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ゴブリン久しぶりん!……って初めて会うか。

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「あー、ちくしょう。あのジジイのせいで変な力しか与えられなかったし。最悪じゃねーか!」

俺はイライラしながら森の中を歩いていた。

この森が何処なのかなんて全く知らない。ただ、じっとしていてもどうにもならないと思って無計画に歩き回ってるだけだ。

「あ、そーだ。せっかくだし力を試しとくか。」

己を知り、敵を知れば百戦危うからずってどこかの誰かも言ってたし力の把握のために実験を始めた。

「えー、確かに魔力込めながらギャグ言うんだっけ?魔力ってなんだよ……っと、この変なモヤモヤか。」

すぐに魔力のコツを掴み、後はギャグを言うだけの状態になった。

「いやぁ、魔力をすぐ扱えるって案外俺って天才じゃね?さて、どんなギャグを言うか……」

少し悩み、とりあえず思いついたギャグを言い放つ。

「猫が寝転ぶ!!」

しかし何も起こらなかった。

「早速ハズレかよ!!」


諦めず次のギャグを言い放つ。

「支払いは銅貨でどうかな?」

すると、魔力を消費した感覚が身体に訪れる。

「うお、意外ときついな。」

そして、ふと気がつくと手に俺は銅貨を握りしめていた。

「お、これ銅貨じゃん!……この世界で使えるかはわからんけど。」

とりあえず使えないにしても金に換金する事は出来るだろうと考えてさらに銅貨を生み出そうと銅貨関連のギャグを捻り出す。

「この銅貨……どうかしてるぜ!!」

すると突然手に持っていた銅貨が熱を帯び、燃えだしたのだ。

「熱っ!あちぃって!!」

思わず投げた銅貨はそのまま燃え続け、暫くすると熱で溶けてしまい全く使えなくなってしまった。

「危ねぇ……火傷じゃ済まないところだったぜ……てか、本当に銅貨がどうかしちまったな……」

一人で間抜けなことをしてる俺の前に緑の小人のような生き物が姿を現す。

「え、あれっていわゆるゴブリンってやつ?」

ゴブリンは三匹おり、どれも錆びた短刀を手に持ち、こちらを獲物と認識したのかギャッギャッと騒いで喜んでいた。

「あはは……これピンチってやつ?」

乾いた笑いを浮かべながら俺は後ずさりをする。

「えーっと、ゴブリンさん……どーも久しぶりん!……って初めて会うか……。」

俺は苦し紛れで下手すぎるギャグを言ったものの結果は『しかし何も起こらなかった!』

「「「ギャッギャッ!」」」

「うわぁ!こっち来るな!!!」

こうして、ゴブリンVS尾屋次郎の戦いが幕を開けたのだった。


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