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第17話
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「誰にでも間違いはあるでしょ。夫婦はお互いに許し合って成長していくもの」
「冗談を言うな。僕達は別れてるんだぞ」
「ならまたやり直せばいい。私は今お姉様が子供を虐待するかもしれないことを心配してる」
「そんなことは絶対にあり得ない」
「万に一つの確率であなたとお姉様の間に子供ができたらその可能性は膨らんでいく。そのことを考えるだけで身を切られるような苦悩で眠れない」
風呂上がりのアメリアと改めて話し合いをすると平行線のままで好き勝手にいい加減なことを言う。
あろうことか娘のミアを姉のエミリーが暴力的に扱うのでは?とあきれ果てることを口にする。子供を虐待していたのはお前の方だろうと言う気持ちでした。
「ミアを押し返して傷つけたのはアメリアのほうじゃないか!」
オリバーは押さえていた苛立ちが耐え切れなくなり怒りもあらわに怒声をぶつける。
「だからあの時はどうかしてたって言ってるでしょ!謝ったことを執念深く言わないで!」
やはりアメリアに自責の念などは感じなく反省の色が極端に薄い。弟のフレディに捨てられて口先だけの謝罪の印象を抱く。
せっかくエミリーとの再婚が決まって来たのに、もう離婚もして実家からも絶縁されているので赤の他人と呼べるアメリアの存在はハリボテのように感じられるオリバー。
「もう別れたアメリアと関係を修復するつもりは一切ない!」
「駄目!私が納得できない!ミアには本当の母親が必要なの!」
子供を引き合いに出すアメリアに父親のジャックと母親のイザベラは沈黙して困惑したような顔をしている。まさか自分の娘がここまでとんでもない人間だったのかと嫌気がさす。
しばらく無言の間が続いていたがジャックが話し始める。
「アメリアは私達の娘なので私が責任を持って相手を探して結婚させてオリバーとエミリーに今後は迷惑をかけないようにする」
公爵家当主のジャックが是が非でもアメリアの縁談を取りまとめると強い口調で答える。
「お父様本当ですか!」
「それしか方法がないだろう……」
「それなら相手はオリバーなんかよりも心が広くて若くて背の高いイケメンがいいです!」
何故か嬉しそうに顔を輝かせ結婚相手の男性に勝手な注文をつけて声を弾ませるアメリアに対してジャックはやれやれといった感じの表情。
「田舎の貴族で結婚相手がいなくて困っていると聞いていた知り合いが頭に浮かんだからな……」
「そんな人となんて嫌ですよ!」
「縁を切られている立場でこれ以上の我がままを言うなら本当に繋がりをなくして今から叩き出すぞ!」
アメリアの反論を叩き切るようなジャックの怒鳴り声が部屋中に響き渡った。
「冗談を言うな。僕達は別れてるんだぞ」
「ならまたやり直せばいい。私は今お姉様が子供を虐待するかもしれないことを心配してる」
「そんなことは絶対にあり得ない」
「万に一つの確率であなたとお姉様の間に子供ができたらその可能性は膨らんでいく。そのことを考えるだけで身を切られるような苦悩で眠れない」
風呂上がりのアメリアと改めて話し合いをすると平行線のままで好き勝手にいい加減なことを言う。
あろうことか娘のミアを姉のエミリーが暴力的に扱うのでは?とあきれ果てることを口にする。子供を虐待していたのはお前の方だろうと言う気持ちでした。
「ミアを押し返して傷つけたのはアメリアのほうじゃないか!」
オリバーは押さえていた苛立ちが耐え切れなくなり怒りもあらわに怒声をぶつける。
「だからあの時はどうかしてたって言ってるでしょ!謝ったことを執念深く言わないで!」
やはりアメリアに自責の念などは感じなく反省の色が極端に薄い。弟のフレディに捨てられて口先だけの謝罪の印象を抱く。
せっかくエミリーとの再婚が決まって来たのに、もう離婚もして実家からも絶縁されているので赤の他人と呼べるアメリアの存在はハリボテのように感じられるオリバー。
「もう別れたアメリアと関係を修復するつもりは一切ない!」
「駄目!私が納得できない!ミアには本当の母親が必要なの!」
子供を引き合いに出すアメリアに父親のジャックと母親のイザベラは沈黙して困惑したような顔をしている。まさか自分の娘がここまでとんでもない人間だったのかと嫌気がさす。
しばらく無言の間が続いていたがジャックが話し始める。
「アメリアは私達の娘なので私が責任を持って相手を探して結婚させてオリバーとエミリーに今後は迷惑をかけないようにする」
公爵家当主のジャックが是が非でもアメリアの縁談を取りまとめると強い口調で答える。
「お父様本当ですか!」
「それしか方法がないだろう……」
「それなら相手はオリバーなんかよりも心が広くて若くて背の高いイケメンがいいです!」
何故か嬉しそうに顔を輝かせ結婚相手の男性に勝手な注文をつけて声を弾ませるアメリアに対してジャックはやれやれといった感じの表情。
「田舎の貴族で結婚相手がいなくて困っていると聞いていた知り合いが頭に浮かんだからな……」
「そんな人となんて嫌ですよ!」
「縁を切られている立場でこれ以上の我がままを言うなら本当に繋がりをなくして今から叩き出すぞ!」
アメリアの反論を叩き切るようなジャックの怒鳴り声が部屋中に響き渡った。
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