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2 悲しい前世
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どうやらクロエは一年前に戻ってしまったらしい。
ある日、クロエはガブリエルと出かける約束をしていました。今回は彼の両親の国王様と王妃様に挨拶に行き、夕食をいただいてゆっくりと過ごす予定。
ガブリエルの家に行く前に、二人で街をブラブラ歩くのもクロエは楽しみにしてた。その時偶然、学園の友人に会ってガブリエルの幼馴染のマリアが重い病気にかかっていることを聞かされるのです。
「クロエ申し訳ないがデートを楽しんでいられなくなった。僕はマリアのところに行ってくる」
「えっ?これからご挨拶に行くのに……ガブリエルはいつ戻って来るの?」
「それは分からない」
前世ではこのようになってしまい、彼は幼馴染に片時も離れず看病することになって、この日は戻ってくることはありませんでした。
「いつまでいるつもりなの?今日で五日目よ」
「こんな状態のマリアをほっとけない」
「だけどガブリエルがいてもどうしようもないでしょ?」
「クロエは冷たいな。血も涙もないのか」
クロエは何度もマリアが入院している病室に足を運んで、彼に帰って来るように催促しました。生きてはいますが眠っているような状態のマリアは、心臓病で医者から余命半年の宣告をされたそう。
しばらくしてマリアの病気は完治しますが、二人の関係は深まり取り返しがつかないところまで到達してしまう。マリアがガブリエルの子供を身籠ったためです。
マリアの妊娠が発覚するまでは、クロエはまだガブリエルとやり直せると思っていましたが、絶望のどん底に落とされる。そして婚約破棄を宣告されて強引に聖女から引きずり下ろされました。
「私が聖女を辞めてしまえばこの国が滅びますよ!」
「黙れ詐欺師!偽の聖女の分際で僕をたぶらかした悪女め!」
「偽の聖女とおっしゃられても私には見当がつきませんが……?」
「まだ素直に認めないのか?ふてぶてしい奴だ」
前任の聖女が加齢の影響を受け引退宣言した。その時に魔力の強い聖女候補を国が集めて、クロエは選ばれ正式に聖女に任命されたのです。
加えて先代の聖女からは、自分よりも魔力範囲も効果がより大きいと太鼓判を押されていました。
それなのにどうして偽の聖女と暴言を吐かれなければならないのか……?この際、婚約破棄されることには納得できますが、聖女を剥奪というのはクロエは受け入れられません。
ある日、クロエはガブリエルと出かける約束をしていました。今回は彼の両親の国王様と王妃様に挨拶に行き、夕食をいただいてゆっくりと過ごす予定。
ガブリエルの家に行く前に、二人で街をブラブラ歩くのもクロエは楽しみにしてた。その時偶然、学園の友人に会ってガブリエルの幼馴染のマリアが重い病気にかかっていることを聞かされるのです。
「クロエ申し訳ないがデートを楽しんでいられなくなった。僕はマリアのところに行ってくる」
「えっ?これからご挨拶に行くのに……ガブリエルはいつ戻って来るの?」
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クロエは何度もマリアが入院している病室に足を運んで、彼に帰って来るように催促しました。生きてはいますが眠っているような状態のマリアは、心臓病で医者から余命半年の宣告をされたそう。
しばらくしてマリアの病気は完治しますが、二人の関係は深まり取り返しがつかないところまで到達してしまう。マリアがガブリエルの子供を身籠ったためです。
マリアの妊娠が発覚するまでは、クロエはまだガブリエルとやり直せると思っていましたが、絶望のどん底に落とされる。そして婚約破棄を宣告されて強引に聖女から引きずり下ろされました。
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前任の聖女が加齢の影響を受け引退宣言した。その時に魔力の強い聖女候補を国が集めて、クロエは選ばれ正式に聖女に任命されたのです。
加えて先代の聖女からは、自分よりも魔力範囲も効果がより大きいと太鼓判を押されていました。
それなのにどうして偽の聖女と暴言を吐かれなければならないのか……?この際、婚約破棄されることには納得できますが、聖女を剥奪というのはクロエは受け入れられません。
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