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4話

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 ひとつ残骸が上がるとその周辺から残りの機体の欠片も当然芋づる式に見つかった。そしてそのなかからは王太子とほかの二人の遺体の一部と思われるものも発見されたという……まだDNA検査の結果が出るまでには少し時間がかかるものの、もう王太子の墜落による死は確定だろう。そんなとき、わたしはといえば婚約破棄されたとはいえそれまでの間長年連れ添った男の突然の急逝を嘆いている……わけはなかった。べつに婚約をなかったことにされたことについてまだ恨んでいるからなどではない。泣いている余裕がなかっただけなのだ。機体の残骸のなかからなぜかわたしが昔から現在まで愛用している(はずの)カチューシャも引き上げられたからである……。
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