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俺、爆誕

3歩

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結論から言えば、夢の中でもあの人たちに会うことはできなかった。
そりゃそうだよな。そんな都合よく見れるわけがない。
わかってはいたけどちょっと期待しちゃったの!!
生まれ変わったし、もしかしたらってことがあるかもしれないし…。


そして、相変わらずあの美男美女が甲斐甲斐しくお世話をしてくれている。
結構大きな家みたいだ。お世話がかりの人がいるのも知ったけれど、俺のお世話をするのは基本この人たちだった。


今の所、俺が知っている情報は、この美男美女が俺の両親ってことと、兄が2人、姉が1人。あとお手伝いさん?っていうのかな。が、…えーっと…たくさん。たくさんいるから数えるのをもう諦めた。わかんないもん。
あとは……この世界が俺の知ってる世界ではなくて魔界という場所で……俺たちは魔族、らしい。


でも俺は前の世界の体をそのまま継いだのか病弱だ。
すぐに熱は出るし、激しい運動は出来ないし……おちおち走り回ったりも出来ない。外で思い切り遊びたいのにそれも出来なくて俺は怒ってます!!
どうしてそこも受け継いじゃったのさ!


体調を崩すと家族総出でお世話をしてくれる。
ごめんなさい!!もう少し大きくなったら、自分でどうにかできるようにするから!!


ちょこん、と座りながらおもちゃをぼうっと眺めている俺に長男…えぇと、シャル…シャル…なんだっけ。
名前覚えるの苦手なんだよー!あ、確かシャルル?だっけ?
うん。自信がない。てことでシャル兄さんと呼ぼう。


「このおもちゃは気に入らなかったかい?」
「ぅ?…ちぁう…」


ふるふると首を横に振っておもちゃで遊ぶ。正直、気にいる気に入らないという問題ではなく、俺の年齢というか…中身のせいというか。
病院の中でしか育ってないけど、一応15歳だったんだよね。今俺は3歳。合計で言えば18歳だよ!?無理だよ!無邪気におもちゃで遊ぶなんて!


あと、これは俺も驚いたんだけど魔族ってのは人間と歳の取り方が違うらしい。
1年で1つ歳をとるのではなく、5歳までは半年に1つ歳をとる。
学校、に入るまでは半年に1つ。そこからは人間とほぼ一緒。…ほぼってのがよくわかんないけど。
きっといつか誰かが教えてくれるよね?ね?


学校かぁ…どんなところなんだろう。行ったことないから今からわくわくしちゃうなぁ~。

兄そっちのけで学校というものに気持ちを向けていた俺は、長男がどんな顔をして俺を見ていたかなんて知る由もなかったのであった。



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