婚約した幼馴染の彼と妹がベッドで寝てた。婚約破棄は嫌だと泣き叫んで復縁をしつこく迫る。

第4話

「オリビア話し合おう！止まってくれ！僕を許してほしい！」

目の前に馬車が止まり元婚約者のアルフィ殿下が降りて声をかけてきた。彼はものすごい勢いで迫ってきたので、異常者だと思いオリビアはびっくりして声を上げそうになりました。

「これから大事な会議がありますので失礼いたします」

聖女の仕事で教会に向かう途中なのでオリビアは足早に歩いていた。緊急の用事らしくこんな男に構っている暇はない。

「オリビア！」
「殿下、気安く名前を呼ばないでください。先日に婚約は解消しましたでしょう？」
「そんな寂しいこと言わないでくれ。前みたいにファーストネームで呼んでほしい」
「もう恋人でもありませんから……」
「僕の話を聞いて！エリーとはもう何でもない」
「淑女の手を軽々しくお触りにならないで！」

彼はかなりやつれて浮気を認め泣きながら謝罪してきた。無視しても我を忘れて食い下がってくる。回りまわって妹のエリーと完全に繋がりを断つから、もう一度付き合ってほしいと戯言を抜かしてきます。

「馬鹿にしないで！私は殿下に未練はございません！」

オリビアさえ折れて我慢すれば何事もなかったように前の関係に戻れる。その言葉に声を荒げて非情な顔つきになり、思わずアルフィの頬を叩いてしまった。
 
ただならない雰囲気を察して駆けつけるオリビアの護衛。威圧されるとアルフィは震え上がり涙目でその場でしゃがみ込んでいた。

オリビアの護衛に無言の圧力かけられて恐怖し、恥ずかしいことに帰りの馬車の中で自分でも知らないうちに失禁してしまう。


次の日もアルフィはオリビアを執拗に追いかけ続ける。

今日は漏らしてもいいように王子は準備万端。おむつを装着している。ただしオリビアには秘密だ。

「意外と悪くないな……」

おむつがぴったりフィットして、その割に締め付けも思ったよりなく、はき心地が良いなと自然な顔で感想を抱く。

「話を聞いてくれ！」
「なんの話を聞くのですか？」
「婚約についてだ。まだ諦められない！」
「昨日も言いましたが、私達は既に別れています」
「やり直せばいいだろう。あのくらい些細なことじゃないか？僕は心を入れ替えたんだ！」

声をかけてきた時は、最初はオリビアは見て見ない振りをする。それでも嫌がる女性をしつこくナンパするようにすり寄ってきた。

オリビアは、彼はもう精神的に壊れているのでは？と心配になってきます。護衛が気がついてばたばたと風を切って走って来ると、ねずみのように怯えて尻尾を巻いて逃げていく。

「よほどうちの護衛が怖いのでしょうか？」

オリビアはアルフィの後ろ姿を眺めながら不思議な表情でつぶやく。