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マグネラ攻防戦
第194話 もうお嫁に行けなくなりそうです
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「いくら三国同盟の為とはいえ、国王が国民を置いて逃げるなどと言うことが出来るわけなかろう、国政に関しては王子に任せているが、これを承伏する事は出来ん」
そう言われるのも無理はない。
一国の国王が、王子に言われてはい、そうですかと国外に出るわけなどないのだ。
エガは、考えた、考え抜いた、ここで方向性を間違えると、全てが失敗してしまう、それだけは避けなければならない。
あの日、ムスキの後ろからひょっっこりと姿を現した妖精のシズ、よもや妖精が実在するとは思っていなかったが、まさかユウスケ達が妖精を使った通信手段を持っているなどとは思いもよらない事だった。
それ故に、妖精の口からユウスケの声が聞こえた時の衝撃は凄まじい物があった。
ユウスケは、一体何者なんだ、奇抜な戦術といい、特殊な技の数々、そして銃という未知の武器を自由に操る人物、平静を装うエガであっても、実は理解の限界を越えていたのだ。
その挙げ句の、この敵情報、さすがに信じざるを得ない状況だった。
そう回想しているエガは、思考の先に、何か光るものを見つけたような気がした、そう、何か妙案が、、、、。
「そうか、私がそう感じたのなら、国王陛下も同じ事をお考えになるのではないか!」
エガは、そうつぶやくと、国王陛下に一礼して、そそくさとその場を去ると、従者に大声でムスキ・アイラベルを至急呼ぶよう伝えた。
ムスキは一体何が起こっているのかが理解出来ないまま、借りてきた猫のようになりながら、王子の自室前に連れてこられていた。
「ああ、私の自室に引き入れた後に、今度は王子の部屋に私一人で、、、もうお嫁に行けなくなりそうです、ベナル兄様」
ムスキは王子の用事が一体何なのかが解らないながらも、それがあまり楽しい話では無いことを察していた。
「ムスキ・アイラベル、失礼します、、、」
ムスキがエガの部屋に入ると、エガはもう待ちかねたようにムスキを迎入れ、ソファーに座らせた。
「ムスキ、お願いがあるんだ、これはどうしても聞いてもらいたい」
ああ、やっぱり、、とムスキは嫌な予感が当たっていることを、その場の空気で察するのには十分であった。
「ムスキ、ユウスケ殿からあった件、国王に話してみたが、まるで埒があかない、そこで父上を説得する方法を思いついたのだが、ここは一つ、ユウスケ殿に国王を説得してもらうのが一番良いのではないかとおもうのだが、、、」
ユウスケはここにいない、、、、それはつまり妖精フォンを国王に見せる事を意味していた。
「いえ、さすがに妖精さんを国王陛下にご覧になったら、それは驚かれると思いますが、、、」
「ムスキ、私も当初そのように考えていた、しかし、同じ状況で、なぜ私は君たちの言う、途方もない作戦が正しいと感じたのだろう」
「それは、、、、あ、」
ムスキの頭の中にも、エガと同じ閃きが輝いたのだ。
そう、エガが納得したのなら、国王陛下にも同じ事をすれば良いのではないか、、、と。
そう言われるのも無理はない。
一国の国王が、王子に言われてはい、そうですかと国外に出るわけなどないのだ。
エガは、考えた、考え抜いた、ここで方向性を間違えると、全てが失敗してしまう、それだけは避けなければならない。
あの日、ムスキの後ろからひょっっこりと姿を現した妖精のシズ、よもや妖精が実在するとは思っていなかったが、まさかユウスケ達が妖精を使った通信手段を持っているなどとは思いもよらない事だった。
それ故に、妖精の口からユウスケの声が聞こえた時の衝撃は凄まじい物があった。
ユウスケは、一体何者なんだ、奇抜な戦術といい、特殊な技の数々、そして銃という未知の武器を自由に操る人物、平静を装うエガであっても、実は理解の限界を越えていたのだ。
その挙げ句の、この敵情報、さすがに信じざるを得ない状況だった。
そう回想しているエガは、思考の先に、何か光るものを見つけたような気がした、そう、何か妙案が、、、、。
「そうか、私がそう感じたのなら、国王陛下も同じ事をお考えになるのではないか!」
エガは、そうつぶやくと、国王陛下に一礼して、そそくさとその場を去ると、従者に大声でムスキ・アイラベルを至急呼ぶよう伝えた。
ムスキは一体何が起こっているのかが理解出来ないまま、借りてきた猫のようになりながら、王子の自室前に連れてこられていた。
「ああ、私の自室に引き入れた後に、今度は王子の部屋に私一人で、、、もうお嫁に行けなくなりそうです、ベナル兄様」
ムスキは王子の用事が一体何なのかが解らないながらも、それがあまり楽しい話では無いことを察していた。
「ムスキ・アイラベル、失礼します、、、」
ムスキがエガの部屋に入ると、エガはもう待ちかねたようにムスキを迎入れ、ソファーに座らせた。
「ムスキ、お願いがあるんだ、これはどうしても聞いてもらいたい」
ああ、やっぱり、、とムスキは嫌な予感が当たっていることを、その場の空気で察するのには十分であった。
「ムスキ、ユウスケ殿からあった件、国王に話してみたが、まるで埒があかない、そこで父上を説得する方法を思いついたのだが、ここは一つ、ユウスケ殿に国王を説得してもらうのが一番良いのではないかとおもうのだが、、、」
ユウスケはここにいない、、、、それはつまり妖精フォンを国王に見せる事を意味していた。
「いえ、さすがに妖精さんを国王陛下にご覧になったら、それは驚かれると思いますが、、、」
「ムスキ、私も当初そのように考えていた、しかし、同じ状況で、なぜ私は君たちの言う、途方もない作戦が正しいと感じたのだろう」
「それは、、、、あ、」
ムスキの頭の中にも、エガと同じ閃きが輝いたのだ。
そう、エガが納得したのなら、国王陛下にも同じ事をすれば良いのではないか、、、と。
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