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再会

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 約2週間振りに、マシュリーは両親と再会を喜んだ。

「お父様、お母様!ご無事で良かった!」

 応接室でマシュリーはジェルバ国王と王妃に再会する。ルカスも同席し、ジェルバ国で起きた事や、移住に関してもマシュリーに説明した。

「自治区には行かれました?」
「いや、先ずは其方の顔を見ようとな………荷は其方に運んでもらっている筈だ。」
「旅でお疲れでしょう………知事の屋敷は完成はしている筈なのですが、2、3日城でゆっくりなさって下さい。私の両親も国王と王妃に会いたい筈なので」
「私も、ルカス殿の父上にお会いしなければな………」

 幾分疲れが見えるが、元気そうな表情に安心するマシュリー。

「マシュリー………貴女のドレスはモルディア風ね……よく似合っているわ」
「ありがとうございます、お母様」
「可愛いわ」

 コンコン。

『失礼致します………陛下と皇妃様がおみえになりました』
「父上達には、こちらに来てもらったんです………謁見の間では、同等に話せないと思っているので………………入ってもらってくれ」

 レナードの声が廊下から聞こえ、皇帝と皇妃が入室する。お互いの顔を見て会釈と握手をする2人の王。

「ようこそ、ジェルバ国王、王妃」
「初めまして………こちらこそ、皇太子ルカス殿には大変世話になり、モルディア皇国のご配慮、感謝致します」
「…………どうぞ、お掛け下さい」
「ありがとうございます」

 椅子に座り向かい合う、両国の責任者。マシュリーもジェルバ国王の隣に座った。

「ルカス………報告を」
「はい……父上の思惑通りに、ツェツェリア族の宝石を武器に……そして、希少の瞳を持つ者は、良くて愛妾、若しくは娼館行きにしていた様でした………アガルタは分かりませんが、恐らく同じかと………ジェルバ国王のも要求してきましたが、代行してきました……黒目なので、コルセアは引きましたが」
「…………ジェルバ国には兵力は置いて来たのだな?」
「はい、勿論……コルセア対応にはマークを暫く置いていきました……多分、コルセアの使者がまた直ぐに来ると思いますので、兵の増員をしてあります………序でと言ってはなんですが、と、噂が流れる様にしてきました。あの地に居るのはモルディア皇国の兵士ばかり、たかが使者如きに殺られる兵達ではありませんから、暫くは誤魔化せられるかと………使者からコルセア王都迄の連絡は、途絶えさせますよ」
「…………うむ、時間は稼げるな」
「でしょう?噂だけでいいのです………ご本人は安全なモルディアー二の街で、不便な事もあるかもしれませんが、ツェツェリア族をまとめて頂ければ良い……」
「本当に、我々はモルディア皇国に助けられたのですな…………ここ迄来る迄、半信半疑で…………」
「お父様、自治区の街並みも見て参りましたが、素敵な街でしたのよ」
「……………そうか………楽しみだ……」

 皇帝とルカスはその後の、ジェルバ国王の知事としての役割や、和平締結を約束するという書面を確認させる。

「締結は、臣下も含め………自治区での生活を暫しして頂いてからで構いません…………だが、モルディア皇国の皇帝として、そして皇太子ルカスの父として、貴方と奥方にお願い申し上げたい事が………」
「何でしょう?」
「貴方方の娘、マシュリー王女を次期皇妃にしたいのです………それは、皇太子ルカスの妃に、という事………マシュリー王女と話をし、私も皇妃も彼女を気に入りましてな……」
「………種族が違うのは、気になりませんか?」
「…………民達は、異種族でも結婚した者もおります………その道標になる、と皇太子は言いました……それに、息子はマシュリー王女に惚れておりましてな………先日、婚約内定していた令嬢と破断させたぐらいでしてな」
「婚約者が居たのかね?ルカス殿」

 驚くジェルバ国王や王妃は驚いていた。マシュリーも婚約者が居たのは聞いてはいたが、その後の話は聞かされていない。

「えぇ、もう破棄してますからご安心を」
「…………だ、大丈夫なのですか?そのお相手の方は納得されているのですかな?」
「はい………間に、愛情の欠片も元々無かった、利害関係の令嬢でしたし……私は生涯愛せる相手が居ないと思って決めた相手でしたから婚約しましたけど、マシュリーに出会い、早々に婚約破棄をしました」
「…………マシュリーは良いのだな?」
「………………」

 マシュリーは黙って頷いた。言葉にするとルカスに抱き着かれる気もしたからだった。まだマシュリーはルカスの思いに追い付いていないのだ。御託を並べると、2倍3倍に答えられそうで、照れ殺しになってしまうのが分かっている。

「マシュリー!良いんだな?俺の妻になるの、了承するんだな?」

 だが、それでもマシュリーに抱き着きに、席を立つルカス。皇帝や皇妃の前で、流石にマシュリーは逃げれなかった。
 
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