20 / 59
夜のデート。
しおりを挟む
それからさらに日にちが経ち、お互いに休みの日はどこかに出かけ、一緒にご飯を食べに行ったりした。
一緒に出掛けることが当たり前になったある日の朝、出勤の準備をしてると秋也さんからメールが届いた。
『俺、今日休みなんだけど、仕事何時まで?秋也』
千冬「いいなー。・・私は、17時かな。」
『17時で終わると思いますー。千冬』
メールを送信して、私は家を出た。
電車に乗り込んでからケータイをチェックする。
『終わるころに迎えにいっていい?秋也』
千冬「ふふ。デートのお誘いだ。」
オッケーの返事をして、私はその日の仕事を提示に終わらせるためにがんばることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
17時・・
千冬「お先に失礼しまーす。」
所長「お疲れー。」
時間通りに仕事を終わらせた私は会社を出てケータイを取り出した。
秋也さんに電話をかける。
ピッ・・ピッ・・ピッ・・
秋也「もしもし?」
千冬「秋也さん?今仕事終わったんですけど・・。」
秋也「千冬の会社の最寄り駅にいる。」
千冬「あ、行きますねー。」ピッ・・
私は小走りで駅に向かった。
ロータリーに留まってる車の中から秋也さんの車を探す。
千冬「えーと・・・あ、あった。」
見つけた秋也さんの車に駆け寄り、助手席側から中を覗きこんだ。
秋也「お疲れ。」
千冬「秋也さんっ。」
ドアを開けて中に入る。
秋也「・・・走ってきた?息がちょっと上がってる。」
千冬「はいっ。」
秋也「千冬って運動オッケーだったっけ。」
千冬「貧血は疲れたり体調が悪いときに出るだけなんで・・基本平気ですー。」
秋也「そっか。じゃあご飯食べにいってちょっと星でも見にいこうよ。」
千冬「星?」
秋也「きれいに見える丘があるんだってさ。場所、教えてもらったんだよ。」
千冬「そうなんですか。」
車を走らせ始めた秋也さん。
私は今日あったことを話したり、この数日のことをたくさん話した。
しばらく進むと車は一軒のレストランに入った。
千冬「ここ・・・?」
秋也「予約しといた。・・・行こう。」
差し出された秋也さんの手を取り、私たちはレストランに入った。
予約をしてくれていたからか、すぐに席に案内され、おいしそうなご飯がテーブルに並び始める。
千冬「すごい・・。」
秋也「ちょっとずつだけどな。」
十数種類のおかずがテーブルに並んだ。
どれも数口で食べ終わってしまうくらいの量だったけど、私には多すぎるくらいだった。
秋也「ほら、食べよう?」
千冬「うん。いただきます。」
秋也「いただきます。」
ぱくぱくと食べ進めながら、私は思ったことを口に出した。
千冬「あの・・・ね?」
秋也「うん?」
千冬「今度は・・私が作ってもいい?」
そう言うと、秋也さんは私の顔を見つめた。
秋也「それは・・・うれしいけど・・。」
千冬「秋也さんも料理しますよね?この前のりんご、すごく上手に切ってたし。」
ぱくっとパンを口に放り込んだ。
秋也「すごいな。よくわかったな・・。」
千冬「一緒に作るのも楽しいかなーと思うけど・・。」
そう言うと、秋也さんはグラスに入った水を飲んで私に言った。
秋也「それは・・・今度でいいよ。」
千冬「?・・そう?」
ぱくぱくとご飯を口に放り込んでいく。
お皿に乗ってるおかずを、半分食べ終わったところでお腹は八分目だったけど、残すことは嫌いで全部食べきった。
千冬「も・・・入んない・・。」
秋也「全部食べるとは思わなかったな・・・。」
千冬「残すの・・・キライで・・・。」
秋也「じゃあ今度からは量を選べるようにしたほうがいいな。・・・もうちょっとしてから出る?」
チラッと出入り口を見ると、まだ待ってる人の姿が見えた。
千冬「もう星、見える?」
秋也「ちょっと早いけど・・・大丈夫。」
千冬「なら行きましょ?」
秋也「・・・わかった。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
秋也side・・・
お腹がいっぱいな千冬。
動くのもキツそうなのに、もう出るっていいだした。
秋也(さっき、出入り口を見てたな。・・・待ってる人の為に・・・か。)
他人を思いやる気持ちを持てる千冬。
きっと目の前で誰かが溺れてると迷わず飛び込むタイプなんだろう。
秋也(俺としては自分の体も大事にして欲しいけど。)
お腹一杯で苦しい状態なら歩くのも辛いはず。
俺は席をたち、ゆっくりペースでレジに向かった。
秋也「会計を。」
レジ付近にいた店員に声をかけると、千冬が鞄からいそいそと財布を出した。
千冬「今日は出させてください。」
そういって大きいお札を何枚か出した千冬。
秋也「いやいやいや、ダメだから。」
俺は千冬の財布を取り上げて、出したお札をしまった。
千冬「前のアクアリウムも出してもらったし・・・。」
秋也「恋人なんだから・・・格好つけさせて。」
そういうと渋々諦めてくれた。
千冬「じゃあ今度は私に出させて?」
秋也「うーん・・・気が向いたらな。」
会計を済ませて外に出る。
千冬が車に乗り込む前に、シートの背もたれを少し後ろに傾けた。
一緒に出掛けることが当たり前になったある日の朝、出勤の準備をしてると秋也さんからメールが届いた。
『俺、今日休みなんだけど、仕事何時まで?秋也』
千冬「いいなー。・・私は、17時かな。」
『17時で終わると思いますー。千冬』
メールを送信して、私は家を出た。
電車に乗り込んでからケータイをチェックする。
『終わるころに迎えにいっていい?秋也』
千冬「ふふ。デートのお誘いだ。」
オッケーの返事をして、私はその日の仕事を提示に終わらせるためにがんばることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
17時・・
千冬「お先に失礼しまーす。」
所長「お疲れー。」
時間通りに仕事を終わらせた私は会社を出てケータイを取り出した。
秋也さんに電話をかける。
ピッ・・ピッ・・ピッ・・
秋也「もしもし?」
千冬「秋也さん?今仕事終わったんですけど・・。」
秋也「千冬の会社の最寄り駅にいる。」
千冬「あ、行きますねー。」ピッ・・
私は小走りで駅に向かった。
ロータリーに留まってる車の中から秋也さんの車を探す。
千冬「えーと・・・あ、あった。」
見つけた秋也さんの車に駆け寄り、助手席側から中を覗きこんだ。
秋也「お疲れ。」
千冬「秋也さんっ。」
ドアを開けて中に入る。
秋也「・・・走ってきた?息がちょっと上がってる。」
千冬「はいっ。」
秋也「千冬って運動オッケーだったっけ。」
千冬「貧血は疲れたり体調が悪いときに出るだけなんで・・基本平気ですー。」
秋也「そっか。じゃあご飯食べにいってちょっと星でも見にいこうよ。」
千冬「星?」
秋也「きれいに見える丘があるんだってさ。場所、教えてもらったんだよ。」
千冬「そうなんですか。」
車を走らせ始めた秋也さん。
私は今日あったことを話したり、この数日のことをたくさん話した。
しばらく進むと車は一軒のレストランに入った。
千冬「ここ・・・?」
秋也「予約しといた。・・・行こう。」
差し出された秋也さんの手を取り、私たちはレストランに入った。
予約をしてくれていたからか、すぐに席に案内され、おいしそうなご飯がテーブルに並び始める。
千冬「すごい・・。」
秋也「ちょっとずつだけどな。」
十数種類のおかずがテーブルに並んだ。
どれも数口で食べ終わってしまうくらいの量だったけど、私には多すぎるくらいだった。
秋也「ほら、食べよう?」
千冬「うん。いただきます。」
秋也「いただきます。」
ぱくぱくと食べ進めながら、私は思ったことを口に出した。
千冬「あの・・・ね?」
秋也「うん?」
千冬「今度は・・私が作ってもいい?」
そう言うと、秋也さんは私の顔を見つめた。
秋也「それは・・・うれしいけど・・。」
千冬「秋也さんも料理しますよね?この前のりんご、すごく上手に切ってたし。」
ぱくっとパンを口に放り込んだ。
秋也「すごいな。よくわかったな・・。」
千冬「一緒に作るのも楽しいかなーと思うけど・・。」
そう言うと、秋也さんはグラスに入った水を飲んで私に言った。
秋也「それは・・・今度でいいよ。」
千冬「?・・そう?」
ぱくぱくとご飯を口に放り込んでいく。
お皿に乗ってるおかずを、半分食べ終わったところでお腹は八分目だったけど、残すことは嫌いで全部食べきった。
千冬「も・・・入んない・・。」
秋也「全部食べるとは思わなかったな・・・。」
千冬「残すの・・・キライで・・・。」
秋也「じゃあ今度からは量を選べるようにしたほうがいいな。・・・もうちょっとしてから出る?」
チラッと出入り口を見ると、まだ待ってる人の姿が見えた。
千冬「もう星、見える?」
秋也「ちょっと早いけど・・・大丈夫。」
千冬「なら行きましょ?」
秋也「・・・わかった。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
秋也side・・・
お腹がいっぱいな千冬。
動くのもキツそうなのに、もう出るっていいだした。
秋也(さっき、出入り口を見てたな。・・・待ってる人の為に・・・か。)
他人を思いやる気持ちを持てる千冬。
きっと目の前で誰かが溺れてると迷わず飛び込むタイプなんだろう。
秋也(俺としては自分の体も大事にして欲しいけど。)
お腹一杯で苦しい状態なら歩くのも辛いはず。
俺は席をたち、ゆっくりペースでレジに向かった。
秋也「会計を。」
レジ付近にいた店員に声をかけると、千冬が鞄からいそいそと財布を出した。
千冬「今日は出させてください。」
そういって大きいお札を何枚か出した千冬。
秋也「いやいやいや、ダメだから。」
俺は千冬の財布を取り上げて、出したお札をしまった。
千冬「前のアクアリウムも出してもらったし・・・。」
秋也「恋人なんだから・・・格好つけさせて。」
そういうと渋々諦めてくれた。
千冬「じゃあ今度は私に出させて?」
秋也「うーん・・・気が向いたらな。」
会計を済ませて外に出る。
千冬が車に乗り込む前に、シートの背もたれを少し後ろに傾けた。
2
お気に入りに追加
1,034
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました
せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。
舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。
専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。
そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。
さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。
その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。
海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。
会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。
一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。
再会の日は……。
私のお腹の子は~兄の子を身籠りました~
妄想いちこ
恋愛
本編は完結済み。
番外編で兄視点をアップします。
数話で終わる予定です。
不定期投稿。
私は香川由紀。私は昔からお兄ちゃん大好きっ子だった。年を重ねるごとに兄は格好良くなり、いつも優しい兄。いつも私達を誰よりも優先してくれる。ある日学校から帰ると、兄の靴と見知らぬ靴があった。
自分の部屋に行く途中に兄部屋から声が...イケないと思いつつ覗いてしまった。部屋の中では知らない女の子とセックスをしていた。
私はそれを見てショックを受ける。
...そろそろお兄ちゃん離れをしてお兄ちゃんを自由にしてあげないと...
私の態度に疑問を持つ兄に...
※近親相姦のお話です。苦手な方はご注意下さい。
少し強姦シーンも出ます。
誤字脱字が多いです。有りましたらご指摘をお願いいたします。
シリアス系よりラブコメの方が好きですが挑戦してみました。
こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
好きだった幼馴染に出会ったらイケメンドクターだった!?
すず。
恋愛
体調を崩してしまった私
社会人 26歳 佐藤鈴音(すずね)
診察室にいた医師は2つ年上の
幼馴染だった!?
診察室に居た医師(鈴音と幼馴染)
内科医 28歳 桐生慶太(けいた)
※お話に出てくるものは全て空想です
現実世界とは何も関係ないです
※治療法、病気知識ほぼなく書かせて頂きます
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
【R-18】年下国王の異常な執愛~義母は義息子に啼かされる~【挿絵付】
臣桜
恋愛
『ガーランドの翠玉』、『妖精の紡いだ銀糸』……数々の美辞麗句が当てはまる17歳のリディアは、国王ブライアンに見初められ側室となった。しかし間もなくブライアンは崩御し、息子であるオーガストが成人して即位する事になった。17歳にして10歳の息子を持ったリディアは、戸惑いつつも宰相の力を借りオーガストを育てる。やがて11年後、21歳になり成人したオーガストは国王となるなり、28歳のリディアを妻に求めて……!?
※毎日更新予定です
※血の繋がりは一切ありませんが、義息子×義母という特殊な関係ですので地雷っぽい方はお気をつけください
※ムーンライトノベルズ様にも同時連載しています
【R-18】記憶喪失な新妻は国王陛下の寵愛を乞う【挿絵付】
臣桜
恋愛
ウィドリントン王国の姫モニカは、隣国ヴィンセントの王子であり幼馴染みのクライヴに輿入れする途中、謎の刺客により襲われてしまった。一命は取り留めたものの、モニカはクライヴを愛した記憶のみ忘れてしまった。モニカと侍女はヴィンセントに無事受け入れられたが、クライヴの父の余命が心配なため急いで結婚式を挙げる事となる。記憶がないままモニカの新婚生活が始まり、彼女の不安を取り除こうとクライヴも優しく接する。だがある事がきっかけでモニカは頭痛を訴えるようになり、封じられていた記憶は襲撃者の正体を握っていた。
※全体的にふんわりしたお話です。
※ムーンライトノベルズさまにも投稿しています。
※表紙はニジジャーニーで生成しました
※挿絵は自作ですが、後日削除します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる