僕は平凡に生きたい

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学園生活

2(side:中原 京)

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初めて、佳乃ちゃんを見た時、笑ってしまうかもしれないけど天使かと思った。
大きな瞳に白い肌…少し薄めの唇は口紅を塗ったように赤づいていて、白い肌とも相まって正直エロい。
まさか男に対してこんな気持ちを抱くとは思ってなかった。

思わず声をかけた時、警戒しているような表情を見て「しまった」と思った。
もうそこからは必死だった。怖がらせないように。
それからずっと一緒に行動をしてたけど、警戒心はなくなったみたいで何回も「俺、京くんがいなかったら…」なんてかわいい事を素で言う佳乃ちゃんに惹かれるばかりだった。
我ながらチョロすぎる。


それにしても、この先こんなかわいい佳乃ちゃんを好きにならない人間なんているの?


なんて思いながら入学式に向かったけど、隣の席の奴には抱きしめられてるし、会長の言ってた外部生って絶対佳乃ちゃんのことだよね。

佳乃ちゃんは自分のこと平凡だと思ってるみたいだし、どうやっても自覚してくれなさそうで…こうなったら俺が側から離れない。
今の所俺以外に警戒心はなくなってないみたいだし?
じゃあ今の内にぜーんぶの信頼を得るしかなくない?


ゆっくり、なんて待ってられない。
佳乃ちゃんが他に頼れる人を見つけてしまう前に。


今思うと、一目惚れだったのかな、なんて。


もしいつか振られてしまっても、許される限りはそばにいたい。
そう思ってしまうほどに佳乃ちゃんのことが好きで。

結局俺も単純な生き物だったんだなー。


魁聖学園こんなところで人を好きになることなんてないと思っていた自分に言いたい。
ーーお前はすぐに人を好きになる。


とりあえず今は、佳乃ちゃんの笑顔を見れるだけ満足しているんだけど。



というか、さっきの佳乃ちゃんが可愛すぎてびっくりした。
可愛すぎてびっくりすることなんて早々ないのに、びっくりした。本当に。


身長差で俺と話す時は必ず上目遣いになってしまう佳乃ちゃん。
俺が手を離したくなくて黙ってると、ぐいっと腕を引っ張られて密着した状態で上目遣いに甘く俺を呼ぶ声。

口から覗く赤い舌に邪な考えが頭をよぎった。


俺、めっちゃ変態っぽい。


はーやめよう。
佳乃ちゃんが可愛いのは今に始まったことじゃない。




佳乃ちゃんの後に続いて教室に入りながら、さっき佳乃ちゃんが言ってたなんでもやると言った約束のことを考えていた。

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