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第21話

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「レベッカのパーティー加入を祝してかんぱーい!」
「レベッカが仲間になってくれて本当に良かった!」

全員で乾杯が終わったらすぐレオンが嬉しそうに顔を輝かせて話し出す。今はレベッカがSランクパーティーのメンバー入りを果たした歓迎会を開いてくれていた。

「それにレベッカの付与術師の技量もすご過ぎる!」
「こんな付与術師が世の中にいるんだな……レベッカと比べると世界一のジョージが完全にかすんでしまう」
「そうね。とんでもない戦力アップだわ」

アメリアも絶賛して声がはずむ。リアムも信じられないという顔で興奮気味に語ると、マリンもこれから先は十分な成果が得られると満足そうな微笑がうかんでいる。レベッカは褒められることに慣れてないので、恥かしそうに赤くなっていた。

彼らは宴席えんせきで楽しそうに談笑していたが、レベッカは不意にどこか悲しそうな顔をする。幼馴染の勇者パーティーにいた頃のを思い出していたのだった。

(そう言えば、昔はよくみんなでお祝いしてたな……)

全員が田舎の村で育って気心の知れた友人たちなので、なにも気を遣うことはなく街での日常の生活は楽しかった。とはいっても冒険者なので、危険な仕事を引き受けなくてはならない。その時には気を引き締めてかかりますが、不思議と怖さや不安はなかったように思う。

何故なら戦いの時は幼馴染たちは圧倒的な強さを発揮していたのだ。それはレベッカの付与術師の腕前がなことが最大の理由だったのだが……。仲間たちの身を心配するあまり常日頃から、レベッカは全ての能力を付与によって100倍にしていた。

「レベッカ大丈夫?」
「う、うん」

レオンがとなりで何となく浮かない顔をしていたレベッカに気がついて声をかけた。やはり深い物思いに沈んでいたレベッカは、声の調子に力がなかった。

「どうしたの?元気なさそうだけど……」
「レベッカは主役なんだから遠慮することはないぞ?」
「リアムは騒ぎ過ぎだけどね!」

丸テーブルを囲んで5人で食事をしているので、他のメンバーも急に心配そうな様子になって声をかけてくる。レベッカは楽しい場を自分のせいで台無しにしてしまった気がして、心苦しい気持ちになりながら話しはじめた。

「ごめんなさい、昔の事を考えてて……」
「昔ってレベッカの友達の勇者パーティーのこと?」
「うん」
「レベッカの仲間の人たちは今どうしてるのかな?」

レベッカが遠い過去の出来事が頭によぎっていたと小さな声でつぶやいた。レオンが勇者パーティーの友達の事かと聞いてきます。アメリアがその人たちは何をしてるのかな?と軽い気持ちで言った。

「ギャンブルしてると思う……」
「ギャンブル?」
「みんな重度のギャンブル依存症で大変だったんだよね……」
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