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学校生活2。

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ライムに聞くと、ライムは頷いた。



「うん。お金もかかるから5歳くらいから家の手伝いをして家計を助けるんだ。それで10歳くらいになったら学校に入れるようになる。」

「待って・・・ジニアは12歳で卒業したって言ってたけど!?」



入って2年で卒業するとかありえないスピードだ。

前の世界では6年、小学校に通ってから3年間、中学校に通う。そして進学する子たちはその後高校や大学に行って・・・みんな16年くらい学生をするものだった。



「ジニア!?お前、ジニアと知り合いなのか!?」



セダムは私の両頬をがしっとつかまえて私に顔を近づけた。


(待って・・!この子すっごいイケメン・・・!!)


イケメンは幼いときもイケメンだ。

アイドルの昔の写真特集とかで見てもやっぱりイケメンだった。



「し・・知り合いっていうか友達だけど・・・」



そう言うとセダムはつかんでいた手をぱっと離した。



「ジニアは入学したときから賢かったんだよ。ほんとは1年で卒業できたけど念のためにもう1年勉強してから卒業試験を受けた。で、満点に近い点数取って卒業したんだよ。」

「もしかして卒業試験って・・・いつでも受けれるの?」



私の疑問にライムが横から答える。



「いつでも受けれるよ?ただし年に一度だけだけど。」

「そうなんだ・・・・」

「入学はどの年齢でもできるけど、基本的には12歳まで。同じ時期に入学した人は年が違っても同学年になる。」

「へぇー・・・。」




ライムは『学校』の仕組みを詳しく教えてくれた。

基本的には入学した時のメンバーでずっと勉強していくこと。

最高学年は6年生で、そこで卒業試験をクリアできなかった人たちはもう1年、6年生をする。

すると5年生が6年生に上がった時に一緒になり、1クラスの人数が増えるというものだった。

いつまでも卒業できない人はそのまま辞めるか、卒業できるまで学校に通う。

家計を助けるならさっさと卒業するのがいいみたいだ。




「俺はこのメンバーからは一番に卒業するからな!」



セダムが意気込んで宣言した。

それを呆れるようにして、あざ笑う声が聞こえてくる。




「はっ、計算問題でつまずくようなやつはずっと卒業できないんじゃないか?」

「そうだな、まだ文字もまともに書けないようだし?」

「10歳にもなって呆れそうだよ。」




そう言ったのは赤い髪をした3人だった。



「アイビー、あいつらは三つ子なんだよ。」

「三つ子!?」

「将来学者になりたくて入学したんだってさ。」

「学者・・・・。」



3人は賢いのか、はたまたそれをアピールしたいのか難しそうな本を広げて読み始めた。

私はライムとセダムを見ながら、恐る恐る聞いた。



「ね・・ねぇ・・二人っていくつ・・なの?」



二人は顔を見合わせて、同時に答えた。



「10歳だよ。アイビー以外はみんな10歳。」

「5歳も年上なんだ・・・・。」



喋り方や知ってる内容からして10歳とも思えなかったけど、私は歳の差を痛感していた。

身体の大きさも全然違う。



(私・・学校に来る意味あったのかな・・・。)



そんなことを思ってると、先生が教室に入ってきた。



「はい、次の授業しますよー。」



セダムは自分の席に帰っていき、ライムは引き出しから次の教科書を取り出した。

私も同じ教科書を出して授業を受けていく。



(帰ったらシャガに聞かないと・・・。)



私はこの日、夕方まで授業を受けて家に帰った。

寄り道をせずに真っ直ぐ家に帰った。





ーーーーー





「ちょっと、とうさんっ!!」




家に帰ると晩御飯の支度をしてるシャガの姿があった。

甘い匂いから今日は魚の煮つけだろう。



「おぉ、おかえり。どうだった?初めての学校は。」


お出汁の味を見ながらシャガが答える。


「聞きたいことがいっぱいあるんだけどっ!」

「ならメシんときな。さっさと着替えて来い。もうすぐできる。」

「むー・・・。」



私は部屋の奥に入り、制服から普段着に着替えた。

机を見るとちょうどシャガがご飯を並べてるところだ。


「ほら座れ。」


私は自分の椅子に座った。

机に並べられたご飯は私の予想通り、煮付けに煮物、あと卵を焼いたものだ。


「いただきます。」

「いただきます・・・。」



私はご飯の入った器を左手に持ち、右手でお箸を持った。

この世界、スプーンはあるけどフォークはない。

刺す代わりに挟んで食べる『箸』があるのだ。

その辺は前の世界とあまり変わりなくて助かってる。



「ねぇ、学校に通う子は10歳くらいが普通っていわれたんだけど?」




ご飯を口に入れず、器と箸を持ったまま聞いた。



「え!?今は10歳が入学適齢期なのか!?」



本気で驚いたのか、シャガのお箸が止まった。

私を見つめて呆然としてる。



「え・・知らなかったの?」

「俺んときは5歳が普通だったから・・・。」



どうも年代が進み、学校への入学時年齢が上がったようだった。

そのことを知らなかったシャガは、自分の経験を元に私を5歳で学校に入れたようだ。



「じゃあどうする?さっさと卒業しちまうか?」

「いや、それはそれで目立つでしょ・・・。」

「だな。」



私はお箸でご飯をすくった。

口に放り込んでもぐもぐと口を動かす。

するとシャガも同じように口に放り込んで私に言った。



「ならもういっその事飽きるまで通え。将来を考えながらでいいし。」

「えぇ!?」

「友達はできたか?」

「友達っていうか・・・話をした子はいたけど・・・」



ライムとセダムは今日の休み時間の度に話をした。

二人の住んでるとこや、大きくなったら何になるかとかの話を散々聞かされた。

それを友達と呼べるのかどうかは分からなかった。



「ならそいつらと一緒に勉強すればいい。そいつらが卒業するときに合わせて一緒に卒業したらいい。」

「うーん・・・でも私だけ5歳なんだけど・・・。」

「中身は21歳なんだからいいんじゃね?」

「え、そういう問題?」



シャガは私の卵を一つひょいと取った。

それを自分の口に放り込む。



「あっ・・!」

「社会勉強するんだろ?いろんなやつら見て来い。」


私はシャガのお皿にある卵を一つ取り、自分の口に放り込んだ。



「あっ・・!?」

「娘のおかずを取り上げるなんてどういう神経してんのよ。」



もぐもぐと口を動かしながらそう言うと、シャガはケタケタと笑った。


「ははっ、ま、楽しめ。」



シャガが私との生活を楽しんでるように、私も楽しむのがいいかもしれない。

そう考えた私はこれからの学校生活をどうするか考えた。

畑の仕事もしたいし、学校にも行きたい。



「いろいろやってみるよ。」

「あぁ。」




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