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第41話

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「会いたいな……僕もあの世に旅立てば天国のアイラに会えるかな?最後に僕の名前を呼んでほしい」

妻のアイラが亡くなったことが受け止められなくて、ガブリエル殿下は心の中に柵を作り、埋めようのない空白感を一種の現実逃避で精神の安定を保つ。

今、目を見ながら微笑みかけてくれたらどんなに幸せか。ガブリエルは天にも昇る心持ちになり、そのまま神に召されてもいいと思っている。

「アイラ……僕を一人にしないでくれ……」

まだ妻がいなくなった実感がない。今でも呼んだら足早に歩いて語りかけてくれそうな、自分のすぐ傍にいるみたいな感じ。だけど彼はやせ衰えた頬で活力がない。


二人が出会ったのは学園。運命みたいな出会いだった。付き合う前から友人関係で病気のアイラにはあこがれ的存在でした。しかし好きなガブリエルに思いを打ち明けることもできずに心の鍵を閉める。

まだ二人が恋人になる前の友人の時、その日アイラは学園の廊下を歩いていたら、急に全身の力が抜けて立ちくらみを起こす。この程度は体の弱いアイラにとっては慣れたこと。しばらく窓辺によりかかって休み体調を整える。周りにはほかに生徒もいなくて静まり返っていた。

「大丈夫かい」
「すみません助かりました。殿下!?」

体の具合が回復してアイラは再び歩き始めたところ、一瞬クラっとして後ろに倒れそうになる。このままでは床で頭を打って怪我をしてしまうと思い、自分自身の生まれつき虚弱な体を呪いました。

その時、誰か分かりませんが崩れる体を力強く受け止めてくれた。お礼を伝えようと顔を上げて相手を確認しようとしたらガブリエル殿下でした。

「そんなに驚くことはないだろ?アイラは僕では不満だったかな?」
「そ、そんなことは絶対にございません。体を支えていただいて感謝いたします」
「他人行儀な言い方もしなくていいよ。友人だから気軽に名前で呼んでほしいと前にお願いしたよね?」

緊張した表情のアイラに、いたずらっ子みたいな顔になり穏やかな口調で微笑みかける。アイラは嬉しいけど恥ずかしいような気持ちで頬を少し赤くします。

ほのぼのとした安心が胸に広がり、その後はなんとなく会話を始める。すごく波長があって楽しい。自分の中にあったとは思えない飛び立つような喜びを感じて話がいつまでも弾んだ。


*****
新作「婚約した幼馴染の彼と妹がベッドで寝てた。婚約破棄は嫌だと泣き叫んで復縁をしつこく迫る。」を投稿しました。よろしくお願いします。
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