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第21話
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現在アメリアは妊娠している。夫は最初に話を聞いた時は半信半疑でした。しかし医者に診察を受けて妊娠が確実なことが分かる。
「奥様のお腹には新しい命が宿っています。おめでとうございます」
「そうですか……」
医者から妻が赤ん坊を身ごもっていると教えられても、夫は信じられなくて気の抜けた返事をした。
「あなたしっかりしてよ!」
「う、うん。すまない」
ぼーっとしている夫に、アメリアが気合いをかけるように背中を叩きました。それでもまだ心ここにあらずという感じです。
その後、帰りに食事をしました。二人っきりで外食するなんて一年ぶりくらいです。夫は戸惑いを感じて、妻と上手く会話ができるか心配していた。
反対にアメリアは元気そうに出会った時の話や、これから子供が生まれてからの話を顔一杯に笑顔を広げながら喋り続ける。
「あなたどうしたの?」
「いや、久しぶりにこんなにたくさんアメリアのほうから語りかけられて驚いてる」
「そう?このくらい夫婦だから普通でしょ?」
不意に夫が安心したように目尻がゆるんで柔和な微笑みを見せる。その変化に気がついたアメリアは何気なく質問した。
夫は妻に長い間話かけられて驚いたと答える。そしてアメリアの自然な言葉に喜びいっぱいの晴れやかな顔になると、火がついたように泣きわめくのです。
「うわああ……うえぅ……ああああ……」
「ちょっとあなた、なに泣いてるの?恥ずかしいでしょ!やめてよ!」
子供みたいに泣き声を上げる夫に、アメリアはなんだか居たたまれない気持ちになって夫に注意を促しました。だけど夫はいつまでも体を震わせてうめき声を発する。
そんな夫の姿を見ていたらアメリアも熱い涙が湧いてきます。周りの視線を気にして、涙を耐えるのに一生懸命に取り組んでいた。
だがこれ以上我慢できない思いが溢れて泣き始めました。好奇心で見ている客や店員に鼻も引っかけないで、夫婦揃って大粒の涙をこぼし、子供ができた喜びを心の底から満足し嬉し泣きした。
「俺が泣いたせいで恥ずかしい思いをさせてごめん」
「もう気にしてないわ」
店には2時間くらい滞在して謝罪をして退出した。帰りの馬車の中では二人は固く手を繋いで、救われたような明るい気持ちになっていました。
家に到着するとアメリアが急に唇を重ねてきたので、夫は心臓が揺さぶられ嬉しさでほほが緩む。
*****
新作「婚約者の王子が結婚している幼馴染を妊娠させる。婚約破棄になって別れたけど助けてと泣きついてきた。」を投稿しました。よろしくお願いします。
「奥様のお腹には新しい命が宿っています。おめでとうございます」
「そうですか……」
医者から妻が赤ん坊を身ごもっていると教えられても、夫は信じられなくて気の抜けた返事をした。
「あなたしっかりしてよ!」
「う、うん。すまない」
ぼーっとしている夫に、アメリアが気合いをかけるように背中を叩きました。それでもまだ心ここにあらずという感じです。
その後、帰りに食事をしました。二人っきりで外食するなんて一年ぶりくらいです。夫は戸惑いを感じて、妻と上手く会話ができるか心配していた。
反対にアメリアは元気そうに出会った時の話や、これから子供が生まれてからの話を顔一杯に笑顔を広げながら喋り続ける。
「あなたどうしたの?」
「いや、久しぶりにこんなにたくさんアメリアのほうから語りかけられて驚いてる」
「そう?このくらい夫婦だから普通でしょ?」
不意に夫が安心したように目尻がゆるんで柔和な微笑みを見せる。その変化に気がついたアメリアは何気なく質問した。
夫は妻に長い間話かけられて驚いたと答える。そしてアメリアの自然な言葉に喜びいっぱいの晴れやかな顔になると、火がついたように泣きわめくのです。
「うわああ……うえぅ……ああああ……」
「ちょっとあなた、なに泣いてるの?恥ずかしいでしょ!やめてよ!」
子供みたいに泣き声を上げる夫に、アメリアはなんだか居たたまれない気持ちになって夫に注意を促しました。だけど夫はいつまでも体を震わせてうめき声を発する。
そんな夫の姿を見ていたらアメリアも熱い涙が湧いてきます。周りの視線を気にして、涙を耐えるのに一生懸命に取り組んでいた。
だがこれ以上我慢できない思いが溢れて泣き始めました。好奇心で見ている客や店員に鼻も引っかけないで、夫婦揃って大粒の涙をこぼし、子供ができた喜びを心の底から満足し嬉し泣きした。
「俺が泣いたせいで恥ずかしい思いをさせてごめん」
「もう気にしてないわ」
店には2時間くらい滞在して謝罪をして退出した。帰りの馬車の中では二人は固く手を繋いで、救われたような明るい気持ちになっていました。
家に到着するとアメリアが急に唇を重ねてきたので、夫は心臓が揺さぶられ嬉しさでほほが緩む。
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