5 / 59
デート2
しおりを挟む
千冬「すみません、お待たせしてしまって・・・。」
駐車場に戻ると、笹倉さんはケータイを見てたようだった。
秋也「ううん、大丈夫。アレルギーとかはない?」
千冬「無いです。」
秋也「ちょっと車で走るけどいい?」
千冬「?・・・はい。」
そう答えると笹倉さんは車を走らせ始めた。
秋也「八重樫さんって、結婚願望はないの?」
千冬「結婚願望は・・・あまりないですね。笹倉さんはあるんですか?」
秋也「まぁ。・・・結婚しないなら一人で生きていく気?」
千冬「はい。」
秋也「・・・なんでそこまで結婚願望がないのか聞いても?」
車を運転してるから、前を向いたまま話す笹倉さん。
千冬「それは・・・答えたくないですね。」
秋也「・・・と、言うことは職業のことじゃないのか。他に何かあるってことか。」
千冬「---っ!!やられた。」
秋也「キミよりは人生経験多いからな。」
前を向きながらニヤッと笑った笹倉さん。
千冬「・・・笹倉さんこそ・・・それだけかっこいいのになんでお見合いなんて・・・。」
秋也「・・・まぁ、自慢じゃないけど言い寄ってくる子はいた。それなりに付き合ったこともあるけど・・・なんか違う気がしてさ。」
千冬「贅沢な悩みですね。」
秋也「誉め言葉と受け取っとこう(笑)。」
そんな話をしてるうちに車は一軒のレストランに入っていった。
千冬「ここ・・ですか?」
秋也「そ。さっきケータイで調べたんだよ。」
千冬(それでケータイ見てたんだ。)
車から降りて入り口に向かう。
緑に覆われた入り口をくぐると、石畳が広がっていた。
千冬「わ・・すごい。」
秋也「こういうの好き?」
千冬「好き・・ですね。」
道に植わってる植物を眺めながら歩く。
千冬「・・ネモフィラだ。」
石畳の両脇にずらっとのびてる青い花。
キレイに咲き誇っていた。
秋也「ネモ・・フィラ・・?」
千冬「春の花ですよ。チューリップとかと一緒に咲くときれいなんです。」
秋也「へぇ・・・。」
10メートルにも満たない石畳の道を歩き、建物の中に入った。
店員「いらっしゃいませ。2名様でしょうか。」
秋也「はい。」
店員「こちらにどうぞ。」
店員さんの後ろをついて歩く。
店内はまばらにお客さんがいた。
店員「お席はこちらでよろしいでしょうか。」
そう言われた席は二人掛けの席だった。
秋也「ここでいい?もっと広いほうがいい?」
千冬「私はここで大丈夫です。」
秋也「じゃあここで。あ、今日のセット二つ。」
店員「かしこまりました。」
私たちはその席に座った。
・・・座ってから気がついたけど・・・
千冬「・・・広い席のほうがよかったですね。」
秋也「え?」
千冬「まさか笹倉さんが椅子からはみでるとは思わなかったんで・・・。」
足が長いからか、少し出てしまってる。
目の前にあるテーブルは若干小さく見えるし。
そのアンバランス具合に・・・笑いがこみ上げてくる。
千冬「・・・・ふふっ。」
秋也「・・・なに?」
千冬「いえ。笹倉さんって背が高くて手足も長いんだなって思ってました。」
そう言うと笹倉さんは肩ひじをついて手のひらに顎を乗せた。
秋也「八重樫さんは小さいよね。俺が知ってる女の子の中でもダントツに小さい。」
千冬「まぁ。・・・私、未熟児で産まれたんで・・。」
秋也「未熟児か。何グラム?」
千冬「1500グラムです。」
秋也「おぉ。それはずいぶん小さいな。」
そのとき運ばれてきたご飯。
ワンプレートでたくさんのおかずが乗っていた。
店員「ごゆっくりどうぞ。」
千冬「ありがとうございます。」
秋也「ありがとう。」
一つの籠からお箸を一組取り出した。
千冬「どうぞ。」
秋也「・・・ありがとう。」
私の分のお箸をカゴから取り出す。
千冬「いただきまーす。」
秋也「いただきます。」
ご飯を食べ進めながらも、会話は続く。
千冬「小さいときはよく風邪を引いて・・・大変だったって母から聞きました。」
秋也「まぁ、未熟児に限らず小さい子は大変だと思うけどな。うちも姉がいるって言っただろ?赤ちゃんがいるんだけど大変そうだよ?」
千冬「赤ちゃん・・・!男の子ですか?女の子ですか?」
秋也「男の子。」
千冬「男の子かー・・・可愛いんでしょうねー・・。」
想像するように上を見てしまう。
秋也「・・・子供、好きなら尚更結婚じゃない?」
上を見てる私に、笹倉さんが言った。
駐車場に戻ると、笹倉さんはケータイを見てたようだった。
秋也「ううん、大丈夫。アレルギーとかはない?」
千冬「無いです。」
秋也「ちょっと車で走るけどいい?」
千冬「?・・・はい。」
そう答えると笹倉さんは車を走らせ始めた。
秋也「八重樫さんって、結婚願望はないの?」
千冬「結婚願望は・・・あまりないですね。笹倉さんはあるんですか?」
秋也「まぁ。・・・結婚しないなら一人で生きていく気?」
千冬「はい。」
秋也「・・・なんでそこまで結婚願望がないのか聞いても?」
車を運転してるから、前を向いたまま話す笹倉さん。
千冬「それは・・・答えたくないですね。」
秋也「・・・と、言うことは職業のことじゃないのか。他に何かあるってことか。」
千冬「---っ!!やられた。」
秋也「キミよりは人生経験多いからな。」
前を向きながらニヤッと笑った笹倉さん。
千冬「・・・笹倉さんこそ・・・それだけかっこいいのになんでお見合いなんて・・・。」
秋也「・・・まぁ、自慢じゃないけど言い寄ってくる子はいた。それなりに付き合ったこともあるけど・・・なんか違う気がしてさ。」
千冬「贅沢な悩みですね。」
秋也「誉め言葉と受け取っとこう(笑)。」
そんな話をしてるうちに車は一軒のレストランに入っていった。
千冬「ここ・・ですか?」
秋也「そ。さっきケータイで調べたんだよ。」
千冬(それでケータイ見てたんだ。)
車から降りて入り口に向かう。
緑に覆われた入り口をくぐると、石畳が広がっていた。
千冬「わ・・すごい。」
秋也「こういうの好き?」
千冬「好き・・ですね。」
道に植わってる植物を眺めながら歩く。
千冬「・・ネモフィラだ。」
石畳の両脇にずらっとのびてる青い花。
キレイに咲き誇っていた。
秋也「ネモ・・フィラ・・?」
千冬「春の花ですよ。チューリップとかと一緒に咲くときれいなんです。」
秋也「へぇ・・・。」
10メートルにも満たない石畳の道を歩き、建物の中に入った。
店員「いらっしゃいませ。2名様でしょうか。」
秋也「はい。」
店員「こちらにどうぞ。」
店員さんの後ろをついて歩く。
店内はまばらにお客さんがいた。
店員「お席はこちらでよろしいでしょうか。」
そう言われた席は二人掛けの席だった。
秋也「ここでいい?もっと広いほうがいい?」
千冬「私はここで大丈夫です。」
秋也「じゃあここで。あ、今日のセット二つ。」
店員「かしこまりました。」
私たちはその席に座った。
・・・座ってから気がついたけど・・・
千冬「・・・広い席のほうがよかったですね。」
秋也「え?」
千冬「まさか笹倉さんが椅子からはみでるとは思わなかったんで・・・。」
足が長いからか、少し出てしまってる。
目の前にあるテーブルは若干小さく見えるし。
そのアンバランス具合に・・・笑いがこみ上げてくる。
千冬「・・・・ふふっ。」
秋也「・・・なに?」
千冬「いえ。笹倉さんって背が高くて手足も長いんだなって思ってました。」
そう言うと笹倉さんは肩ひじをついて手のひらに顎を乗せた。
秋也「八重樫さんは小さいよね。俺が知ってる女の子の中でもダントツに小さい。」
千冬「まぁ。・・・私、未熟児で産まれたんで・・。」
秋也「未熟児か。何グラム?」
千冬「1500グラムです。」
秋也「おぉ。それはずいぶん小さいな。」
そのとき運ばれてきたご飯。
ワンプレートでたくさんのおかずが乗っていた。
店員「ごゆっくりどうぞ。」
千冬「ありがとうございます。」
秋也「ありがとう。」
一つの籠からお箸を一組取り出した。
千冬「どうぞ。」
秋也「・・・ありがとう。」
私の分のお箸をカゴから取り出す。
千冬「いただきまーす。」
秋也「いただきます。」
ご飯を食べ進めながらも、会話は続く。
千冬「小さいときはよく風邪を引いて・・・大変だったって母から聞きました。」
秋也「まぁ、未熟児に限らず小さい子は大変だと思うけどな。うちも姉がいるって言っただろ?赤ちゃんがいるんだけど大変そうだよ?」
千冬「赤ちゃん・・・!男の子ですか?女の子ですか?」
秋也「男の子。」
千冬「男の子かー・・・可愛いんでしょうねー・・。」
想像するように上を見てしまう。
秋也「・・・子供、好きなら尚更結婚じゃない?」
上を見てる私に、笹倉さんが言った。
10
お気に入りに追加
1,027
あなたにおすすめの小説
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ
中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。
※ 作品
「男装バレてイケメンに~」
「灼熱の砂丘」
「イケメンはずんどうぽっちゃり…」
こちらの作品を先にお読みください。
各、作品のファン様へ。
こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。
故に、本作品のイメージが崩れた!とか。
あのキャラにこんなことさせないで!とか。
その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)
【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。
れると
BL
■本編完結済み■
獣人の国で力も体力もないヒト族のオレが身体強化の魔法と知識で騎士団長やらされてます!目下の目標は後輩育ててさっさと退団したいけど中々退団させて貰えません!恋人と田舎でいちゃいちゃスローライフしたいのに今日も今日とて仕事に振り回されてます!
※大人な内容はタイトル後に※あります。キスだけとかただのイチャイチャは付けないかもしれません。。。
※処女作品の為拙い場面が多々あるかと思います、がとりあえず完結目指して頑張ります。
※男性のみの世界です。おばちゃんとか彼女とか嫁とか出てきますが全員男の人です!
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
婚約者の浮気から、どうしてこうなった?
下菊みこと
恋愛
なにがどうしてかそうなったお話。
婚約者と浮気相手は微妙にざまぁ展開。多分主人公の一人勝ち。婚約者に裏切られてから立場も仕事もある意味恵まれたり、思わぬ方からのアプローチがあったり。
小説家になろう様でも投稿しています。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
バツ2旦那様が離婚された理由は「絶倫だから」だそうです。なお、私は「不感症だから」です。
七辻ゆゆ
恋愛
ある意味とても相性がよい旦那様と再婚したら、なんだか妙に愛されています。前の奥様たちは、いったいどうしてこの方と離婚したのでしょうか?
※仲良しが多いのでR18にしましたが、そこまで過激な表現はないかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる