僕は平凡に生きたい

学園生活

18

種目決めも無事に終わって、喧嘩なんて起きることはなかった。
みんな仲良しだね。よかった。

俺、男友達なんてほとんどいなかったから熱い友情とかに憧れちゃうんだよね。
女の子はふわふわした感じだったし、俺もそっちだったし…。
でもやっぱり力の差があって、うまくいかなくてずっと遠慮ばっかしてた。

楽しかったし、俺なんかを仲間にいれてくれたことは感謝しかないけど、怪我なんてさせたくなかったからこれを機に俺は男友達をたくさん作る…！
トモダチ100人計画！！…まぁ、まだ京くんしか友達って呼べる人いないんだけど…。

「佳乃ちゃんそんな難しい顔してどうしたの？」

「へ？いや、ちょっと。」

野望を抱いてたなんて言えるわけない。

「ふ、変な佳乃ちゃん。種目決めも終わったし後は委員会とか決めるだけだよ。」

「あ、そっか。委員会があるんだっけ。京くんは何にするの？」

「俺？うーん…楽なの。」

「ふふ、またそれ？ね、京くんが良ければなんだけど俺と一緒の委員会にしない？俺まだよくわかんないし、京くんが一緒だと心強いんだけど…。」

「う、またそうやって…まぁ、いいよ。どれにするの？」

「うーん。みんなが決まった後、残ってるやつでいいやぁ。特にやりたいこともないし。」

「そっか、じゃあまた待ってよう。」

このクラスは一斉にやるのが好きなのかねぇ。今もぶわーってみんな前に行って名前書いてる。
委員会決めって先生が決めるのかと思ってたけど、先生は椅子に座ってぼーっとしてる。
…なんかすごく見られてる気がするけど。

「ねぇ、なんで俺先生にガン見されてるんだろ。いや、俺じゃないのかもしれないけど。」

「…あいつ…。」

できるだけ先生の方を見ないように京くんに尋ねると、それはそれは低い声で唸るように京くんが呟いた。
え、こわ。先生をあいつ呼ばわりするのにもびっくりしちゃった。
京くんって実は怖いよねー。普段が優しいだけにギャップがすごくて。

ギロリと京くんが先生を睨むと、先生はそれに気がついてニヤリと口角を上げた。

ひゃー無駄に顔がいいから様になってて腹立つ～。

俺もあんな表情が似合う男になりたいなぁ。…フツメンには無理かな。