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魔法学園
40歩
しおりを挟む「ルード~ご飯だよ~」
「ガウッ!」
あれから5年程経ち、ルードとの生活や学校生活にも慣れてきた。
ルードはすっかり大きくなって、もう俺の肩や頭には乗れない大きさだ。
嬉しい反面、少しだけ寂しい。
まあ、ルードは俺にずっとくっついてるからあんまり感じないけど。
ルードにとっての大人というものがいつ頃からなのか分からないけど、喋る気配も人型になる気配もまだなさそうだ。
「…それにしても、ルード本当に大きくなったねぇ………いつかルードは僕から離れていっちゃうのかなーって時々悲しくなっちゃうよ……」
「ガウ?」
「……でも僕はルードを手放せないから、もし離れていく時は僕が死んだ時かもね」
苦笑混じりにそう言うとルードが怒ったように吠えた。
ありゃ、怒らせちゃった。
ごめん、と謝りながら頭を撫でると機嫌はよくなったみたいだった。
ベッドにボフンと倒れ込んで天井を眺めているとルードが僕の上に伸し掛かって来た。
「ふふ、どうしたのルード。今日は甘えん坊さんだね」
「……フィー…」
「……へ?」
「フィー……」
………今の声は、もしかしてルード?
しゃ、喋れるようになったの!?
「る、ルード、もう喋れるの?わぁっそっか~!じゃあもしかしたら人型になれるまでもう少しなのかもね!嬉しいなぁ~!」
「ガウ………オレ、ヒト二ナル……ウレシ?」
「ん?そうだなぁ…ルードの成長が実感出来て嬉しい!だけど喋れるようになっただけでも僕は十分に嬉しいよ。ルードは本当におりこうさんだねぇ」
わしゃわしゃとルードの頭を撫でていると段々その頭が人の頭になっていき、俺は目をパチクリと瞬かせた。
……ちょっとルードさん成長が早すぎないかい?
シュウゥゥ…と音が鳴り終わったと思ったら俺の上には全裸のイケメンがいた。
………あ、そうだよね何も着てないもんね……?
「る、る、ルード!?あ、えっと…も、もう人型にもなれたんだね!やっぱり凄いよ、ルード!……と、とりあえず服を着ようか!…あーでも僕の服じゃ少し小さいかぁ……どうしよう……」
あまりの近さに俺は目を逸らしてルードの下から這い出ようとしたが、ルードの腕に引き止められた。
……まさか人型になったら俺より大きくなるとは…!
体つきもガッシリしてて俺の細腕なんて簡単に折れてしまうんじゃないかと思ってしまう程だ。
「…ルード…?僕ちょっと服を探すから、離してほしいなぁ…なんて…」
「……イヤダ」
すんすんと俺の首元を匂うルード。
恥ずかしいけど無理矢理退かす事なんて出来ないし、したくない…!
「…フィー…イイ、ニオイ…」
「えぇ!?でも特になにも……っ…ひぁっ…!…ルードッ!な、舐めないで!くすぐったいよ!」
「……ゴメン…」
「あ……僕もごめんね?…急に舐めたりしたら驚いちゃうから…お、怒ってないからそんなしゅんとした顔しないで?」
今までと同じように俺に絡んだつもりなんだろうけどね!?
突然舐めるからびっくりして変な声出ちゃったよ!
思わず声をあげたらルードの耳がしゅんと垂れちゃった…。
ちゅ、とおでこにキスをすればぺろぺろと顔中舐めまわされた。
……人型の時にやっちゃダメな事をちゃんと言い聞かせなきゃ……。
****
前回伝えるか迷ったのですが、これから更新が不定期になります。
すみません。
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