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第2話:来訪者
しおりを挟む夜明けの光が窓辺に柔らかく射し込んだ。
王都から遠く離れた古びた家で、レイラは目を覚ました。
「新しい一日の始まりね」
彼女は伸びをした。布団から抜け出ると、階下からアレンの作る朝食の香りが漂ってきた。
王都の生活では考えられないようなシンプルな食事だが、レイラはそれを心から楽しみにしていた。
ダイニングに降りると、アレンはパンと新鮮なフルーツ、そして香ばしいコーヒーをテーブルに並べていた。
「おはようございます、レイラ様。 今日も素敵な一日となりますように」
レイラは笑顔で応えた。
「ありがとう、アレン。」
食事を楽しんだ後、レイラは庭へと足を運ぶ。
彼女が大切にしている小さな花畑が、朝の光を浴びて輝いていた。
レイラは手を伸ばし、一輪の花を撫でた。
「この花、きれいね。」
アレンはそばに寄ってきて、花を見つめた。
「王都のものとは異なりますが、こちらの自然は確かに美しいですね」
レイラはアレンに微笑みかけた。
「私たちは、この地で新たな生活を始めるんだもの。 これからの日々を楽しんで生きていきましょう」
アレンは頷いた。
「そうですね、レイラ様」
この古びた家とその周辺の自然は、彼らにとっての新しい舞台となった。追放の後、彼らはここで新たな日常を刻んでいくこととなる。
○
太陽が真上に昇るころ、レイラの家には予期せぬ訪問者がやってきた。
門のノック音に、レイラとアレンは驚きの顔をした。
「一体誰が…?」
アレンが扉を開けると、そこには若い男が立っていた。
彼は黒いローブをまとい、疲れたような顔をしていた。
「失礼します。 私の名前はテオドール。 遠い土地からやってきました」
彼は頭を下げて挨拶をした。
レイラは警戒心を隠そうともしなかった。
「あなたは、なぜ私たちのところに?」
テオは深々と息をついて言った。
「正直に申し上げます。 あるものを探しておりまして、王都の情報屋からこの地にあると聞きました」
アレンは身を前に出し、レイラを守る姿勢を見せた。
「何の情報を求めているのか、はっきりと申し上げなさい」
テオドールは困ったように笑った。
「怖がらせてしまって申し訳ありません。 実は、私はある伝説の花を探しているんです。 そしてそれがここの庭で見かけました」
レイラは思い出した。
「あの綺麗な花のことかしら? 必要であれば摘んでいってもらって構わないわよ?」
テオドールは目を輝かせて言った。
「それは本当に助かります!」
その後、三人は花畑に向かい、伝説の花を探した。
テオはその花を見つけると、感謝の涙を流していた。
「この花は、故郷で病気を治すための薬草として使われます。 これで妹を助けられます! 本当にありがとう!」
彼は礼を言って家を後にするのであった。
なんだか良いことをしてレイラが気分良さそうにしているのを感じたアレンは今日はごちそうを出してあげようと考えながら、微笑むのであった。
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