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第47話

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「ガブリエルはアイラのことが好きなの?」
「キスしたの?」
「二人はいつも仲が良いから付き合ってるの?」

数人の子がガブリエルとアイラを囲んで、口調には二人をからかうような響きがあった。ガブリエルは自分はおちょくられているのだろうかと思いむっとする。

だけど恥ずかしくて何も言えずに目を伏せることしかできず、アイラも困ったような戸惑いの表情を浮かべていた。

「私はガブリエル君のこと好きだよ」

次の瞬間アイラは勇気を奮い起こして気持ちを明らかにする。ガブリエルは、この時のアイラの自分に向けての秘めた想いの告白を一生忘れない。

実を言うとアイラは、この時はガブリエルのことは好きでも嫌いでもなかった。だがこの状況をどうにかしようとガブリエルを気にかけて言ったのです。

そうとは知らないガブリエルは、アイラに淡い恋心を抱いていたので、両想いだったことが分かり舞い上がるような気分になった。

「キャーー!」
「やっぱり二人は付き合っていたんだ」
「あんなに親密にしてたら誰だってそう思うよね」

アイラの勇気ある告白を聞いてみんなが陽気に浮かれ騒いだりなどした。ガブリエルに対してアイラに好きと言ってもらえて良かったねと微笑ましいことを言ってくる子もいる。

でもほとんどは面白半分でわいわい騒ぎはじめて、教師が来るまでしばらくうるさくて、気が落ちつかないのでした。

「私は気にしてないよ。ガブリエル君これからも仲良くしようね」
「うん、ありがとう」

アイラは、そんなの知らん振りで屈託のない笑顔で駆け寄ってきた。顔を赤らめたガブリエルは涙をこぼしながら返事をするのが精一杯で目を潤ませて席に着いた。

この出来事から、アイラが自分に特別な感情を抱いていることは知ることができたけど、ガブリエルのほうから好きだという気持ちをアイラに伝えることを諦める。

「アイラに好きだと言いたいけど怖いよ……」

その日、家に帰ったガブリエルは部屋の中で、小さくつぶやくような声を発する。自分が心の内の思いをアイラに伝えてしまったら、またクラスの連中にからかわれると考えてしまう。

結局は何よりも自分自身が臆病風に吹かれて逃げてしまい、アイラとの恋愛に向き合わなかった。ガブリエルはその日を境に少しずつアイラと距離を置くようになる。
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