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魔獣の森
46歩
しおりを挟む俺の言葉にウィルは目を見開いて何か言おうとしたがすぐに真剣な顔になって「わかった」と言って、消えた。
……いや、まあ、別に俺がどうこう出来るとは思ってませんけどね?
「ちょっとかっこつけてみたけど、やっぱり実際に野生の魔獣に会うと怖~い……」
魔獣から目を離さず一定の距離を保つ。魔獣は俺を確実に仕留めるためにタイミングを見計らっているのか、グルルルルと牙を剥き出しにして威嚇しながらも、まだ襲いかかってくる気配はない。
「……練習になるかなぁと思ってこっそり連れてきたけど、ルード……大丈夫?」
「ギャウッ!」
「そっかそっか!じゃあウィルが先生を呼んでくるまで、2人で足止めしよう!」
「キュッ!」
チラリとポケットに視線をやればルードは器用にポケットから出て、元の大きさに戻る。
やっぱり獣の姿も成長してるなぁ…。
って今は感心してる場合じゃない!
キッと魔獣を睨みつければ魔獣もこちらの準備が整ったことを野生の勘で察したのか「ギャォォオオンッッ」と咆哮をあげた。
咆哮をあげたあとこちらに一直線に向かってくる魔獣に「ブルーム・ブラスト!」と唱え、小さな粒を強い風で飛ばす。
これは攻撃力は然程ないけど、目眩しぐらいにはなるはず…!
案の定その粒が目に入ったのか ギャギャギャ とその場で叫びながらのたうち回っている。
「…騙し騙しだけど、時間稼ぎぐらいになればいい。ルード!」
「ガウッ!」
その隙を狙いルードが攻撃を仕掛ける。
一回りも二回りも体格差はあるけれど、のたうち回っている今ならそんなもの壁にもならない!
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