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トラウマ。
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ほたる「ありがとうございました。楽しかったです。」
帰り道の車内で純弥さんにお礼をいった。
純弥「なぁ、ほたる。」
ほたる「なんですか?」
純弥「お前、好きなやつとかいるのか?」
ほたる「!?・・・突然何を言い出すんです!?」
純弥「・・・いるのか?」
真剣な目で私を見る純弥さん。
ほたる「・・・いません。」
純弥「・・・ほんとに?」
ほたる「ほんとに、ほんとに。」
ハッキリ言う私に、純弥さんの口から恐ろしい一言が飛び出してきた。
純弥「・・・アヤト。」
ほたる「---っ!?なんっ!?うぁ・・っ!」
純弥「!?・・・どうした!?ほたる!?」
ほたる「はぁっ!はぁっ!息・・できなっ・・!」
ーーーーーー
純弥side・・・
俺が『アヤト』っていったら、ほたるが急に苦しみだした。
純弥「!?・・・どうした!?ほたる!?」
ほたる「はぁっ!はぁっ!息・・できなっ・・!」
過呼吸をおこしてるようだ。
純弥「吸った分だけ吐けよ?吐いた分だけ吸うんだ。わかるか?」
ほたる「んっ・・!う・・・!はぁっ・・!」
なかなか落ち着かない呼吸。
俺の視界に天河消防署が入ってきた。
純弥「とりあえず署に入るからな!?」
俺は車を署の入り口に止めた。
すると、笹井さんが出てきた。
多分指令室から見えてたんだろう。
笹井「純弥!入り口前に車を止めるな!」
純弥「ほたるを救護室にお願いします!」
笹井「え?ほたる?」
助手席を開けて、笹井さんにほたるをお願いした。
笹井「ほたる!?どうした!?」
純弥「過呼吸みたいです。もうすぐ落ち着きそうなんですけど、とりあえず連れてきました。」
笹井「わかった。救護室に連れてく。」
純弥「お願いします。俺、車を置いてくるんで。」
俺は車を駐車場にとめにいった。
ーーーーーーーーーー
笹井side・・・
ほたるが過呼吸を起こしたのは初めて見た。
何か原因があって起こるものなハズだけど・・・。
純弥と一緒に出掛けてたみたいだから純弥となにかあったのかもしれない。
呼吸がだいぶ落ち着いたほたるを姫抱きにしながら救護室に入った。
ベッドに寝かせて起こしてみる。
笹井「ほたる?ほたる?」
ほたる「う・・・。」
笹井「気づいたか?」
ほたる「笹井・・さん。」
笹井「純弥が戻ってくる前に聞きたい。何があった?」
ほたる「・・・そんな早くに説明・・できないです。」
長くなる話なのか。
でも聞いとかないとまた過呼吸を起こすかもしれないし・・・。
どうしようかと悩んでると、純弥が戻ってきた。
純弥「ほたるっ。大丈夫か?」
ほたる「はい・・すみません・・・。」
笹井「純弥。」
純弥「はい?」
笹井「ほたる、借りるわ。」
俺はほたるを抱きかかえて署長室に向かった。
純弥「え!?笹井さん!?」
笹井「お前は来るな!」
純弥「・・・はい。」
黙々と歩き進め、署長室に入り、鍵をかけた。
ガチャン・・・
ほたる「あの・・・。」
笹井「ソファーに下ろすからちょっと待て。」
俺は客用の長ソファーにほたるを座らせた。
隣に座って、もう一度聞く。
笹井「純弥と何があった?」
ほたる「--っ!」
笹井「ゆっくりでいいから・・・話してごらん?」
俺の言葉にほたるが答えていく。
ほたる「・・・もう一つの消防署に、西条、彩斗って人がいるのご存知ですか?」
笹井「あぁ、若いのにリーダーやってるやつだな。」
ほたる「つきあってたんです。」
笹井「あいつと?」
思いがけない展開だな。
ほたる「去年、別れて・・・。」
笹井「それは・・なんで?」
ほたる「私の病気のことも理解してくれてて、毎日が楽しかった。でも、時間を忘れることも多くなって・・・。」
笹井「まぁ、楽しいと時間が過ぎるの早いからな。」
ほたる「・・・ある日、出動が重なっちゃって、彼は疲労困憊状態。なのに私は音信不通。心配してくれた彼は私の家まできてくれたんですけど、案の定私は倒れてました。意識はかろうじてあったんですけど・・・彼は言いました。」
笹井「・・・なんて?」
ほたる「仕事で人命救助してんのに家でも人命救助かよ。薬ぐらいちゃんと飲めよ。・・・って。」
笹井「ひどいな。」
ほたる「でもその通りですよね。私は彼を支えれないどころか重荷だった。最後に病院に連れて行ってくれたんですけど、その日から会うことはなくなりました。」
笹井「・・・。」
ほたる「もう薬は飲み忘れない。重荷にならない。そう決めて引っ越しまでしたのに・・・純弥さんの口から『彩斗』って言葉が出てパニックに。・・・すみませんでした。」
笹井「謝ることはないよ。ゆっくり落ち着いてから戻ろうか。紅茶でも取ってくるからここにいて?」
ほたる「はい。ありがとうございます。」
俺は署長室をでたあと、ケータイを遣ってメンバーを緊急招集した。
帰り道の車内で純弥さんにお礼をいった。
純弥「なぁ、ほたる。」
ほたる「なんですか?」
純弥「お前、好きなやつとかいるのか?」
ほたる「!?・・・突然何を言い出すんです!?」
純弥「・・・いるのか?」
真剣な目で私を見る純弥さん。
ほたる「・・・いません。」
純弥「・・・ほんとに?」
ほたる「ほんとに、ほんとに。」
ハッキリ言う私に、純弥さんの口から恐ろしい一言が飛び出してきた。
純弥「・・・アヤト。」
ほたる「---っ!?なんっ!?うぁ・・っ!」
純弥「!?・・・どうした!?ほたる!?」
ほたる「はぁっ!はぁっ!息・・できなっ・・!」
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純弥side・・・
俺が『アヤト』っていったら、ほたるが急に苦しみだした。
純弥「!?・・・どうした!?ほたる!?」
ほたる「はぁっ!はぁっ!息・・できなっ・・!」
過呼吸をおこしてるようだ。
純弥「吸った分だけ吐けよ?吐いた分だけ吸うんだ。わかるか?」
ほたる「んっ・・!う・・・!はぁっ・・!」
なかなか落ち着かない呼吸。
俺の視界に天河消防署が入ってきた。
純弥「とりあえず署に入るからな!?」
俺は車を署の入り口に止めた。
すると、笹井さんが出てきた。
多分指令室から見えてたんだろう。
笹井「純弥!入り口前に車を止めるな!」
純弥「ほたるを救護室にお願いします!」
笹井「え?ほたる?」
助手席を開けて、笹井さんにほたるをお願いした。
笹井「ほたる!?どうした!?」
純弥「過呼吸みたいです。もうすぐ落ち着きそうなんですけど、とりあえず連れてきました。」
笹井「わかった。救護室に連れてく。」
純弥「お願いします。俺、車を置いてくるんで。」
俺は車を駐車場にとめにいった。
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笹井side・・・
ほたるが過呼吸を起こしたのは初めて見た。
何か原因があって起こるものなハズだけど・・・。
純弥と一緒に出掛けてたみたいだから純弥となにかあったのかもしれない。
呼吸がだいぶ落ち着いたほたるを姫抱きにしながら救護室に入った。
ベッドに寝かせて起こしてみる。
笹井「ほたる?ほたる?」
ほたる「う・・・。」
笹井「気づいたか?」
ほたる「笹井・・さん。」
笹井「純弥が戻ってくる前に聞きたい。何があった?」
ほたる「・・・そんな早くに説明・・できないです。」
長くなる話なのか。
でも聞いとかないとまた過呼吸を起こすかもしれないし・・・。
どうしようかと悩んでると、純弥が戻ってきた。
純弥「ほたるっ。大丈夫か?」
ほたる「はい・・すみません・・・。」
笹井「純弥。」
純弥「はい?」
笹井「ほたる、借りるわ。」
俺はほたるを抱きかかえて署長室に向かった。
純弥「え!?笹井さん!?」
笹井「お前は来るな!」
純弥「・・・はい。」
黙々と歩き進め、署長室に入り、鍵をかけた。
ガチャン・・・
ほたる「あの・・・。」
笹井「ソファーに下ろすからちょっと待て。」
俺は客用の長ソファーにほたるを座らせた。
隣に座って、もう一度聞く。
笹井「純弥と何があった?」
ほたる「--っ!」
笹井「ゆっくりでいいから・・・話してごらん?」
俺の言葉にほたるが答えていく。
ほたる「・・・もう一つの消防署に、西条、彩斗って人がいるのご存知ですか?」
笹井「あぁ、若いのにリーダーやってるやつだな。」
ほたる「つきあってたんです。」
笹井「あいつと?」
思いがけない展開だな。
ほたる「去年、別れて・・・。」
笹井「それは・・なんで?」
ほたる「私の病気のことも理解してくれてて、毎日が楽しかった。でも、時間を忘れることも多くなって・・・。」
笹井「まぁ、楽しいと時間が過ぎるの早いからな。」
ほたる「・・・ある日、出動が重なっちゃって、彼は疲労困憊状態。なのに私は音信不通。心配してくれた彼は私の家まできてくれたんですけど、案の定私は倒れてました。意識はかろうじてあったんですけど・・・彼は言いました。」
笹井「・・・なんて?」
ほたる「仕事で人命救助してんのに家でも人命救助かよ。薬ぐらいちゃんと飲めよ。・・・って。」
笹井「ひどいな。」
ほたる「でもその通りですよね。私は彼を支えれないどころか重荷だった。最後に病院に連れて行ってくれたんですけど、その日から会うことはなくなりました。」
笹井「・・・。」
ほたる「もう薬は飲み忘れない。重荷にならない。そう決めて引っ越しまでしたのに・・・純弥さんの口から『彩斗』って言葉が出てパニックに。・・・すみませんでした。」
笹井「謝ることはないよ。ゆっくり落ち着いてから戻ろうか。紅茶でも取ってくるからここにいて?」
ほたる「はい。ありがとうございます。」
俺は署長室をでたあと、ケータイを遣ってメンバーを緊急招集した。
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