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次に戻った者は………

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 サイファは、シヴァに阿修羅を突き刺した。
 しかし、光もしない………。

「!!!…………な、何で!!」
「シヴァ様!!」

 ソロはその場に座り込む。
 
「………どうして………ソロは出来たじゃん!まだ俺が力不足だって事か?……なぁ!」

 ソロ以外にもそれを見ていた者は、泣き崩れる。

「シヴァ様~!!」
「どうしてですか、サイファ様!!」
「俺が分かるかよ!!」
「………カーネリアン様!!」

 ソロが思いついたように祖母の名前を呼ぶ。

「サイファ様!カーネリアン様を刺して下さい!!カーネリアン様はカムラの能力に精通されておられます!もしカーネリアン様が戻せたなら、原因は分かるかもしれません!」
「………で、でも…………もしまた出来なかったら?」

 サイファも自信を失くしてしまったようだった。

「私と同様、魔の影響がシヴァ様と違うかもしれません!この頃はシヴァ様しか能力が無かったのですから、シヴァ様が狙われるのは当然。周囲に居た私が戻ったのです、カーネリアン様も戻せるかもしれません!」
「…………分かった、やってみる。」

 再度、阿修羅を構え、呪文を唱えるサイファ。
 阿修羅が光り、サイファに能力が逆流し、体内に力が漲る。

「…………我唱える。この者を浄化せよ!」

 カーネリアンの身体が光りを帯びた。

「!!!」

 眩しいぐらいに光が放たれ、石が溶けていく。

「カーネリアン様!!!」

 ドサッ。

 サイファが咄嗟に抱き抱えた。
 この人がサイファの祖母……。

「………ばあちゃん……。」
「……………誰…………です?わたくしを…………ばあちゃんだなどと言ったのは………。」
「カーネリアン様!!大丈夫ですか!!サイファ様が、助けて下さいましたよ!!」
「………サイファ………?サイファはまだ産まれたばかり…………!!!」

 カーネリアンは事の顛末をまだ理解出来ていない。
 だが、抱き抱えている人物の顔を見た途端、意識がはっきりしたようだ。

「………ばあちゃん……。俺、サイファだよ。」
「……………な、何でこんなに大きいの?わたくしの可愛い孫なの?…………貴方。」
「カーネリアン様、石にされて16年経ちました。」
「……………な、何ですって!!16年!!シヴァは何処!!シ…………シヴァ………、ジュリアナ…………あぁぁ…………。わたくし等より何故この子達を………。」

 カーネリアンは、サイファの胸で泣き崩れた。

「…………ごめん、ばあちゃん……出来なかったんだ。俺じゃまだ力不足みたいで………。」
「!!!サイファ!!あぁ、ごめんなさい、責めてる訳じゃないの!!……ソロ、どうやって戻ったのです?わたくし。」
「サイファ様の能力です。阿修羅を突き刺して。先程シヴァ様に試しましたが、戻せなくて………。」
「…………分かりました、分析しましょう。わたくしのラボはそのまま残ってる?わたくしがまとっていた石をラボに運んで頂戴。直ぐに取り掛かります。…………あ、あら。」

 カーネリアンが立とうとしたが、16年の歳月が体力を奪っていた。

「………ばあちゃん、背中に乗って、運ぶから。」
「まぁまぁまぁまぁ……何て優しいの!馬鹿息子と大違い!!」
「…………ば、馬鹿息子………。」
「勿論、貴方のお父様ですわ。」

 カーネリアンは健在だった。
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