上 下
22 / 26

あっは、しんど

しおりを挟む
焼き鳥?のような串に肉が刺さったものと、ポテトのようなものが刺さったものを2本ずつ買って家に帰る。
…異世界だし、仕方ねぇけど…これはなんの肉なんだ?

そんな俺の考えを読み取ったのか神様が「これは、グァルグっていう、モンスターのお肉、です…」と説明してくれた。
ぐ、ぐぁるぐ…?なんとも発音しにくい名前だな!

「へー。やっぱモンスターって食べ物になるんだな」

「そう、ですね…冒険者たちが狩ってきたモンスターを買い取って、それを…一般市民用に売って、という感じ、です」

「ふぅん…異世界っていってもそこら辺はあっちと変わらないんだな」

そんな会話をしながら道のりを歩く。話しながら歩いてるとあっという間だよなぁ。

家に着くなり机の上に買ってきたものを置いて、神様を椅子におろす。
俺の腕に収まる神様が可愛くて自分で歩くという神様を無視して抱っこしていた。
…半泣きになってた神様も可愛くて、あぁもうダメだな、なんて。

「…さ、食べるか」

「は、はい!」

串に刺さった肉のにおいをすんすんと嗅ぐ。…う、めちゃくちゃ食欲をそそる匂いだ。
はぐ、と噛んだ瞬間、じゅわ…と肉汁が溢れ出す。
ぅえ!?そんなジューシーな肉なの!?びっくりしたわ…。

もぐもぐと味わいながらちらりと神様を見ると、ハムスターのような状態になっていた。
思わず吹き出しそうになったけど、こらえて観察する。
神様は俺が見ている事に気が付いていないようだ。

口の中いっぱいにして頬張る姿はまさにハムスター。
…あーかわいい。
一生懸命噛んでいるんだろうなぁ…。

じーっと自分の肉そっちのけで神様を見ていたので、流石に神様は気づいたみたいだ。
あ、赤くなった。…本当になんで小さい神様はこんなにかわいいんだ。

ふ、と笑いながら自分も食べるのを再開する。
うんうん。こんなに美味いしな。頬張りたくなるのもわかるわ。

**
「さーってと。掃除再開するか」

「あ、あのぅ…」

「ん?なんだ?」

腹一杯になって本当はかなーーーーり眠たいけど、そんな事も言ってられない。
ゴミを先に片付けて掃除の準備をしていると、神様がそろーっと近寄ってきて話しかけてきた。

「ぇと、魔法を使えば、多分、すぐ…終わると思うん、です、が…」

「……確かに、それもそうだな」

魔法の感覚がまるでないからすぐ忘れるんだよな。
魔法、魔法か…っていってもなぁ…どうしたらいいのやら。

うーんと悩んでいる俺を見て神様は「ぁっ…ど、どんな風にしたいって、思えば…貴方の場合は、だいたいなんでも…できますっ」と助言してくれた。
ほう。なんか俺すごいのな。

「どんな風に…か。うーん…そうだなぁ…」

例えば、あっちでいう、モデルハウス、みたいな?
と、考えれば一瞬部屋の中が青い光に包まれ、驚いて咄嗟に目を瞑る。

「ぅおっ!?……………びっくりした」

あっという間にその光はおさまって、恐る恐る目を開けば目の前には先ほどとは比べものにならない綺麗に片付けられた部屋が広がっていた。…絶対にこういう風につかわないんだろうけど、魔法って便利だな。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

悪役転生したはずが主人公に溺愛されています

zzz
BL
死んだ。そう気づいて目を開けると、全く知らない世界にいた。 いや、全くと言ったら嘘になる。 俺はこの世界を知っていた。 なぜならここは、俺も開発に携わったゲームの世界だったからだ。 そして俺は主人公である勇者に転生……ではなく、勇者に嫌がらせをし、最終的に殺される悪役に転生していた! 死ぬのはごめんだがケツを狙われるのもごめんなんだけど!!?

日本で死んだ無自覚美少年が異世界に転生してまったり?生きる話

りお
BL
自分が平凡だと思ってる海野 咲(うみの   さき)は16歳に交通事故で死んだ………… と思ったら転生?!チート付きだし!しかも転生先は森からスタート?! これからどうなるの?! と思ったら拾われました サフィリス・ミリナスとして生きることになったけど、やっぱり異世界といったら魔法使いながらまったりすることでしょ! ※これは無自覚美少年が周りの人達に愛されつつまったり?するはなしです

死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

15
BL
生まれた頃から病弱で…ついに完治する事なく短い生涯を終えた少年。 しかし、目が覚めるとそこは見知らぬ景色…。 「ふえぇ…」 お、俺赤ちゃんになってる!? しかも魔族って!? 無自覚系病弱美少年の物語。 「俺の顔は平凡以下です」 転生+人外の話。 俺TUEEEE系ではない。一から学んでいくスタイル。 でも要領がいいので割となんでもこなしていく、天才タイプ。です。 *カクヨム様にて加筆修正を加えたものを公開してます。

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います

たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか? そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。 ほのぼのまったり進行です。 他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。

頭の上に現れた数字が平凡な俺で抜いた数って冗談ですよね?

いぶぷろふぇ
BL
 ある日突然頭の上に謎の数字が見えるようになったごくごく普通の高校生、佐藤栄司。何やら規則性があるらしい数字だが、その意味は分からないまま。  ところが、数字が頭上にある事にも慣れたある日、クラス替えによって隣の席になった学年一のイケメン白田慶は数字に何やら心当たりがあるようで……?   頭上の数字を発端に、普通のはずの高校生がヤンデレ達の愛に巻き込まれていく!? 「白田君!? っていうか、和真も!? 慎吾まで!? ちょ、やめて! そんな目で見つめてこないで!」 美形ヤンデレ攻め×平凡受け ※この作品は以前ぷらいべったーに載せた作品を改題・改稿したものです ※物語は高校生から始まりますが、主人公が成人する後半まで性描写はありません

処理中です...