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自称「未来人」との逃避行

第16話 未来の治療

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「お申し出は有り難いのですが、運転は私の方が良いかと思います、私が警戒を担当してしまうと、敵に対して十分な銃撃が出来ません、ここは武器を自由に使用できる雄介様にアドバンテージがありますので」

 あー、なるほど、彼女が銃を乱射して、この時代の人間をうっかり殺してしまえば、、、やばいな、たしかに。

「それでは、傷の応急手当だけでもさせてくれ」

 彼女は、静かにうなずくと、少し血の付いたブラウスも脱ぎ始めた。
 、、、いや、違うって、俺は脱げなんて言ってませんよ、これは純粋なボーナスと言えるのではないでえしょうか、どうでしょうか。

 、、、しかし、彼女の体は理想的なラインだ。

 いや、スポーツ医学的とか、生物学的とか、そういうことではなく、あくまでも「俺の」理想と言う意味ね。

「このスプレーを、傷口にかけてもらえませんか」

 彼女がそう言って差し出してきたスプレーは、現代の物とそれほど違いのないように思えた普通の消毒用スプレーに見えた。
 半信半疑でとりあえず、そのスプレーを傷口にかけてみると、、、、

 あれ、なんだか物凄い勢いで、傷が治っていってない?

「これは未来の治療薬なのか?」

「はい、100年後の未来では再生医療の発達で、大抵の傷はこのような方法で治すことができます。」

 もう、これからもこんな便利グッズが出てくるんだろうな。

「そうか、安心した、私が撃たれた時も、それで頼む」

「はい、それでは後ほど」

 あれ、でも、大丈夫?、未来のアイテムで俺を治したら、宇宙、崩壊しちゃわない?
 、、、なんて思っていると、彼女は次に、タイトなスカートまで脱ぎだすではないか。
 いや、だから違うって、脱げとか命じてないって、う、うわー、すげーなこのシチュエーション、大丈夫か、俺。

「こらこら、さすがに男性の前で、無防備ではないか、恥ずかしくはないのか」

 一瞬、何を言っているのかが理解出来ていない様子であったが、彼女は少しづつ、このシチュエーションに気付いたらしく、

「失礼しました!私ったら、GFの前でなんて姿を。」

 やはり、なんと言うか、ジェネレーションギャップ、、なのか?100年分の。
 どうも時々噛み合っていない気がするんだよな。

「本当に失礼しましたGF、100年後の未来では、男性と接触する機会がとても少ないもので」

 えー、男女は別々で生活している、みたいな感じ?そこだけ戦時中の国民学校みたいになっちゃうの?

「、、、、未来で、一体なにがあった?」

「、、、、いえ、これもあまりお話すると、タイムパラドクスに影響しますので、、。」

「かまわぬから、話してみなさい」

 彼女が言うには、100年後の未来では、男性は極端に希少種となっているようだ。
 実は、この現代においても、人間の遺伝子は男性のものだけ、既に異常変化をしているらしい。
 それが顕著に表れるのは、まだ何年か先の事とのことだった。

 この奇病は、男性の遺伝子が壊れてしまい、もはや2~300年程度で、男性が完全に生まれなくなる染色体異常が起こっているらしい。
 そのため、男性の保護政策が取られ、未来の男性はモテモテと言うわけだ。

 なんとも羨ましい世界だ。
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