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第37話

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「カトリーヌ令嬢、やはりこうなってしまったか……」
「ばかな子だわ……アリーナ様には決してさからったら駄目だとあれほど熱心に説得したのに……」

――き乱れた美しい花園はなぞのの中で、絶望した表情で固まっているカトリーヌを見ながら陛下と王妃がつぶやいた。《神的存在》の女性に歯向かうことは絶対に許されないと、何度も注意をうながしたのに言うことを聞かなかったあなたの自業自得じごうじとくというものです。

お気の毒でしたねえ……お二人はそんな顔でカトリーヌの様子を観察かんさつして、何とも言えぬ悲しい思いが胸に広がっていく。陛下と王妃はアリーナと戦いに行ったカトリーヌの事が心配になって、気になってやっぱり何がなんでも引き止めておけばよかったとやんでいた。

「あなたやっぱり私たちも行きましょう!」
「そうだな。それしかないか……」

いても立ってもいられなくなって追いかけて来たのだ。だが、カトリーヌの気力や生気を失って抜けがらみたいな顔を見れば、もうすでに遅かったのがわかった――


「陛下に王妃、お久しぶりですね。お元気そうでなによりです」

アリーナは敬意けいいを表して丁寧ていねい御挨拶ごあいさつ申し上げました。彼女は文句なしに明るく優しい笑顔を向けて、お二人の体を気遣うような言葉を口にする。

「ア、アリーナ令嬢……ま、まず言っておくが私たちはそなたにからな?こ、攻撃するでないぞ?」

私はあなたの敵ではありませんから殺さないでください……陛下はそういう顔で話しかけてきた。くちびるは青ざめて明らかにおびえている。

何をそんなに怖がる必要があるのか?彼女は真面目まじめで心優しい性格で、誰に対しても親切な女性なのに、体が小きざみにふるえながら泣き出しそうな切実な声で話す陛下が本当に信じられません。

「ふふふ、そんなに怖がらないでください。わかっておりますから、陛下と王妃からは私に対してを感じませんから、何にもご心配なさる必要はありませんよ」

*****
新作「聖女に王子と幼馴染をとられて婚約破棄「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で価値の高い女性だった。」を投稿しました。よろしくお願いします。
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