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始まりは、森。
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「おいおい…俺の家は森じゃねぇぞ…。」
思わず目の前の光景に現実逃避しながら呆然と佇む。
昨日はうきうきしながら新発売のゲームして、普通に寝ただけ…だよな?
別にこの世界に入りたいとか、勇者になりたいとか願ってないよな?
むしろもっとあのゲームやり込みたかったんだけどォ!?
何ヶ月待ったと思ってんだ!!俺のうきうきを返せ!!
俺の…俺のッ!!
「俺の唯一の楽しみだったんだぞ…!!」
毎日毎日普通の生活を送って、可もなく不可もない生活に嫌気がさしたりなんてしてなかった。
俺にぴったりの生活だと思ってたんだ…。
そんな俺の唯一の楽しみが昨日発売された"全ての大地-神の恩恵-"だった。
前々作がめちゃくちゃ面白くてどハマりしてからずっとファンで、それだけのために稼いでるといっても過言ではない。
それを…邪魔しやがって…。どこの誰だか知らんが、恨んでやるからな。
チッと舌打ちしながら辺りを見渡すと、こちらを怯えながら見ている人がいることに気付いた。
ん?誰だ?
今ので怯えさせてしまったのか?悪いことしたな。
ガリガリと頭を掻きながらはぁ、とため息を吐いてそいつに届くように「なんか、すまんな!知らない土地にいて混乱したんだ!」と叫んだ。
するとそいつはピャッと声をあげ腰を抜かした。
まじで?
あー・・しゃぁねぇ、俺のせいだ。ここがどこだか知らんが、どっかに連れてった方がいいだろ。
ゆっくりとそいつに近づくと目に涙をためてこちらを見ていた。
…なんか、いけないことしてるみたいじゃないか…。
そいつの前にしゃがみ込み、目線を合わせ比較的優しい声で言う。
「…悪かったな。怖がらせたみたいで。…腰、抜けたんだろ。おぶってやるから道案内してくれ。」
ふっと笑みをこぼして背中を向けると後ろからか細い声が聞こえた。
「ぁ、ぁのぅ…。」
「ん?なんだ?おぶられるのが嫌なら抱っこでもいいぞ?」
「ぇと…お、おんぶで、大丈夫、です…。」
「じゃあ、乗ってくれ。」
「は、はい!ありがとう、ございます…。」
そろそろと首に腕を回され、ゆっくりとおぶさってきたそいつの軽いこと。
今時の子はこんなに小さいのか?
思わず目の前の光景に現実逃避しながら呆然と佇む。
昨日はうきうきしながら新発売のゲームして、普通に寝ただけ…だよな?
別にこの世界に入りたいとか、勇者になりたいとか願ってないよな?
むしろもっとあのゲームやり込みたかったんだけどォ!?
何ヶ月待ったと思ってんだ!!俺のうきうきを返せ!!
俺の…俺のッ!!
「俺の唯一の楽しみだったんだぞ…!!」
毎日毎日普通の生活を送って、可もなく不可もない生活に嫌気がさしたりなんてしてなかった。
俺にぴったりの生活だと思ってたんだ…。
そんな俺の唯一の楽しみが昨日発売された"全ての大地-神の恩恵-"だった。
前々作がめちゃくちゃ面白くてどハマりしてからずっとファンで、それだけのために稼いでるといっても過言ではない。
それを…邪魔しやがって…。どこの誰だか知らんが、恨んでやるからな。
チッと舌打ちしながら辺りを見渡すと、こちらを怯えながら見ている人がいることに気付いた。
ん?誰だ?
今ので怯えさせてしまったのか?悪いことしたな。
ガリガリと頭を掻きながらはぁ、とため息を吐いてそいつに届くように「なんか、すまんな!知らない土地にいて混乱したんだ!」と叫んだ。
するとそいつはピャッと声をあげ腰を抜かした。
まじで?
あー・・しゃぁねぇ、俺のせいだ。ここがどこだか知らんが、どっかに連れてった方がいいだろ。
ゆっくりとそいつに近づくと目に涙をためてこちらを見ていた。
…なんか、いけないことしてるみたいじゃないか…。
そいつの前にしゃがみ込み、目線を合わせ比較的優しい声で言う。
「…悪かったな。怖がらせたみたいで。…腰、抜けたんだろ。おぶってやるから道案内してくれ。」
ふっと笑みをこぼして背中を向けると後ろからか細い声が聞こえた。
「ぁ、ぁのぅ…。」
「ん?なんだ?おぶられるのが嫌なら抱っこでもいいぞ?」
「ぇと…お、おんぶで、大丈夫、です…。」
「じゃあ、乗ってくれ。」
「は、はい!ありがとう、ございます…。」
そろそろと首に腕を回され、ゆっくりとおぶさってきたそいつの軽いこと。
今時の子はこんなに小さいのか?
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