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第3話
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アイラ令嬢は何故自分とガブリエル殿下が交際していると思っているのか不思議な顔で言う。
「元から付き合ってないんだけど…」
「嘘でしょ?みんなはとっくに二人は恋人だと思っているよ」
「そんなこと言われてもガブリエル殿下とは付き合ってない」
アイラ令嬢はわけがわからなかった。
「いつもガブリエル殿下と仲良くしてるでしょ?」
「最近はガブリエル殿下と全然話してないし…」
「でもガブリエル殿下もアイラのことが好きなのは間違いないと思う。ガブリエル殿下の友人もそう言っていたから…」
「それは何となく聞いた」
「そうなの?」
「うん…」
アイラ令嬢が元気なく頷くとジュリア令嬢はいたずらっぽい眼差しで言う。
「それなら私がガブリエル殿下に告白してみるけどいい?」
「ジュリアの好きにしたらいいんじゃない?」
投げやりな態度で言ったが、口にしてから後悔をして悲痛な思いになる。
「冗談で言っただけだから…怒らないで」
機嫌が悪くなったアイラ令嬢の顔を見て直ぐに冗談だと言うジュリア令嬢だった。
ガブリエル殿下は背も高く見栄えがしてモテる。もう少し年齢を重ねれば美青年と呼ばれると思う。
もし自分が恋人になってもこれから先、ガブリエル殿下に言い寄る女性は数えきれないほどいるだろうね。
それでガブリエル殿下が女性からの甘い誘いに乗ってしまったら、その度に何度もこんな胸が締め付けられる思いを繰り返すのかと考えると、それならもう人を好きになりたくないとすら思っていた。
「アイラ!」
数日後、ガブリエル殿下から久しぶりに名前を呼ばれる。内心は嬉しかった。
「元から付き合ってないんだけど…」
「嘘でしょ?みんなはとっくに二人は恋人だと思っているよ」
「そんなこと言われてもガブリエル殿下とは付き合ってない」
アイラ令嬢はわけがわからなかった。
「いつもガブリエル殿下と仲良くしてるでしょ?」
「最近はガブリエル殿下と全然話してないし…」
「でもガブリエル殿下もアイラのことが好きなのは間違いないと思う。ガブリエル殿下の友人もそう言っていたから…」
「それは何となく聞いた」
「そうなの?」
「うん…」
アイラ令嬢が元気なく頷くとジュリア令嬢はいたずらっぽい眼差しで言う。
「それなら私がガブリエル殿下に告白してみるけどいい?」
「ジュリアの好きにしたらいいんじゃない?」
投げやりな態度で言ったが、口にしてから後悔をして悲痛な思いになる。
「冗談で言っただけだから…怒らないで」
機嫌が悪くなったアイラ令嬢の顔を見て直ぐに冗談だと言うジュリア令嬢だった。
ガブリエル殿下は背も高く見栄えがしてモテる。もう少し年齢を重ねれば美青年と呼ばれると思う。
もし自分が恋人になってもこれから先、ガブリエル殿下に言い寄る女性は数えきれないほどいるだろうね。
それでガブリエル殿下が女性からの甘い誘いに乗ってしまったら、その度に何度もこんな胸が締め付けられる思いを繰り返すのかと考えると、それならもう人を好きになりたくないとすら思っていた。
「アイラ!」
数日後、ガブリエル殿下から久しぶりに名前を呼ばれる。内心は嬉しかった。
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