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第13話
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ーーオースル副団長がキャンプから出てから約三十分後
「団長。部下に周囲への警戒を強めるよう指示して来ました」
「ご苦労だったな」
「それと、こちらが二人の資料です」
そう言うと、オースルは手に持った数枚の羊皮紙をドールの机に置いた。
「ありがとう。二人のランクからある程度魔獣の力量を知っておくきたかったんだ」
「そうですか……団長。もしその魔獣が我々でも対処不可能な場合。我々調査隊はどうするのですか?」
「可能な場合は迂回して中心地の古代樹に向かう。それで逃げ切れたならよし。もし、戦闘になった場合はあらゆる手段を使って討伐する。たとえ犠牲がでる結果になったとしてもだ……」
っと、ドールは顔を蹙めてしぶしぶと言った。
「撤退は考えないのですか」
「今回の調査は絶対に撤退はできない。どんな手を使ってもこの森の古代樹に実ると言われている賢者の果実を回収し、不治の病に苦しむ王の元へ届けるのだ」
賢者の果実ーーその果実は洋梨の様な見た目で、アストルの森の古代樹に実っていると言われている。また、この果実は、一口食べるだけでどんな病気も怪我も毒もそして呪いさえも完治させるという言い伝えがある。
「そうですね……分かりました。それでは私はこれで失礼いします」
「明日は偵察隊の情報を元にして早朝出発だから、それまでゆっくりと体を休めておけよ」
そう言われると、オースルは軽く一礼してキャンプから出て言った。
オースルが出た後、ドールは渡された二人の資料を見ていた。
「レイス、性別は男でランクはC。職業はシーフでレベルは32か。そしてもう一人はーーオワイン、性別はこちらも男でランクはB。職業は大盗賊でレベルは56。ランクCそしてランクBの冒険者までやられたのか。ってことは結構な大物だな。ランクはパーティー戦が基本となって考えられているため、一人でランクBの魔獣を敵に回すのは、流石に武が悪いが倒せない事もないはず。ましてやランクA目前のものが同ランクの敵に負けるとは考えにくい。となると……敵はランクA以上の可能性が高いか」
これは、流石に厳しいかもな。俺は冒険者ではないが、ランクはAくらいだろう。集めた冒険者でもランクは高くてBが数名いるくらいだろう。それに、彼らには森でもっとも危険だと言われている中央部までは偵察をさせていない。と言う事は、森の西側に生息していると言う事だ。
「目的地まで、まだまだ遠いっていうのにこれか……」
はぁ~。先が思いやられる。だが、引く事はできない。何としてもこの任務を完遂させなければ。たとえこの身を犠牲にする事になっても。
強く決心したドールは再び拳を強く握った。
ーーそして今日の朝
「団長おはようございます。早速ですが本日の調査団の進行経路はどのようにするおつもりですか」
「おはよう。それでその事なんだが、まずはこの地図を見てくれ」
そう言って、机に置いてある地図を指差した。オースルが近くによると、地図を見ながら進行経路の説明を始めた。
「これはこの森の地図だ。今日の進行経路はこれを見ながら説明する。まず、ここが俺達調査団がいる森の西側の入り口付近だ。そして、俺達が目指しているのはこの中心部。これまでの予定では森の西側にある小さな湖に向かい水などを補給し、その後中心部に近い大きな湖ラグアナ湖へ向かい再び水を補給。最後に少数精鋭で中心部へ突入する予定だった。だが、ラグアナ湖の西側とラグアナ川付近を偵察させていた二人を襲ったランクA相当の魔獣を避けるために、進行経路を変更し、小さな湖で水を補給後は北上しラグアナ湖南西側を避けて中心部を目指す」
「団長、ちょっといいですか」
「どうしたオースル?」
「川がある南側はともかく、少し遠回りになりますが何もない森の北側を通るルートにすればより安全に中心部に行けるのではないですか。ちょっと遠いですが西側の北にも小さな湖がありますし、その後森の北側の中心側にあるソシル湖に寄れば水の問題も無いですし」
「それは、駄目だ。出来れば森の北側は通りたくない。北側には他の魔獣に比べて知能が高い人型の魔獣が多いからな。遠征に来る前に資料を読まなかったのか」
アストルの森は、魔獣のテリトリーが大きく分けて五つあり、東西南北そして中央部に分かれている。
東側は、大河に面していて水辺を始めとする陸をリザードマン、山や谷付近と森の上空をルフ鳥が支配している。
西側は、多くの獣型魔獣が生息している。陸では、剣歯虎や知性のあるワータイガーなどが支配しているが、ラグアナ湖には水棲生物の主が存在している。
南側は、ラグアナ川によって外側と内側に二分されている。外側にはランクS死霊系魔獣骸骨の王を始めとするスケルトン、ゾンビなど死霊系の魔獣が支配している。内側は、Aランク死霊系魔獣腐死竜が支配している。だが、この南側の魔獣は基本的に夜または洞窟などの暗い所しか行動はできない。
北側は、ゴブリンを始めとする人型の魔獣が多く生息し、中でもオークキングが率いるオーク達は、人並みの知能を有し知能の低い人型の種族を使役する事によって北側の主として君臨している。
そして最後に中央部。森全体の約15%程の広さを有する。基本的にはランクA魔獣長命の竜を含む竜系魔獣が食物連鎖の頂点として君臨しているが、一概にそうとも言えない。この中央部は他の区とは違い個々の魔獣の強さが尋常では無い。ランクは少なくともC以上で最大でランクAまでの魔獣が多く生息している。その為いかに竜系統の魔獣が強いからといって、本当に中央部の魔獣の頂点かは不明である。
「申し訳けありません。不勉強でした」
「まあ小さな湖までは約三日でつく。取り敢えず明後日までは予定と変わりはないから、予定通りに行動する。ああでも、周囲の警戒を怠らないように通達しておけよ」
「了解しました。それでは、失礼します」
オースルが退室した後、ドールは今後の行方を悟ったかのように、こうつぶやいた。
「予定通りに行けば良いのだがな……」ーーと。
「団長。部下に周囲への警戒を強めるよう指示して来ました」
「ご苦労だったな」
「それと、こちらが二人の資料です」
そう言うと、オースルは手に持った数枚の羊皮紙をドールの机に置いた。
「ありがとう。二人のランクからある程度魔獣の力量を知っておくきたかったんだ」
「そうですか……団長。もしその魔獣が我々でも対処不可能な場合。我々調査隊はどうするのですか?」
「可能な場合は迂回して中心地の古代樹に向かう。それで逃げ切れたならよし。もし、戦闘になった場合はあらゆる手段を使って討伐する。たとえ犠牲がでる結果になったとしてもだ……」
っと、ドールは顔を蹙めてしぶしぶと言った。
「撤退は考えないのですか」
「今回の調査は絶対に撤退はできない。どんな手を使ってもこの森の古代樹に実ると言われている賢者の果実を回収し、不治の病に苦しむ王の元へ届けるのだ」
賢者の果実ーーその果実は洋梨の様な見た目で、アストルの森の古代樹に実っていると言われている。また、この果実は、一口食べるだけでどんな病気も怪我も毒もそして呪いさえも完治させるという言い伝えがある。
「そうですね……分かりました。それでは私はこれで失礼いします」
「明日は偵察隊の情報を元にして早朝出発だから、それまでゆっくりと体を休めておけよ」
そう言われると、オースルは軽く一礼してキャンプから出て言った。
オースルが出た後、ドールは渡された二人の資料を見ていた。
「レイス、性別は男でランクはC。職業はシーフでレベルは32か。そしてもう一人はーーオワイン、性別はこちらも男でランクはB。職業は大盗賊でレベルは56。ランクCそしてランクBの冒険者までやられたのか。ってことは結構な大物だな。ランクはパーティー戦が基本となって考えられているため、一人でランクBの魔獣を敵に回すのは、流石に武が悪いが倒せない事もないはず。ましてやランクA目前のものが同ランクの敵に負けるとは考えにくい。となると……敵はランクA以上の可能性が高いか」
これは、流石に厳しいかもな。俺は冒険者ではないが、ランクはAくらいだろう。集めた冒険者でもランクは高くてBが数名いるくらいだろう。それに、彼らには森でもっとも危険だと言われている中央部までは偵察をさせていない。と言う事は、森の西側に生息していると言う事だ。
「目的地まで、まだまだ遠いっていうのにこれか……」
はぁ~。先が思いやられる。だが、引く事はできない。何としてもこの任務を完遂させなければ。たとえこの身を犠牲にする事になっても。
強く決心したドールは再び拳を強く握った。
ーーそして今日の朝
「団長おはようございます。早速ですが本日の調査団の進行経路はどのようにするおつもりですか」
「おはよう。それでその事なんだが、まずはこの地図を見てくれ」
そう言って、机に置いてある地図を指差した。オースルが近くによると、地図を見ながら進行経路の説明を始めた。
「これはこの森の地図だ。今日の進行経路はこれを見ながら説明する。まず、ここが俺達調査団がいる森の西側の入り口付近だ。そして、俺達が目指しているのはこの中心部。これまでの予定では森の西側にある小さな湖に向かい水などを補給し、その後中心部に近い大きな湖ラグアナ湖へ向かい再び水を補給。最後に少数精鋭で中心部へ突入する予定だった。だが、ラグアナ湖の西側とラグアナ川付近を偵察させていた二人を襲ったランクA相当の魔獣を避けるために、進行経路を変更し、小さな湖で水を補給後は北上しラグアナ湖南西側を避けて中心部を目指す」
「団長、ちょっといいですか」
「どうしたオースル?」
「川がある南側はともかく、少し遠回りになりますが何もない森の北側を通るルートにすればより安全に中心部に行けるのではないですか。ちょっと遠いですが西側の北にも小さな湖がありますし、その後森の北側の中心側にあるソシル湖に寄れば水の問題も無いですし」
「それは、駄目だ。出来れば森の北側は通りたくない。北側には他の魔獣に比べて知能が高い人型の魔獣が多いからな。遠征に来る前に資料を読まなかったのか」
アストルの森は、魔獣のテリトリーが大きく分けて五つあり、東西南北そして中央部に分かれている。
東側は、大河に面していて水辺を始めとする陸をリザードマン、山や谷付近と森の上空をルフ鳥が支配している。
西側は、多くの獣型魔獣が生息している。陸では、剣歯虎や知性のあるワータイガーなどが支配しているが、ラグアナ湖には水棲生物の主が存在している。
南側は、ラグアナ川によって外側と内側に二分されている。外側にはランクS死霊系魔獣骸骨の王を始めとするスケルトン、ゾンビなど死霊系の魔獣が支配している。内側は、Aランク死霊系魔獣腐死竜が支配している。だが、この南側の魔獣は基本的に夜または洞窟などの暗い所しか行動はできない。
北側は、ゴブリンを始めとする人型の魔獣が多く生息し、中でもオークキングが率いるオーク達は、人並みの知能を有し知能の低い人型の種族を使役する事によって北側の主として君臨している。
そして最後に中央部。森全体の約15%程の広さを有する。基本的にはランクA魔獣長命の竜を含む竜系魔獣が食物連鎖の頂点として君臨しているが、一概にそうとも言えない。この中央部は他の区とは違い個々の魔獣の強さが尋常では無い。ランクは少なくともC以上で最大でランクAまでの魔獣が多く生息している。その為いかに竜系統の魔獣が強いからといって、本当に中央部の魔獣の頂点かは不明である。
「申し訳けありません。不勉強でした」
「まあ小さな湖までは約三日でつく。取り敢えず明後日までは予定と変わりはないから、予定通りに行動する。ああでも、周囲の警戒を怠らないように通達しておけよ」
「了解しました。それでは、失礼します」
オースルが退室した後、ドールは今後の行方を悟ったかのように、こうつぶやいた。
「予定通りに行けば良いのだがな……」ーーと。
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