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体育祭後
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「…というわけで、貴方には本当に申し訳ないのですが…補佐をして頂きたくて…」
本当に申し訳なさそうに言う副会長さんにおろおろする俺。
説明聞いて思ったけど、会長さん自分勝手すぎじゃないですか!?
副会長の説明をざっくりとまとめるなら、こうだ。
・入学式の際に言っていた「外部生を補佐に」という言葉が本当だった
・仕事が追いつかず補佐をいれざるを得ない状態になってしまった
・そこで会長が言ったのが、最初に戻るが外部生の話だった
…そして、その外部生が俺だった。らしい。…なんで?
「えっと…どうして、俺なんですか?外部生って俺だけ、なんでしょうか?」
「…外部生といっても貴方だけではないのですが、成績で見ると貴方が一番優秀で」
「え、うそだぁ…。あ、すみません。で、でも…俺なんにも出来ないですよ?」
「ふふ。…補佐といっても書類を整理したり、風紀に持っていったりするだけなので大丈夫ですよ」
それなら俺じゃなくても大丈夫じゃないですか…?
そんな思いが俺の顔に出ていたのか、副会長さんは。
「…最大の理由は、会長の指名、なんですよね」
「…会長さんの…」
「一度決めたら絶対に曲げない人間なもので、私たちの意見は全て無視でした」
な、なんて酷い…だから会長なんてできるのかな…。
「…あれ、でも俺会長さんとは初対面ですよ?」
今日が。なんて言わなくても伝わっていたのか「…私たちにもその理由はわかりかねますが、きっと今日が初対面ではないんだと思いますよ」と微笑まれた。
…それはそれで嫌だし怖いなぁ…どこで出会ったんだろう?
うぅむ…と考え込む俺の肩にぽんっと誰かが手を置いたのでそちらを見れば会計さんがにこにこ笑いながら「取り敢えずお試しでいいからぁ~」と言う。
「お試し、ですか…」
「そぉ~いきなりやってぇって言われてもさぁ~嫌じゃぁん?取り敢えずやるだけやってぇ、無理なら無理ぃって言えばいいしぃ~」
「…そんな途中で放棄なんて…」
「いいのいいのぉ。かいちょぉが悪いんだしぃ~」
「…わ、かりました…一応、やってみます」
「本当ですか?よかった…じゃあ早速、と言いたい所なのですが今日はもう特に仕事もないので、戻っていただいても大丈夫ですよ」
こくり、と頷けば副会長さんはふんわり笑って喜んでくれた。…けど、俺の頭はいっぱいいっぱいでそれを察してくれたのか特に仕事は与えられず飲み物だけがことり、と目の前に置かれた。
「…美味しい…」
「ふふ、紅茶しかなくてすみません。飲める方でよかったです」
「…俺、紅茶すごく好きです。ありがとうございます」
はぁ、と少しだけ息を吐いて目の前に座る副会長さんを見つめる。
「まだ、何もわかんなくて、頭の整理もまだついてない状態ですけど…精一杯頑張るので、よろしくお願いします」
と言葉に詰まりながらも頭を下げる。
するとそんな俺の頭を優しく撫でて「こちらこそよろしくお願いしますね」と笑った。
「この子ちょぉかわいいねぇ~よろしくぅ~」と会計さんも頭を撫でてくる。
ちょっとくすぐったい。
「そういえば、書記さんは…?」
「あぁ~あの子は外でお昼寝してると思うよぉ~」
「お昼寝…」
そういえば前に会った時も裏庭だったような…。本当にわんちゃんみたいだ。
書記さんには今度挨拶しよう。
会長さんは……知らない。
本当に申し訳なさそうに言う副会長さんにおろおろする俺。
説明聞いて思ったけど、会長さん自分勝手すぎじゃないですか!?
副会長の説明をざっくりとまとめるなら、こうだ。
・入学式の際に言っていた「外部生を補佐に」という言葉が本当だった
・仕事が追いつかず補佐をいれざるを得ない状態になってしまった
・そこで会長が言ったのが、最初に戻るが外部生の話だった
…そして、その外部生が俺だった。らしい。…なんで?
「えっと…どうして、俺なんですか?外部生って俺だけ、なんでしょうか?」
「…外部生といっても貴方だけではないのですが、成績で見ると貴方が一番優秀で」
「え、うそだぁ…。あ、すみません。で、でも…俺なんにも出来ないですよ?」
「ふふ。…補佐といっても書類を整理したり、風紀に持っていったりするだけなので大丈夫ですよ」
それなら俺じゃなくても大丈夫じゃないですか…?
そんな思いが俺の顔に出ていたのか、副会長さんは。
「…最大の理由は、会長の指名、なんですよね」
「…会長さんの…」
「一度決めたら絶対に曲げない人間なもので、私たちの意見は全て無視でした」
な、なんて酷い…だから会長なんてできるのかな…。
「…あれ、でも俺会長さんとは初対面ですよ?」
今日が。なんて言わなくても伝わっていたのか「…私たちにもその理由はわかりかねますが、きっと今日が初対面ではないんだと思いますよ」と微笑まれた。
…それはそれで嫌だし怖いなぁ…どこで出会ったんだろう?
うぅむ…と考え込む俺の肩にぽんっと誰かが手を置いたのでそちらを見れば会計さんがにこにこ笑いながら「取り敢えずお試しでいいからぁ~」と言う。
「お試し、ですか…」
「そぉ~いきなりやってぇって言われてもさぁ~嫌じゃぁん?取り敢えずやるだけやってぇ、無理なら無理ぃって言えばいいしぃ~」
「…そんな途中で放棄なんて…」
「いいのいいのぉ。かいちょぉが悪いんだしぃ~」
「…わ、かりました…一応、やってみます」
「本当ですか?よかった…じゃあ早速、と言いたい所なのですが今日はもう特に仕事もないので、戻っていただいても大丈夫ですよ」
こくり、と頷けば副会長さんはふんわり笑って喜んでくれた。…けど、俺の頭はいっぱいいっぱいでそれを察してくれたのか特に仕事は与えられず飲み物だけがことり、と目の前に置かれた。
「…美味しい…」
「ふふ、紅茶しかなくてすみません。飲める方でよかったです」
「…俺、紅茶すごく好きです。ありがとうございます」
はぁ、と少しだけ息を吐いて目の前に座る副会長さんを見つめる。
「まだ、何もわかんなくて、頭の整理もまだついてない状態ですけど…精一杯頑張るので、よろしくお願いします」
と言葉に詰まりながらも頭を下げる。
するとそんな俺の頭を優しく撫でて「こちらこそよろしくお願いしますね」と笑った。
「この子ちょぉかわいいねぇ~よろしくぅ~」と会計さんも頭を撫でてくる。
ちょっとくすぐったい。
「そういえば、書記さんは…?」
「あぁ~あの子は外でお昼寝してると思うよぉ~」
「お昼寝…」
そういえば前に会った時も裏庭だったような…。本当にわんちゃんみたいだ。
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