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これから。
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ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
雄星たちクレセントのタイムリミットが来て、俺とりらはライブハウスを出た。
暑い街の中を歩きながら、りらが俺に言う。
りら「もー・・・びっくりだよ。」
秋臣「りらと一緒だからな?ナイショだからな?」
念を押して言うと、りらは右手の人差し指を1本立てて自分の唇に押し当てた。
りら「しー・・・だね(笑)」
秋臣(!!・・・かわいすぎだろ・・。)
思わず抱きしめたくなる衝動を抑えて、俺はこれからのことを話す。
秋臣「あのさ、雄星との契約で・・・俺の書いた曲は全部クレセントに下ろすことになってさ・・・」
りら「・・・・そうなの?」
秋臣「できるだけ・・・夜に打ち合わせはするし・・りらとの時間は最大限に取るけど・・・無理な日が来るかもしれない。」
りら「え・・・?」
りらが怒っても仕方のないことを言ってる。
でも・・・曲を書く以上、時間的に無理が生じてしまう時が必ず来る。
りら「そんなの・・・私なんかより仕事を大事にして!」
秋臣「・・・・え?」
りら「だって曲を作れるってすごいことだよ!?私、オミくんの曲楽しみだなー・・・。」
にこにこ笑いながら言うりら。
こういういところは敵わないと・・・思った。
自分のことより他人が優先。
自分のことを優先にするときは一人でして・・他人を巻き込まない。
たとえ自分の時間が限られてても。
秋臣「・・・好きだよ。りら。」
りら「なに?突然・・・。」
秋臣「言いたくなったから・・・言った。」
りら「もー・・・私も好きだよ?」
手をぎゅっと握って俺たちは病院に戻った。
ーーーーーーーーー
葵「・・・・オミ、りらを興奮させるなよ・・。」
病院に戻ってきたりらは、興奮気味にベッドの枕を抱きしめていた。
クレセントに会えたことに対して・・興奮してるんだろう。
りら「きゃーっ!」
秋臣「・・・スミマセン。りら、お兄さんは知ってるから。」
そう言うとりらは抱きしめていた枕を放り出し、お兄さんに詰めよる。
りら「お兄ちゃん知ってたの!?」
葵「ちょっと前に聞いてた。」
りら「ならその時に教えてくれてもよかったのにー・・・。」
葵「お前寝てたし。起きてからもリハビリ忙しかっただろ?」
りら「むー・・・。」
むくれるりらに、俺は一つ言うことを忘れていた。
俺の秘密は伝えた。
ライブハウスも連れて行った。
あと一つ・・・
秋臣「りら、今度うちに遊びに来いよ。」
そう言うとりらはむくれていた顔から一気に笑顔になった。
りら「・・・いいの!?」
秋臣「かぁさんに言っとく。学校に来れるようになってからな。」
りら「月曜から行くしっ。」
秋臣「なら・・・学校帰りにうちに寄って・・晩御飯食べて帰るってプランでいい?」
そう聞くとりらはお兄さんに許可を求めた。
りら「・・・いい?」
葵「いいぞ?日にちは前もって言ってくれよ?ご飯のキャンセル出すから。」
秋臣「わかりました、また連絡します。」
この後もりらの興奮はなかなか冷めず、勉強をしながらなんとか落ち着かせた。
晩御飯の時間まで一緒に時間を過ごしてから俺は家に帰り、母親にりらのことを相談する。
ーーーーーーーーーー
秋臣「ただいまー、かぁさーん?」
玄関を開けて母親を呼ぶと、キッチンの方から返事が聞こえてきた。
母「おかえりー。」
靴を脱いで家に入り、キッチンに直行する。
キッチンでは母親が父親の分の晩御飯を作ってるところだった。
ハンバーグをジュージューと音を立てて焼いてる。
秋臣「あのさ、またお願いがあるんだけど・・・。」
母「なーに?りらちゃん?」
秋臣「!!」
カンのいい母親は俺の一瞬の間を悟ったのか、ニヤッと笑った。
母「・・・ふふ。今度は何するの?」
秋臣「りらが・・・遊びに来る。晩御飯・・頼める?」
そう言うと母親は目を輝かせながら俺に詰め寄ってきた。
母「まぁっ!りらちゃんと一緒にご飯食べるの!?なに作ろうかしら・・・あ、いつ!?」
秋臣「りらの調子をみて・・・だけど、来週中がいいかな。」
母「なら・・・木曜でどう?お父さん、夜勤だから夜ごはんは一緒に食べれるし。」
秋臣「あー・・・わかった。りらに言っとく。」
俺は自分の部屋に戻り、りらと、りらのお兄さんに同じメールを打った。
『今度の木曜、調子が良ければうちでご飯。秋臣』
秋臣「よし。さて・・・勉強と曲作りとしますかな。」
りらがうちに遊びに来る日を楽しみしながら俺はいつも通りの夜を過ごした。
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雄星たちクレセントのタイムリミットが来て、俺とりらはライブハウスを出た。
暑い街の中を歩きながら、りらが俺に言う。
りら「もー・・・びっくりだよ。」
秋臣「りらと一緒だからな?ナイショだからな?」
念を押して言うと、りらは右手の人差し指を1本立てて自分の唇に押し当てた。
りら「しー・・・だね(笑)」
秋臣(!!・・・かわいすぎだろ・・。)
思わず抱きしめたくなる衝動を抑えて、俺はこれからのことを話す。
秋臣「あのさ、雄星との契約で・・・俺の書いた曲は全部クレセントに下ろすことになってさ・・・」
りら「・・・・そうなの?」
秋臣「できるだけ・・・夜に打ち合わせはするし・・りらとの時間は最大限に取るけど・・・無理な日が来るかもしれない。」
りら「え・・・?」
りらが怒っても仕方のないことを言ってる。
でも・・・曲を書く以上、時間的に無理が生じてしまう時が必ず来る。
りら「そんなの・・・私なんかより仕事を大事にして!」
秋臣「・・・・え?」
りら「だって曲を作れるってすごいことだよ!?私、オミくんの曲楽しみだなー・・・。」
にこにこ笑いながら言うりら。
こういういところは敵わないと・・・思った。
自分のことより他人が優先。
自分のことを優先にするときは一人でして・・他人を巻き込まない。
たとえ自分の時間が限られてても。
秋臣「・・・好きだよ。りら。」
りら「なに?突然・・・。」
秋臣「言いたくなったから・・・言った。」
りら「もー・・・私も好きだよ?」
手をぎゅっと握って俺たちは病院に戻った。
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葵「・・・・オミ、りらを興奮させるなよ・・。」
病院に戻ってきたりらは、興奮気味にベッドの枕を抱きしめていた。
クレセントに会えたことに対して・・興奮してるんだろう。
りら「きゃーっ!」
秋臣「・・・スミマセン。りら、お兄さんは知ってるから。」
そう言うとりらは抱きしめていた枕を放り出し、お兄さんに詰めよる。
りら「お兄ちゃん知ってたの!?」
葵「ちょっと前に聞いてた。」
りら「ならその時に教えてくれてもよかったのにー・・・。」
葵「お前寝てたし。起きてからもリハビリ忙しかっただろ?」
りら「むー・・・。」
むくれるりらに、俺は一つ言うことを忘れていた。
俺の秘密は伝えた。
ライブハウスも連れて行った。
あと一つ・・・
秋臣「りら、今度うちに遊びに来いよ。」
そう言うとりらはむくれていた顔から一気に笑顔になった。
りら「・・・いいの!?」
秋臣「かぁさんに言っとく。学校に来れるようになってからな。」
りら「月曜から行くしっ。」
秋臣「なら・・・学校帰りにうちに寄って・・晩御飯食べて帰るってプランでいい?」
そう聞くとりらはお兄さんに許可を求めた。
りら「・・・いい?」
葵「いいぞ?日にちは前もって言ってくれよ?ご飯のキャンセル出すから。」
秋臣「わかりました、また連絡します。」
この後もりらの興奮はなかなか冷めず、勉強をしながらなんとか落ち着かせた。
晩御飯の時間まで一緒に時間を過ごしてから俺は家に帰り、母親にりらのことを相談する。
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秋臣「ただいまー、かぁさーん?」
玄関を開けて母親を呼ぶと、キッチンの方から返事が聞こえてきた。
母「おかえりー。」
靴を脱いで家に入り、キッチンに直行する。
キッチンでは母親が父親の分の晩御飯を作ってるところだった。
ハンバーグをジュージューと音を立てて焼いてる。
秋臣「あのさ、またお願いがあるんだけど・・・。」
母「なーに?りらちゃん?」
秋臣「!!」
カンのいい母親は俺の一瞬の間を悟ったのか、ニヤッと笑った。
母「・・・ふふ。今度は何するの?」
秋臣「りらが・・・遊びに来る。晩御飯・・頼める?」
そう言うと母親は目を輝かせながら俺に詰め寄ってきた。
母「まぁっ!りらちゃんと一緒にご飯食べるの!?なに作ろうかしら・・・あ、いつ!?」
秋臣「りらの調子をみて・・・だけど、来週中がいいかな。」
母「なら・・・木曜でどう?お父さん、夜勤だから夜ごはんは一緒に食べれるし。」
秋臣「あー・・・わかった。りらに言っとく。」
俺は自分の部屋に戻り、りらと、りらのお兄さんに同じメールを打った。
『今度の木曜、調子が良ければうちでご飯。秋臣』
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りらがうちに遊びに来る日を楽しみしながら俺はいつも通りの夜を過ごした。
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