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体育祭
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それにしても、何か夢を見た気がするんだけど…スッキリしない、もやもやする夢。
…でも大切な夢、だった気がする…。気のせいかなぁ…。
「よしのぉ…。」
「ぅわぁっ!…ど、どうしたの?」
「俺、俺ぇ…もうダメだかもしんない…。」
「えぇ!?」
ぼーっと走っている生徒を見ながら夢を思い出そうとしていると、後ろからガバッと抱きつかれ驚きの声をあげつつ後ろをふりむけば颯くんが泣きそうな顔をしていた。
取り敢えず頭を撫で慰めながら話を聞けば、先ほどの競技で他のチームに負けてしまったらしい。
…負けず嫌いって大変だね。
「でもまだまだ巻き返せるかもだよ?」
「…さっき負けちゃったし…。」
「……颯くんってば急にそんなに弱気になっちゃってどうしたの?」
「……。」
ぎゅう、と抱きしめる腕に力を込められてちょっと苦しい。
どうしたんだろう。いつもはこんなに落ち込んだりしないのに…。
しばらく黙ったあと俺の横にストン、と座って何かを呟いた。
案の定何を言ってるか聞こえなくて「え?」と聞き返せば、こちらをちらりと見てそっぽを向きながら「佳乃が応援してくれないから」と言った。
……えぇ…?(困惑)
俺の応援がないだけでそんなに弱気になるの?
俺の応援の力すごいなぁ~。
なんて感心してる場合じゃなかった!
「颯くん、どういう事?」
「…佳乃が応援してくれると、俺、もっと頑張れるのに…。」
「え、ほんと?じゃあ俺応援頑張るよ!っていうか、そうじゃなくても応援するよ?」
「でもさっきいなかった…。」
「あー…えっと、それはごめんね…?」
しゅん、と俯きながら謝れば何故か逆に「ごめん!!」と謝られた。
うぅ、俺が寝ちゃったから応援できなかったのに…。罪悪感…。
隣でオロオロしてる颯くんに、再度ごめんね。と謝った時、俺たちに影ができて上から声がふってきた。
「はーやーてー。何佳乃ちゃんいじめてんの?」
「ち、違うよ京くん!」
「お前が佳乃を独り占めにしたからだろ。」
「えーなに?嫉妬~?八つ当たり~?」
けらけらと颯くんをからかうように笑う京くんに、威嚇するわんちゃんのような颯くん。
…俺、どうしたらいいの…?
…でも大切な夢、だった気がする…。気のせいかなぁ…。
「よしのぉ…。」
「ぅわぁっ!…ど、どうしたの?」
「俺、俺ぇ…もうダメだかもしんない…。」
「えぇ!?」
ぼーっと走っている生徒を見ながら夢を思い出そうとしていると、後ろからガバッと抱きつかれ驚きの声をあげつつ後ろをふりむけば颯くんが泣きそうな顔をしていた。
取り敢えず頭を撫で慰めながら話を聞けば、先ほどの競技で他のチームに負けてしまったらしい。
…負けず嫌いって大変だね。
「でもまだまだ巻き返せるかもだよ?」
「…さっき負けちゃったし…。」
「……颯くんってば急にそんなに弱気になっちゃってどうしたの?」
「……。」
ぎゅう、と抱きしめる腕に力を込められてちょっと苦しい。
どうしたんだろう。いつもはこんなに落ち込んだりしないのに…。
しばらく黙ったあと俺の横にストン、と座って何かを呟いた。
案の定何を言ってるか聞こえなくて「え?」と聞き返せば、こちらをちらりと見てそっぽを向きながら「佳乃が応援してくれないから」と言った。
……えぇ…?(困惑)
俺の応援がないだけでそんなに弱気になるの?
俺の応援の力すごいなぁ~。
なんて感心してる場合じゃなかった!
「颯くん、どういう事?」
「…佳乃が応援してくれると、俺、もっと頑張れるのに…。」
「え、ほんと?じゃあ俺応援頑張るよ!っていうか、そうじゃなくても応援するよ?」
「でもさっきいなかった…。」
「あー…えっと、それはごめんね…?」
しゅん、と俯きながら謝れば何故か逆に「ごめん!!」と謝られた。
うぅ、俺が寝ちゃったから応援できなかったのに…。罪悪感…。
隣でオロオロしてる颯くんに、再度ごめんね。と謝った時、俺たちに影ができて上から声がふってきた。
「はーやーてー。何佳乃ちゃんいじめてんの?」
「ち、違うよ京くん!」
「お前が佳乃を独り占めにしたからだろ。」
「えーなに?嫉妬~?八つ当たり~?」
けらけらと颯くんをからかうように笑う京くんに、威嚇するわんちゃんのような颯くん。
…俺、どうしたらいいの…?
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