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前の世界に帰る方法。

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カイル「でもそれはベンの憶測だろう?」

ベン「私の研究の成果です!!リズの世界に行けば・・・この世界はもっと発展する!!」





私はカイルさまの部屋に足を踏み入れたまま一歩も動けなかった。

話をしてる3人の飛び交う言葉が理解できずにただ・・・聞いていた。




カイル「リズの世界はリズの世界だ。我々は我々の力で発展していかないといけない。」

ベン「そうは言っても・・・!!」

ゼオン「二人とも待ってください!・・・リズが聞いてます。」

カイル「!!」

ベン「!!」





ゼオンさんが私に気づき、二人を止めた。

止めたけど・・・私の頭の中でいろんな言葉が回っていた。




『リズの世界』『異世界の扉』『行く』




そのワードから一つの答えが私の中で導き出される。




リズ「私・・・帰れるんですか・・・?」

ロディ「!!・・・やダ!!だメ!!」





ロディが私の腕から下りようと必死にもがく。

でも私はそのロディの身体をぎゅっと抱きしめてカイルさまを見た。





リズ「帰れるんですか!?」

カイル「それは確実ではない。ベンが・・・・」





カイルさまの言葉に、私はベンさんを見た。

彼は私と目を合わせた後パッと反らしたけど・・・私は構わず話し続けた。




リズ「帰れるんですか!?どうやったら帰れるんですか!?教えてください・・!!」




帰れる方法があるなら・・・ビートに会えるならどんな方法でもいいから帰りたいと思った。




リズ「お願いします・・・!!」





たぶん・・・私は必死な顔をしていたんだろう。

ベンさんは私の表情を見るなり・・ため息を一つ漏らした。





ベン「はぁー・・・、エネルギーが・・・足りないんだ。」

リズ「エネルギー・・?」

ベン「異世界の扉を開く方法は見つけた。ただそれには莫大なエネルギーが必要で・・・今、研究室にあるエネルギーじゃ足りない・・・。」

リズ「どれくらい!?何をどれくらい必要なんですか!?」





必要なものは集めればいい。

そう思って聞いたとき、私の腕の中からロディが飛び抜けた。





リズ「あっ・・・!」

ロディ「させなイ!!」


ロディは床に下りると同時に部屋の扉に向かって走り出した。

ドアを開けて廊下に飛び出ていく。





リズ「待って!ロディっ!!」

ロディ「研究室・・・壊れれバ・・・リズはずっとここにいル!!」

リズ「えぇ!?」

ベン「!?・・・やめろっ!!」






私はロディを追ってカイルさまの部屋から飛び出た。

ベンさんも一緒に出てきて・・・・その後ろからはカイルさまもゼオンさんもついてくる。

ロディは足が速いのか、小さいから小回りが利くからか・・・どんどん先に行ってしまう。





リズ「待って・・!!ロディっ・・・!!」






ロディは廊下を走っていき、突き当りを左に曲がった。

あの道は・・・私が風邪を引いたときに行った道だ。




リズ「そっちはなにも無いよ!?」




そう叫んだ時、私の少し後ろを走ってるベンさんが口を開いた。




ベン「私の研究室がある!」

リズ「え!?でも前に通った時は何も・・・・・。」

ベン「隠し通路になってるんだ!!」





私たちも廊下の突き当りにつき、左に曲がった。

下り坂になってるスロープを走りながら下りていくと・・・ロディが壁をペタペタと触ってるのが見えた。





リズ「ロディ!!」

ベン「ロディ!!」

ロディ「!!」




私たちが追いついてきたことに驚いたのか、ロディは慌てながら壁を触った。

ペタペタと触ってる時・・・ロディの身体が急に壁に吸い込まれるようにして消えていくのが見えた。



リズ「え!?」

ベン「いかん!そこに入るな!!」



ベンさんが言い終わる前にロディの身体は壁の中に消えていき、私はロディが消えた壁の前にたどり着いた。

ペタペタと触るけど・・・どこにもなにもない。




リズ「ロディ?・・・ロディ!?」

ベン「あいつ・・・入り方を知ってたなんて・・・。」




ベンさんはしゃがみ込み、何やらペタペタと壁を触り始めた。

そのときちょうどカイルさまとゼオンさんも追いついてきてベンさんの様子を見てる。




カイル「ベン、入り口を隠してたのか?」

ベン「触ると危ないものもありますゆえ・・・。」

ゼオン「なら言うだけでよかったでしょう。わざわざ隠さなくても・・・。」

ベン「・・・。」







カイルさまとゼオンさんにぶつぶつ言われながらも壁をペタペタ触り続けるベンさん。

しばらくして・・・ガコンっと音がなって壁に線が入り始めた。

それはみるみるうちに扉の形に浮き出てきて・・・がちゃっという音と共に壁が開いた。




リズ「すごい・・・。」

ベン「あいつ・・・なんにも触ってないといいが・・・。」



ベンさんが中に入ったあと、私も続いて中に入った。

私の後をカイルさまとゼオンさんが着いてくる。




リズ「機械が・・・たくさんある・・・。」




中は・・・いろんな機械で溢れていた。

この人間の世界にはない『ライト』に照らされてかなり古いロボットが解体されてる名残が見える。

パーツごとにわけられてるであろう棚に、図面をひくのか大きな机・・・それに手術でもできそうな大きなベッドも置いてあった。



リズ「夜はろうそくで灯りをともしてるのに・・・ここはライトがあるんだ・・・。」

カイル「まだ量産はできないからここにしか無いがな。・・・ここ、こんなに広かったか?」

ゼオン「改築でもしてんでしょうかね。前に無かったものもあるようですし。」




部屋は奥の奥まで続いてるのが見えた。

広い広い部屋はカイルさまの部屋の2倍以上ありそうだ。



ベン「あいつ・・・奥に行ったか・・・?」




ぶつぶつ言うベンさんについて歩きながらロディを呼ぶ。



リズ「ロディ―っ!どこーっ!?」




沢山ある道具に目を奪われながら進んで行くと・・・一番奥に光り輝いてるものが見え始めた。

それは大きなカプセルのようなものに入っていて・・・たくさんの管がカプセルに繋がれてる。

管は他の機械に接続されていて・・・よくわからないメーターが上下に動いていた。

そのカプセルの前に・・・ロディが立っていた。




リズ「ロディ・・・!!」

ロディ「・・・。」




私はロディに駆け寄り、その体を抱きしめた。





リズ「勝手に行っちゃだめでしょ?」

ロディ「・・・・。」

リズ「聞いてるの?ロディ?」

ロディ「・・・・。」





ロディはカプセルを見上げたまま、喋らなかった。

なにか気になるものでもカプセルに入ってるのかと思って、目線をカプセルに移すと・・・

そこにはロボットがいた。



丸い頭に・・・ロディより小さい身体。

まん丸な手。

四角い足の裏が見える。

所々汚れてはいるけど・・・真っ白なボディが目に入った。




リズ「え・・・・・?」




私はその姿に見覚えがあった。

それは・・・・私の大切な『家族』だ。





リズ「・・・・ビート!?」

















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