直きつい」
あ、なんか違うぽい。
これ誰が何を倒すかってお話だね。
やっぱダンジョン見つけたのはゴリさん達だから、指導者倒す権利? もあるみたいだけど、やっぱゴリさんでもきつい相手らしい。
個人的には鉄竜が気になります。
あいつってゴリさんをアフロにしたやつだよね。 ブレス吐くってことは俺がくらったら良い感じに燃え上がるだろうね。
絶対そいつとはやらない!
「ウッド、あたりを引いたって聞いたが」
なんかそうらしいデスヨ。
俺はよく分かってなかったりするけどね!
とりあえずバナナを渡してさっき見つけた奴のことを話してみる。
「なるほどな……そいつは今どのあたりを移動してるんだ?」
真面目な顔して俺の話を聞いていたゴリさん。 この辺りの地図をバサッと広げると俺に問いかける。 バナナを抱えてなければイケメンなのに。
「えーと、向こうの方角で距離は3キロぐらいっすね一直線に移動してます」
「ならその先にいるのか……? 街とはかなり方向が違うが……まさかもっと遠くの街を襲う気か?」
バナナを食べて考え込むゴリさん。
糖分たっぷりだからね、脳を働かせるには良いだろう。
あ、そうそう。
俺が見つけた変な奴だけどね、どうも指導者が放った偵察だろうとのこと。
俺たちの位置を確認して、街を襲うまで見つからないように移動しているんだろう……とゴリさんが言っていた。
「んお?」
と、その時であった。
俺たちが居る地点から一直線に離れていってたそいつが、ふいに方向転換したのだ。
「……曲がりました。 方角はあっちっす」
60度ぐらいガクッと曲がった。
あれかね、向かってる方向を悟られないようにでもしてたんだろうか。
だが残念、俺の索敵範囲は広いんで数キロ移動した程度じゃ意味ないんだなこれが。
「分かった。 よし、皆他の方面に行ってる連中にも連絡する準備しておいてくれ。 本体を見つけたら、各位連絡に走る。 ただ、街との距離によっては金ランクの連中は足止めだな……」
近くまで来てたらやばいもんね。
しっかし本体はどこに居るのだろうか。
曲がったってことはもうすぐなのかなーと思ったけど、なかなか見つからないんだよね。
「ん……んん? な、何かむずむずる」
とかなんとか言ってたら、何やら変な感触が。
なんかこう細かくぶいーんて振動しているような……?
「ニャ?」
「なんか細かく振動してるのに触れてるよう……な……みつけたっ!」
最初は細かい振動だったけど、だんだんと振動がでかくなる。
ある程度まで近づくとそれが大勢の何かが地面を歩く振動であることが分かった。
ぶいーんて感じたのは余りにも数が多かったせいで、歩く振動が重なりまくってたからの様だ。
「でかしたぁ!」
ゴリさんが笑みを浮かべて背中をバッシバシ叩いてくる。
地味にくっそ痛い。 ってかバナナの皮持ったまま叩かないで!?
酷い目にあった。
ちょっと肩のあたりがべたついてる……まあ、とりあえず見つけた情報を伝えよう。
「場所は向こうに3キロいった地点からこっちの方角に10キロ行ったあたりです。 で、連中はおそらくこっち方面に移動してるみたいです」
「そっちは確か……」
「街がある! 人口2~3万ぐらいの街だが……連中規模がそこまで大きくないはず、だから手ごろな大きさの街に行ったか。 まだ街まで距離はある……各位、連絡に走ってくれ。 集合地点はダンジョンだ」
おう、やっぱしっかり街狙ってきてたか……俺らのこと監視して見つからないようにしたり、街狙ったりと指導者いると本当にやっかいだね。 モンスターって普段は人を見かければ真っ先に襲い掛かってくるし、なんて言うか基本脳筋なのに……。
まあ、だからこうして皆して必死こいて探した訳だけど。
数時間ほど経ったところで、皆集まりましたぞ。
いやー下手したら100キロ以上離れてるのに皆早いね本当。
「さて、皆集まったところで改めて状況を説明する」
別の方を探してた人たちはとりあえず、見つかったから集まれ程度の情報しか持ってない。
現在地を含めてゴリさんが説明するようだ。
「先ほどモンスターの群れを発見した。 場所はここから北東に80キロほど行った地点だ。 今は5名ほどで追跡をしている」
あ、根っこでの索敵は止めてるよ。
モンスターの群れが根っこの範囲外に出そうになったもんで、他の索敵得意な人たちに変わってもらってダンジョンまで戻ってきたのだ。
「迎撃ポイントはここ。 街から30キロの地点で森が途切れる、俺たちは……ここだな、少し高台になっている箇所で待ち構える、問題は……」
街の手前に良い感じの広場があるじゃないー、それに高台まで……これは勝ったな!
「割り振りをどうするかだが……」
割り振り? ……ああ、誰が前衛とか後衛とか?
「ゴリアテ、お前さんが指導者やるんじゃないのか?」
「やりたいのは山々だが、正直俺たちの手には余る。 鉄竜も何頭か居るそうでな……正直きつい」
あ、なんか違うぽい。
これ誰が何を倒すかってお話だね。
やっぱダンジョン見つけたのはゴリさん達だから、指導者倒す権利? もあるみたいだけど、やっぱゴリさんでもきつい相手らしい。
個人的には鉄竜が気になります。
あいつってゴリさんをアフロにしたやつだよね。 ブレス吐くってことは俺がくらったら良い感じに燃え上がるだろうね。
絶対そいつとはやらない!
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