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思い出。
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ーーーーー
それから数日後・・・
「桐生先生、もう帰られるんですか?」
夕方前に仕事が片付き、俺は帰り支度をしていた。
白衣を脱ぎ、荷物をまとめてるところを看護師に見られたのだ。
「あぁ、明日早く来るし・・・今日はさっさと寝るよ。」
「明日早出なんですね。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。じゃ、お先。」
俺は鞄を持ち、医局をあとにした。
家に一旦帰り、荷物を置いてから冷蔵庫を開ける。
すると・・・中身は空っぽだった。
「しまった・・。買い物行ってないや。」
残ってるのは栄養ドリンクと水、あと・・・ビールくらいだった。
「卵とベーコンと・・・パンでも買いに行くか。」
まだ夕方だからスーパーは開いてる。
俺は財布を持ち、マンションを出た。
ーーーーー
「どこのスーパー行こっかなー。」
個人がしてる商店や、全国展開のスーパーなどいろいろあるこの街。
『魚はここ』とか『野菜ならここ』とか使い分けて買い物をしてる人も多いみたいだ。
すべて『患者さん情報』だけど。
「内科に来るのは主婦も多いからなー。色々喋って帰るから無駄に知識だけは増えたな(笑)」
ぶらぶらと辺りを見ながら歩くこと15分。
真っ白な塀に囲まれた建物が見えてきた。
その塀沿いに歩いて行くと・・・大きな門がある。
コンクリの壁が土地の周りをぐるっと囲ってるようで、この景色は見たことがあった。
「・・・学校か。このデカさなら・・・高校か大学?」
門から見える建物は、三つに分かれていて、造りから考えたら大学のように見えた。
ちょうど講義が終わったのか、私服姿の学生がちらほらと歩いて出て来るのも見える。
「へぇー・・・懐かし。医大生のころを思い出すな。」
毎日勉強や実習に明け暮れて、必死だったことを思い出す。
全ての診療科目に対応できるように、オペも入ったし、死体とも何度もご対面した。
外科も救急もよかったけど・・・普段の生活を壊さないようにして病気を治せたらいいと思って俺は内科を選んだ。
「目まぐるしい生活だったなー・・恋愛とかする暇なかったし。」
周りはみんなライバル。
小森とはよく実習や講義で一緒になってたから知った仲だったけど、それ以上の関係でもなかった。
「そういえば・・・あいつ、ケータイ忘れて探すの手伝ったことあったな。」
朝から『ケータイが無い!!』と叫び、講義と講義の合間に探したような記憶が蘇ってきた。
「あの時確か・・・・」
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それから数日後・・・
「桐生先生、もう帰られるんですか?」
夕方前に仕事が片付き、俺は帰り支度をしていた。
白衣を脱ぎ、荷物をまとめてるところを看護師に見られたのだ。
「あぁ、明日早く来るし・・・今日はさっさと寝るよ。」
「明日早出なんですね。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。じゃ、お先。」
俺は鞄を持ち、医局をあとにした。
家に一旦帰り、荷物を置いてから冷蔵庫を開ける。
すると・・・中身は空っぽだった。
「しまった・・。買い物行ってないや。」
残ってるのは栄養ドリンクと水、あと・・・ビールくらいだった。
「卵とベーコンと・・・パンでも買いに行くか。」
まだ夕方だからスーパーは開いてる。
俺は財布を持ち、マンションを出た。
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「どこのスーパー行こっかなー。」
個人がしてる商店や、全国展開のスーパーなどいろいろあるこの街。
『魚はここ』とか『野菜ならここ』とか使い分けて買い物をしてる人も多いみたいだ。
すべて『患者さん情報』だけど。
「内科に来るのは主婦も多いからなー。色々喋って帰るから無駄に知識だけは増えたな(笑)」
ぶらぶらと辺りを見ながら歩くこと15分。
真っ白な塀に囲まれた建物が見えてきた。
その塀沿いに歩いて行くと・・・大きな門がある。
コンクリの壁が土地の周りをぐるっと囲ってるようで、この景色は見たことがあった。
「・・・学校か。このデカさなら・・・高校か大学?」
門から見える建物は、三つに分かれていて、造りから考えたら大学のように見えた。
ちょうど講義が終わったのか、私服姿の学生がちらほらと歩いて出て来るのも見える。
「へぇー・・・懐かし。医大生のころを思い出すな。」
毎日勉強や実習に明け暮れて、必死だったことを思い出す。
全ての診療科目に対応できるように、オペも入ったし、死体とも何度もご対面した。
外科も救急もよかったけど・・・普段の生活を壊さないようにして病気を治せたらいいと思って俺は内科を選んだ。
「目まぐるしい生活だったなー・・恋愛とかする暇なかったし。」
周りはみんなライバル。
小森とはよく実習や講義で一緒になってたから知った仲だったけど、それ以上の関係でもなかった。
「そういえば・・・あいつ、ケータイ忘れて探すの手伝ったことあったな。」
朝から『ケータイが無い!!』と叫び、講義と講義の合間に探したような記憶が蘇ってきた。
「あの時確か・・・・」
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