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見られた!!
しおりを挟むNEO EARTH-翡翠の自室
翡翠は自室の奥の1部の部屋を、内側から鍵が掛かるようにしてあり、その部屋に入ると必ず内側から鍵を掛ける。
決して外からは開かない。
彼女がプライベートデザインを描く時は、この部屋に篭り、完成品が出来る商迄、決してスタッフ誰一人として見せないようにしている。
「今日はこれを作るかな。」
幾つか、デザインを並べ候補を選ぶ。
そして、その部屋の更に奥にある金庫のドアのロックを解除し、原石やカット済みの石を選んだ。
彼女がオリジナルデザインのジュエリーを作る石達は、バイヤーから買い付けた石の中から、幾つか厳選しオリジナルを作っている。
NEO EARTH自体のデザインは、スタッフと協議しながら作る事もあるが、NEO EARTHの中のシリーズで、[Hisui]というシリーズと[kohaku]というシリーズがあり、この2つは翡翠の完全オリジナルデザインでスタッフに誰一人と携わせない物だった。
彼女の出世作である、ブランド名にもなっている[NEO EARTH]は12個の誕生石を球体の土台に埋めた物で、石の止爪の難易度、色合いの並び、光の入り具合が絶妙で、他と群を抜き満場一致で、優秀賞を取った処女作だった。
これは、翡翠しか作れないと、スタッフも匙を投げた程。
技術を盗もうと、何人ものスタッフも見てきたが、バランスが悪かったり爪が甘かったり、熟練職人も一目置くほどの出来なのだ。
これが発表するや否や、またたく間に翡翠は自社ビルとオリジナルブランドを持つまでとなる。
「さて、石のサイズと重さを測って、と。」
彼女が1つずつ、石を手に包む。
すると、手から出た石はカットされて彼女の手から転がり落ちる。
一つまた一つと………多種多様の素材の違う石が同じ形で落ちるのだ。
12個12ヶ月の誕生石と呼ばれる石。
「ふぅ…………。ここからが肝心。練習は上手くいったから大丈夫。出来る。絶対に出来る。」
翡翠はアジャスター付きのプラチナチェーンと、プラチナの塊をまた手に取ると、また違う球体の土台を作り出す。
そして、1つずつ石を土台にはめては手に包み込んでいって、12回繰り返すのだ。
1つずつ、付け終わる時間も違えば、集中力も疲労度も半端ないようだ。
数分のもあれば、何十分のもあった。
そして…。
「………………お、終わった……。完成!やったぁ!!!」
しかし、余韻に浸ろうとしたその時。
「そうか、君は特殊能力者だったのか。」
「!!!!」
声が聞こえる方へ振り向く翡翠。
そこに居たのは、昼に会ったノエルだった。
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