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01.神霊出生の章
No.006「クニノトコタチ」
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古事記によると、別天つ神の次に生まれた、六番目の神だという。
「次に成りませる神の名は、国之常立神。次に豊雲野神。此の二柱の神も、独神と成り坐して、身を隠したまふ」
日本書紀の本編においては、世界に初めて誕生した神である。
「古に天地未だ剖れず。陰陽分れざりしときに、渾沌れたること鶏子の如くして、溟涬にして牙を含めり。其れ清陽なるものは、薄靡きて天と為り、重濁れるものは、淹滞ゐて地と為るに及びて、精妙なるが合へるは搏り易く、重濁れるが凝りたるは竭り難し。故、天先づ成りて地後に定まる。然して後に、神聖、其の中に生れます。故曰はく、開闢くる初に、洲壌の浮れ漂へること、譬へば游魚の水上に浮けるが猶し。時に、天地の中に一物生れり。状葦牙の如し。便ち神と化為る。国常立尊と号す。至りて貴きをば尊と曰ふ。自余をば命と曰ふ。並に美拳等と訓ふ。下皆此に効へ」
混沌の状態からようやく天と地に分かれても、地面は浮いたまま漂っている存在だったため、その国土をしっかりと固定して維持するために生まれた、のだろうか。
日本書紀では最初に登場しているが、古事記では「別天つ神」という特別な五柱の神々には含まれず、神世七代の一柱とされている。
古事記では性別のない独神としているが、日本書紀では陽気のみを受けた神、すなわち陰の気を受けなかった純粋な男神であるとされる。
第一の一書にも、最初に生まれたのが国常立尊であると記されている。
「一書に曰はく、天地初めて判るるときに、一物虚中に在り。状貌言ひ難し。其の中に自づからに化生づる神有す。国常立尊と号す。亦は国底立尊と曰す。次に国狭槌尊。亦は国狭立尊と曰す。次に豊国主尊。亦は豊組野尊と曰す。亦は豊香節野尊と曰す。亦は浮経野豊買尊と曰す。亦は豊国野尊と曰す。亦は豊齧野尊と曰す。亦は葉木国野尊と曰す。亦は見野尊と曰す」
第二の一書には可美葦牙彦舅尊の次に誕生した二番目の神としている。
第三の一書には、第二の一書と同様に二番目の神であるが、その名を第一の一書に記載された別名「国底立尊」としている。
飛んで第六の一書には、天常立尊、可美葦牙彦舅尊の次に誕生した、三番目の神としている。
(No.004「ウマシアシカビヒコヂ」参照)
天常立尊とは対をなす、大地を神格化したものとされる。
最初に生まれた神が天の象徴ではないためか、その立ち位置に関して、曖昧になっているものと思われる。
しかし島国独特なものか、海に浮かんだ大地を固定しようと、古代の人々が考えたであろうことは、想像するに難くない。
先代旧事本紀の「神代系紀」に、二世代目の神として記されている。
~~~~~
二代倶に生づる天神。
国常立尊。亦は国狭立尊と云ふ。亦は国狭槌尊と云ふ。亦は葉国尊と云ふ。
豊国主尊。亦は豊斟渟尊と云ふ。亦は豊香節野尊と云ふ。亦は浮経野豊買尊と云ふ。
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「次に成りませる神の名は、国之常立神。次に豊雲野神。此の二柱の神も、独神と成り坐して、身を隠したまふ」
日本書紀の本編においては、世界に初めて誕生した神である。
「古に天地未だ剖れず。陰陽分れざりしときに、渾沌れたること鶏子の如くして、溟涬にして牙を含めり。其れ清陽なるものは、薄靡きて天と為り、重濁れるものは、淹滞ゐて地と為るに及びて、精妙なるが合へるは搏り易く、重濁れるが凝りたるは竭り難し。故、天先づ成りて地後に定まる。然して後に、神聖、其の中に生れます。故曰はく、開闢くる初に、洲壌の浮れ漂へること、譬へば游魚の水上に浮けるが猶し。時に、天地の中に一物生れり。状葦牙の如し。便ち神と化為る。国常立尊と号す。至りて貴きをば尊と曰ふ。自余をば命と曰ふ。並に美拳等と訓ふ。下皆此に効へ」
混沌の状態からようやく天と地に分かれても、地面は浮いたまま漂っている存在だったため、その国土をしっかりと固定して維持するために生まれた、のだろうか。
日本書紀では最初に登場しているが、古事記では「別天つ神」という特別な五柱の神々には含まれず、神世七代の一柱とされている。
古事記では性別のない独神としているが、日本書紀では陽気のみを受けた神、すなわち陰の気を受けなかった純粋な男神であるとされる。
第一の一書にも、最初に生まれたのが国常立尊であると記されている。
「一書に曰はく、天地初めて判るるときに、一物虚中に在り。状貌言ひ難し。其の中に自づからに化生づる神有す。国常立尊と号す。亦は国底立尊と曰す。次に国狭槌尊。亦は国狭立尊と曰す。次に豊国主尊。亦は豊組野尊と曰す。亦は豊香節野尊と曰す。亦は浮経野豊買尊と曰す。亦は豊国野尊と曰す。亦は豊齧野尊と曰す。亦は葉木国野尊と曰す。亦は見野尊と曰す」
第二の一書には可美葦牙彦舅尊の次に誕生した二番目の神としている。
第三の一書には、第二の一書と同様に二番目の神であるが、その名を第一の一書に記載された別名「国底立尊」としている。
飛んで第六の一書には、天常立尊、可美葦牙彦舅尊の次に誕生した、三番目の神としている。
(No.004「ウマシアシカビヒコヂ」参照)
天常立尊とは対をなす、大地を神格化したものとされる。
最初に生まれた神が天の象徴ではないためか、その立ち位置に関して、曖昧になっているものと思われる。
しかし島国独特なものか、海に浮かんだ大地を固定しようと、古代の人々が考えたであろうことは、想像するに難くない。
先代旧事本紀の「神代系紀」に、二世代目の神として記されている。
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二代倶に生づる天神。
国常立尊。亦は国狭立尊と云ふ。亦は国狭槌尊と云ふ。亦は葉国尊と云ふ。
豊国主尊。亦は豊斟渟尊と云ふ。亦は豊香節野尊と云ふ。亦は浮経野豊買尊と云ふ。
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