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体育祭後
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その日はあまり気分が上がることなく料理をする気にもなれなくて、初めての食堂に行ってみることにした。
京くんは嫌かなと思って聞いてみたけど返ってきたのは、俺も行く。だった。
だ、大丈夫かなぁ…?
せっかくなので、他の人も聞いてみたけどみんな忙しいみたいでまた誘って!と言われてしまった。
忙しいなら仕方ないよね。またがいつ来るかはわかんないけど、食堂以外で誘えばいいし!
ざわざわと騒がしい食堂を前に俺はポカンと口を開けてしまった。
…しょ、食堂…?レストランじゃなくて?
値段も…うわぁ…。
そんな俺に気付いたのか京くんが「やっとあのチケットの出番だね~」と笑う。
ハッ!そういえば!
「…これ、どうやって使えばいいんだろう?」
「あれにかざせば大丈夫だよ」
かざす!?!?
高校とは思えぬハイテクさに驚きまくりだよ…!
ピッと機械にかざせば、メニューが表示されて美味しそうなご飯がたくさん出てきた。…すごぉ…。
「あ、俺、これにする…」
「んー俺はこれにしよっかなー」
俺が選んだのはふわふわな卵が乗っているオムライスで、京くんは親子丼だった。
…それも美味しそう…。
**
湯気がほかほかと出ているオムライスと親子丼が運ばれてきて、ありがとうございます!とお礼を言って「いただきます」と早速口に運ぶ。
「…お…美味しすぎる…!」
「はは、それはよかったね」
「たまごもふわふわだし、ご飯ともすごく合ってて…俺もこんな風な料理が作れるようになりたいなぁ…」
改めてプロの料理人さんはすごいなぁと尊敬の念をキッチンに送る。
落ちていた気分も吹っ飛ぶような料理なんて、早々作れるものじゃないと思う。
ちょっとざわざわしてるけど来てよかったぁ…。
少しだけを息を吐いて下に向けていた視線を前に向ければ、京くんが「よかった。元気になったね」と微笑んだ。
「…気付いてたの?」
「まぁね。佳乃ちゃん分かりやすいから」
「俺そんなにわかりやすい!?」
「あはは」
「わ、笑って誤魔化さないでよぅ!」
まあまあ、と頭をぽんぽんと何度か叩かれて宥められるなんて、子供じゃないんだよ…!?
むぅ、とむくれる俺に背後から「…何をしているんだ」と声がかかった。
***
ひとまず、次でほのぼのは終わりたいと思います。
京くんは嫌かなと思って聞いてみたけど返ってきたのは、俺も行く。だった。
だ、大丈夫かなぁ…?
せっかくなので、他の人も聞いてみたけどみんな忙しいみたいでまた誘って!と言われてしまった。
忙しいなら仕方ないよね。またがいつ来るかはわかんないけど、食堂以外で誘えばいいし!
ざわざわと騒がしい食堂を前に俺はポカンと口を開けてしまった。
…しょ、食堂…?レストランじゃなくて?
値段も…うわぁ…。
そんな俺に気付いたのか京くんが「やっとあのチケットの出番だね~」と笑う。
ハッ!そういえば!
「…これ、どうやって使えばいいんだろう?」
「あれにかざせば大丈夫だよ」
かざす!?!?
高校とは思えぬハイテクさに驚きまくりだよ…!
ピッと機械にかざせば、メニューが表示されて美味しそうなご飯がたくさん出てきた。…すごぉ…。
「あ、俺、これにする…」
「んー俺はこれにしよっかなー」
俺が選んだのはふわふわな卵が乗っているオムライスで、京くんは親子丼だった。
…それも美味しそう…。
**
湯気がほかほかと出ているオムライスと親子丼が運ばれてきて、ありがとうございます!とお礼を言って「いただきます」と早速口に運ぶ。
「…お…美味しすぎる…!」
「はは、それはよかったね」
「たまごもふわふわだし、ご飯ともすごく合ってて…俺もこんな風な料理が作れるようになりたいなぁ…」
改めてプロの料理人さんはすごいなぁと尊敬の念をキッチンに送る。
落ちていた気分も吹っ飛ぶような料理なんて、早々作れるものじゃないと思う。
ちょっとざわざわしてるけど来てよかったぁ…。
少しだけを息を吐いて下に向けていた視線を前に向ければ、京くんが「よかった。元気になったね」と微笑んだ。
「…気付いてたの?」
「まぁね。佳乃ちゃん分かりやすいから」
「俺そんなにわかりやすい!?」
「あはは」
「わ、笑って誤魔化さないでよぅ!」
まあまあ、と頭をぽんぽんと何度か叩かれて宥められるなんて、子供じゃないんだよ…!?
むぅ、とむくれる俺に背後から「…何をしているんだ」と声がかかった。
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ひとまず、次でほのぼのは終わりたいと思います。
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