49 / 64
逃走
しおりを挟むデニス達がノエルの姿が確認出来なくなって直ぐ、ノエルから緊急発進を受け取る。
『不味い、バレてるのか!』
『ノエルなら捕まっても逃げれると思いますが、今回は人質が!』
『各自持ち場待機を!チャンスを見逃すな!』
(あそこから、庭に出れそうだな。庭に出たらアウトだが、仕方ないもしもの時は木に……。)
隙を見つけて木に登るノエル。
(ここで、暫く体力回復するか。)
『おい、紅龍!お前も手伝え!』
『何で俺が?逃したの蒼龍だろ?』
先程、ノエルを逃した蒼龍は必死になり探していた。
『………お前の研究材料になる奴なんだ。あいつは能力者だ!壁をすり抜けた!』
『…………へぇ……解剖して楽しめるじゃないか。』
『あいつは、初夜の時に必要だ。研究材料には直ぐにはならんが、解剖したければ手伝え!』
『仕方ない、やるか。』
『そういえば黄龍の姿が見ないな。お前は見たか?』
『……………あんなつまらん男には興味ない。』
『チっ!!またあの女ん所か!!』
『………さぁな。』
2人はバラけて、ノエル探しを再会させた。
(黄龍?…………まさか、そいつが協力してくれるのか?会うのが先だな。)
『捕虜が逃げ出した?』
黄龍は自室に居た。
部下に悟られないよう、部屋の中を隠すように扉から、中に入れない黄龍。
『蒼龍様が逃したようで、何でも壁をすり抜ける能力があるとか。』
『……………へぇ、面白い奴だな。分かった俺も行こう。』
ドアを締め、隠したかった物を片付ける。
沢山の鉱物とジュエリー。
そう、黄龍が琥珀の息子だという証明。
翡翠だけでなく黄龍も能力者。
それを紫は、龍昇に悟られないよう、23年黄龍を育ててきたのだ。
(…………姉さんを助けに来たか。これで俺も動ける。壁をすり抜けたのなら、壁づたいに出る事も可能。地下牢から真っ直ぐ進むなら北西の庭辺り。間に合うか?闇雲に動けるとは思えない。こっちから行った方がいいな。)
黄龍は、銃を持ち北西に向かう。
(銃は放てない。あいつらが来るからな。だがどうやって俺が弟だと伝わる?)
部屋の曲がり角に差し掛かった時、黄龍は紫と会う。
『何、騒がしいのだけど……。』
『………捕虜が逃げ出した、てさ。壁をすり抜けて。』
『!!!……………う、嘘!』
『ホントらしいよ、蒼龍が取り逃がしたぐらいだし。』
『…………そうじゃないのよ。そうじゃ……。』
(まさか、神谷さんが居るの?)
紫は高揚感を漂わせる。
『母さん?』
『………その捕虜、日本人?それともイギリス人に見える?』
『知らないよ、見てないし。…………あ、イギリス人は空港で見たな。』
『…………!!!まさか!!!』
(ノエル君?あの子が居る?)
『母さん?』
『黄、蒼龍と紅龍より早く見つけるの!あの子の力があいつらに奪われないようにしなきゃ!』
『…………分かった任せて。』
黄龍が走り去った姿を見届けると、紫は壁にもたれる。
(ノエル君も来た?貴女達、出会ったのね……。)
北西の庭周辺に来た黄龍。
『居るんだろ?まだ壁に居るのか?』
(………さっきの奴らと似てるが……。)
『………………返事無いなら花嫁貰うぞ?』
ガサッ
『翡翠は誰にもやらない。俺の女だ。』
これはノエルの感、彼は違う、と。
『……俺は黄。………俺の目的は李家の壊滅。協力してくれる?』
『翡翠を助け出せるなら協力する。』
『自信あるんだなぁ、それは壁をすり抜けた力があるから?』
『そんなので自信なんか持つか。俺は俺のやるべき事をやるのみ。』
『…………じゃあ一網打尽に出来る方法を考えたんだが、やる?やらない?』
『どんなのだ?』
『もう一回捕まってもらえるかな?その代わり、怪我させちゃうけどね。』
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる