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オレ、自覚する。

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あれからご飯を食べて一息つく頃にはモヤモヤもムカムカもなくなっていて、やっぱりご飯食べてなかったからだなと納得した。
あれから楢原から連絡はない。待ってないけど、あんな風に切られて怒ったりしないもんかね。切ったオレが言うのもなんだけど。
佐原からは適当に誤魔化しとくわと返事がきていた。
持つべきものは佐原だね。
オレ真面目ちゃんだから誤魔化しやすいと思うし、明日行った時先生に謝っとこぉーっと。

「ふぁぁ……んー…もっかい寝よ」

しばらくぼーっとしていたが日々の疲れがいつのまにか溜まっていたのか眠たくて仕方ない。
うつらうつらとしつつ部屋へと戻ってベッドに倒れる。
…佐原にお礼言うの忘れてたや。




ピンポーン

「…ん……っ…い、ま…なんじ…」

チャイムの音で目を覚まし、スマホを確認すれば20時を示していた。
…寝過ぎじゃん…。
起き上がり伸びをして玄関へと向かう。

「ふわぁ…はいはい、今出ますよーっと」

扉を開けてみるとそこにいたのは楢原だった。
…何してんのこいつ。

「よぉ」

「…どしたの」

「お前が体調悪いって言ってたから…これ」

これ、と渡されたのは袋一杯に入った栄養ドリンクやスポーツドリンク、薬やゼリーだった。
ぽかんとした顔でそれを見つめていると「体調悪ぃんだろ、早く戻って寝ろ」と言われ慌ててお礼を言う。

「え、あ、ありがと…」

「おう。じゃ、俺もう帰るから」

「え!?…あ、いや、そうだよね…」

「………やっぱ心配だし、上がってもいいか?」

「…ん」

体調なんて全然悪くなかったけど、何故か引き止めてしまった。
何やってんのーオレ。

「おら、オレはこれ冷蔵庫とかにいれてくっから部屋に戻ってろ」

「へ?や、でも」

「いーから」

背中を押されて部屋に戻されたので仕方なくベッドにもぐる。
寝過ぎて全然眠くないんだけど。
目だけでも瞑っとこう。

しばらくして部屋の扉が開いて楢原が入ってきた。
改めてお礼を言おうとする前に楢原がオレのベッドに腰掛けてオレの頭を撫で始めたのでびっくりして身動きが出来なくなってしまった。

う、え………え?

「…寝て、るよな」

「……」

バッチリ起きてますけどー。
オレの心臓ドキドキしないでー。おねがーい。
なんで鼓動早くなってんのー。
目を瞑ったまま心臓を落ち着けようとしていると楢原が口を開き小さくか細い声で呟いた。

「神永……好き、だ」

甘く蕩けるような声だった。
それを聞いてオレはもう我慢できなくて顔が赤くなっていくのを止めることは出来なかった。

楢原、お前、なんなの。
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