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【番外】スケベな中年男会
しおりを挟む数日後、バー白河に中年には見えないが、年齢的に中年な男達が集まった。
「何なんだよ、彬良。せっかくの休みに呼び出してよ」
「お前達に如何かな、と思ってよ」
彬良の他に、航、裕司、律也が飲みに来ていた。航と律也は元々、航が仕事休みの日に飲みに行く約束をしていたのもあり、都合がいいと思って、彬良は呼び出したのだ。
「何かくれるのか?」
バーの個室のテーブル中央に紙袋を彬良は置いていた。裕司はその袋の中を覗く。
「うおっ!何だ!如何したこんなに!」
裕司が1つ箱を取り出し、航や律也にも見えた。
「彬良さん、その趣味が?」
律也の目が輝く。
「…………俺が使うのは大抵、バイブやローター、ローションぐらいだぜ?あとアナルビーズはいい反応したな……」
「彬良………てめぇいつからその趣味に走った……」
航には刺激が強そうだ。
「…………なぁ、コレ何だ?」
裕司が興味深々でいろいろ紙袋から出しまくり、気になった物を彬良に聞いて来た。
「あ……それは……何だ?」
「あぁ、それ……エネマグラだね」
「何だ?それ」
律也が詳しそうなのは裕司から聞いてはいたが、知っていそうで3人は律也に注目する。
「男に使うアダルトグッズだ。ケツに入れて前立腺を刺激する………あぁ、これとこれ……こっちも男用だな」
「…………これは何に?」
「コックリング?嵌めて出すのを我慢させる」
「律也………お前何で詳しいんだ?」
「知識あるだけさ」
嘘だ、と彬良と裕司は気が付いているが、航は全く律也の趣味は分からない。
「で、でも彬良、これ如何したんだよ」
「この前、玩具会社のイベントが好評でな、貰ったんだよ………勿論、全部新品。俺等が使う分は持ってったが、ハードなもんや分からんもんは使いたくない、て言って処分も勿体無いかな、と」
「あ、これ欲しいな」
「何!律也!てめぇ羽美に使うんじゃねぇだろうな!」
「他に誰と使うんだよ」
律也が持ったのはぺ○スサックだった。
―――え?コレ使うのか?
「羽美は了承してんのか!」
「航、他所の夫婦間の性生活を例え兄だろうと、羽美が教えるとでも?俺も羽美との性生活はシークレットにしたいね」
「律也………てめぇ……」
「航、別にお前が止めさせるなんて出来ねぇんだから……律也と羽美が納得するかしないかだろ」
「裕司君、いい事言うね、まさにその通り……航はアダルトグッズ使った事が無いのか?」
航は、食い入る様に見ていたが、見たくなくなったのか、ソファにふんぞり返る。
「使った事ねぇよ!これからも使う気はねぇ!」
「俺は貰ってこっかな……ローションと……電マにしよっと」
「裕司君、その電マならこっちもオススメ………先細いからピンスポットで入れられるし」
「おぉ………彬良いいか?」
「あ、あぁ………持ってけよ、俺は要らねぇし」
律也は、1つずつ説明付きで話して行く度に、航が不機嫌になっていた。
「航には酷だったな……」
「放っとけよ、航は羽美に使われてる方が絶対にショックなんだぜ、きっと」
「…………絶対に、羽美と別れて貰うからな!律也!」
「シングルマザーにさせる気はないぞ、航………それに、あれ程戸籍に傷付けるな、て豪語したのは航じゃないか」
「……………だぁぁぁぁぁっ!」
航はハイボールを一気飲みし始め、現実逃避しようとしている。それを裕司が止めに入るが、彬良は宥めた。
「おい!航!一気すんな!」
「1杯目で航はなるかよ……コイツ蟒蛇だぞ」
「それはそうだが」
幾つか裕司と律也は持っていくが、航は頑なに持って行こうとはせず、酒を飲むだけだ。
「余ったな………捨てるのもな……」
「ネットで売ったらいいじゃん、フリマサイト」
裕司がアドバイスするが、彬良は難色を示す。
「事情書かなきゃならねぇじゃん………貰いもんだけど使わないから、て書くだけだろうが、量多いし、面倒だし売れないのも嫌じゃね?」
「なら、SM系のショップに流したらいいんじゃないかな」
「………あぁ……裕司、知り合い居るって言ってたよな」
律也はその辺り詳しいからか、的確にアドバイスをしてくれる。
「………聞いてみてもいいが、如何だろな」
「貰ってくれると思う。男女それぞれのグッズあるし……特にSMバーにはもってこいのグッズ多いしね……コレなんて喜ばれるよ」
「何だ?この細い棒………バイブ?」
裕司が箱の中にある細い棒を覗く。
「ブジーさ………先から入れる」
「うえっ!想像しちまったじゃねぇか!」
「…………俺も……絶対にヤダぞ!そんなもんは」
「俺もごめんだね………M気質の男用」
律也がジェスチャーを踏まえて説明し、裕司が想像して発した言葉で、彬良も想像してしまう。
この話から律也はS気質だと知り、彬良も航程ではないが、羽美は大丈夫なのか、とは思ったが、律也が言った、夫婦間の性生活に口出しする事は第三者が出来るとは思えない。羽美が納得しているなら尚更だった。
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