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フキアエズ大会戦
第217話 マキュウェルの決意
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「ねえ妖精さん、私って魅力の無い女かしら」
マキュウェルは、珍しく乙女な想いを管理人妖精相手に聞いて来た。
それは自室のベッドの上で、まるでクマのぬいぐるみ相手に会話する少女のように。
「私には回答困難な事だな、それは。」
、、、、あー、この管理人妖精は、俺以外には敬語も使わない無表情の方の妖精だからな、こんな時、マキュウェル側の方の妖精がシズだったらって思うのだが、今更何だがな。
「もう、妖精さんは酷いのね、こんな時くらい慰《なぐさ》めなさいよ」
「私は妖精、慰めるのは任務外だ」
本当に噛み合わないな、、、と思っていたが、案外、この二人の会話はこの仏頂面の管理人妖精のおかげで紋々とした時間を発散させているようだった。
、、、現世にもあったな、こんな回答しかしてこないコンピュータって。
「でね、エガったら、なんだかよそよそしいのよね、、、、力になってあげたいんだけどな、、、(ムギュー)」
なんだ?、ムギューって、、、、ああ、本当にぬいぐるみのように管理人を抱きしめているよ、、、あああ、管理人、顔が真っ青だぞ、呼吸、大丈夫か?
「、、、、私ね、今、悩んでいることがあるの、、、これをしたらエガは喜ぶと思う?、それともプライドを傷付けてしまうかしら」
どうやらマキュウェルは、エガのフキアエズ軍に、無償で自軍の一部を提供することを考えていたようだった。
「いや、それは止めた方がいいと思うぞ、むしろ、、、、」
珍しく、管理人がこの世界の人間に助言をしている。
これはとても違和感を感じた、普段なら、彼は管理業務を淡々とこなすだけの存在なのに、この世界の勝敗に影響することを助言するなんて。
『GF、それはこの世界の「共和国軍」という存在そのものが、ノイズに他ならないからなのです。もうすぐ解ります、彼らの存在は、この世界の存在に、とても厄介な影響を及ぼします」
、、、あの管理人が、自ら考えて知識を与える、それも格下の人間に対し。
これは相当に危ない存在なんだろうな、、、、つまり今現在の戦力比では、俺たちの軍勢は不利だと言う事を指しているんだから。
しかし、一体何がそれほど危険なんだろう、いくら大戦とはいえ、この世界でも大きな戦争はあったろうに。
『そうではないのです。この世界が本来甘んじてはいけない種類の戦いになるという事です。」
今現在の俺には、その危険性は少々理解の限界を超えていた。
それより、実質的な管理人の提案を、俺は関心していたのだ。
「国王陛下、、、いえ、お父様、少しお願いがあります」
ドットスの国王、マッシュは、娘の真剣な表情に、あまり楽しいお願いでは無いことを早々に察した。
「私に軍隊の一部をお預け頂けないでしょうか、そして、私を司令官とした、独立した軍の創設をお許し願えないでしょうか?」
ああ、やっぱりそんな事だろうと、マッシュ国王は思った。
娘がこんな表情をする時、必ず重い提案をしてくるのだ。
世界広しと言えども、どんな我儘な一人娘でも、軍隊を欲しがる娘なんていないだろう。
、、、困った娘を持ったものだ。
しかし、その後に娘が発した言葉に、マッシュ国王は共感を覚える内容であった。
「8万、、いえ、6万5千で大丈夫です、私の軍隊、マキュウェル軍を独立して、フキアエズ軍10万との共闘を命じて欲しいのです」
なるほど、想いの女性から単に軍隊の提供ではエガ王子のプライドが傷付くだろう、しかし、自身が軍隊を率いて、共闘を申し出れば、それは対等な軍指揮官となって共に戦える、という図式か。
これは、国王も無視できない提案だろうな、なにしろ将来、娘の夫となる男の、一大決戦なんだからな。
あとは、エガがそれをどうとらえるか、、、、なんだが。
マキュウェルは、珍しく乙女な想いを管理人妖精相手に聞いて来た。
それは自室のベッドの上で、まるでクマのぬいぐるみ相手に会話する少女のように。
「私には回答困難な事だな、それは。」
、、、、あー、この管理人妖精は、俺以外には敬語も使わない無表情の方の妖精だからな、こんな時、マキュウェル側の方の妖精がシズだったらって思うのだが、今更何だがな。
「もう、妖精さんは酷いのね、こんな時くらい慰《なぐさ》めなさいよ」
「私は妖精、慰めるのは任務外だ」
本当に噛み合わないな、、、と思っていたが、案外、この二人の会話はこの仏頂面の管理人妖精のおかげで紋々とした時間を発散させているようだった。
、、、現世にもあったな、こんな回答しかしてこないコンピュータって。
「でね、エガったら、なんだかよそよそしいのよね、、、、力になってあげたいんだけどな、、、(ムギュー)」
なんだ?、ムギューって、、、、ああ、本当にぬいぐるみのように管理人を抱きしめているよ、、、あああ、管理人、顔が真っ青だぞ、呼吸、大丈夫か?
「、、、、私ね、今、悩んでいることがあるの、、、これをしたらエガは喜ぶと思う?、それともプライドを傷付けてしまうかしら」
どうやらマキュウェルは、エガのフキアエズ軍に、無償で自軍の一部を提供することを考えていたようだった。
「いや、それは止めた方がいいと思うぞ、むしろ、、、、」
珍しく、管理人がこの世界の人間に助言をしている。
これはとても違和感を感じた、普段なら、彼は管理業務を淡々とこなすだけの存在なのに、この世界の勝敗に影響することを助言するなんて。
『GF、それはこの世界の「共和国軍」という存在そのものが、ノイズに他ならないからなのです。もうすぐ解ります、彼らの存在は、この世界の存在に、とても厄介な影響を及ぼします」
、、、あの管理人が、自ら考えて知識を与える、それも格下の人間に対し。
これは相当に危ない存在なんだろうな、、、、つまり今現在の戦力比では、俺たちの軍勢は不利だと言う事を指しているんだから。
しかし、一体何がそれほど危険なんだろう、いくら大戦とはいえ、この世界でも大きな戦争はあったろうに。
『そうではないのです。この世界が本来甘んじてはいけない種類の戦いになるという事です。」
今現在の俺には、その危険性は少々理解の限界を超えていた。
それより、実質的な管理人の提案を、俺は関心していたのだ。
「国王陛下、、、いえ、お父様、少しお願いがあります」
ドットスの国王、マッシュは、娘の真剣な表情に、あまり楽しいお願いでは無いことを早々に察した。
「私に軍隊の一部をお預け頂けないでしょうか、そして、私を司令官とした、独立した軍の創設をお許し願えないでしょうか?」
ああ、やっぱりそんな事だろうと、マッシュ国王は思った。
娘がこんな表情をする時、必ず重い提案をしてくるのだ。
世界広しと言えども、どんな我儘な一人娘でも、軍隊を欲しがる娘なんていないだろう。
、、、困った娘を持ったものだ。
しかし、その後に娘が発した言葉に、マッシュ国王は共感を覚える内容であった。
「8万、、いえ、6万5千で大丈夫です、私の軍隊、マキュウェル軍を独立して、フキアエズ軍10万との共闘を命じて欲しいのです」
なるほど、想いの女性から単に軍隊の提供ではエガ王子のプライドが傷付くだろう、しかし、自身が軍隊を率いて、共闘を申し出れば、それは対等な軍指揮官となって共に戦える、という図式か。
これは、国王も無視できない提案だろうな、なにしろ将来、娘の夫となる男の、一大決戦なんだからな。
あとは、エガがそれをどうとらえるか、、、、なんだが。
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