悪役令嬢は冤罪で追放されました～前世の知識と優秀な執事がいるので構いません～

第4話：二人の決意

　夜が深まり、レイラの家の周りは静寂に包まれていた。

　二人は家の屋根に梯子をかけ、星空を眺める準備をしていた。

「こんなに綺麗な星空は、王都では見られなかったわ」

　レイラは目をキラキラさせながら、無数の星々を眺めていた。

　アレンも隣で彼女と同じ空を見上げて言った。

「確かにこんなにも美しい星空を見たのは、初めてかもしれません」

　二人はしばらくの間、ただ静かに星空を楽しんでいた。

　その中で、流れ星が空を横切った。

「あっ、流れ星！」レイラは驚きの声を上げた。

　アレンは微笑みながら言った。

「流れ星を見ると、願い事をすると叶うと言われていますね」

　レイラは考え込んだ。

「アレン、あなたは何を願う？」

　アレンは少し考えた後、答えた。

「私は、レイラ様との今の生活がこれからもずっと続くことを願います」

　レイラは感極まって、アレンの手を握った。

「私も、同じことを願っているわ」

　二人は流れ星の後に残る軌跡を見ながら、互いの絆を再確認した。

　この日、レイラとアレンは、星空の下で新たな約束を交わした。

　それは、二人がこれからもずっと一緒に過ごすという、堅い約束だった。


○


　数ヶ月が過ぎ、レイラとアレンの生活は日々安定していった。

　ある日、レイラが突如として決意したことがあった。

「アレン、私たち、近くの町に行ってみない？」

　アレンは少し驚いた表情をした。

　突然やってきた明らかに訳ありのレイラは町で噂されていたのだ。
　それに子爵家の者と鉢会わせれたらと思うと、なかなか出掛けることができないでいた。

「レイラ様、本当にいいのですか？」

　レイラは穏やかに微笑んだ。

「ええ、だって私たちに隠れる理由なんてそもそもないんだから……もう終わりにしましょう」

　二人は手を取り合い、近くの町へと足を運んだ。　王都とは違う賑やかさ、そして暖かさに、レイラの目は輝いていた。

　町の広場で、子供たちが遊ぶ姿や、市場でのにぎわいを目の当たりにすると、レイラの胸には懐かしさとともに、新しい気持ちが生まれてきた。

　町の人々は、最初はレイラを警戒していたが、彼女の優しさやアレンの誠実さを感じ、徐々に二人を受け入れていった。

　夜になり、二人は町の中心にある噴水の前で立ち止まった。

　月明かりの下、噴水の水が輝き、美しい景色が広がっていた。

　アレンはレイラの方を向いて言った。

「私たちの新しい人生は、ここから始まるのかもしれませんね」

　レイラは涙を流しながら答えた。

「ありがとう、アレン。　あなたと一緒なら、どんな未来も怖くない」

二人は噴水の前で、新たな誓いを交わした。

　それは、どんな困難も乗り越えて、共に新しい人生を歩んでいくという強い決意だ。

　そうして二人はいつまでも見つめ合うのであった。








終
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

ここまで読んでいただきありがとうございました！

もう少し甘々な感じにしたかったんですが、なかなか難しい……

面白いと思っていただけましたらフォロー、感想など書いていただけますと大変嬉しいです。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓