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発表しようかな

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 シヴァはその後、暫くして城内から出た。
 見送る事も、まだ隠さなければならない関係。
 婚約者と言っても、知っているのはごく僅か。
 好きにならない、好きな人でもない、とお互い思っていた婚約者なのに、好きになった。
 好きになってなかったら、18歳になっても家出を続けていたかもしれない……。
 発表したらどうなるのか……。

「リーナ、イリア、今お兄様は何方に居るかしら?あとお父様とも会いたいんだけど……。」
「確認してまいります。」
「お願い。」

 自室の部屋で読書をしようとしても、気が散って仕方ないジュリアナ。
 気が散ってしまう事があると、全く頭に入らないのだ。
 こう待っている時間も勿体無いぐらいだった。

 コンコン。

「………はい。」
「姉様、今いい?」
「キール……どうしたの?」

 12歳の末王子、キール。
 彼も、姉ジュリアナが婚約者が居て、18歳になったら結婚する事を知らない。
 
「………姉様、結婚話出てるの?」
「何で?誰かから聞いた?」
「先日、宰相達が姉様に結婚話して騒ぎになった、て侍女から。」
「……あぁ……アレかぁ……。」

 苦笑いするジュリアナに、キールは真剣な顔をする。

「姉様、本当なの?」
「結婚話は出たけど、結婚は18歳迄は無いわよ。ただ、婚約者は居るかな……。宰相達は知らないけど。」
「………婚約者?………いつから!」

 キールは驚きを隠せない。

「15歳の時に、お父様から相手を知らされたのよ。」
「………その人と会ったの?」
「…………会ってるわ………出会ってから好きになった人よ。」

 ジュリアナの頬が赤い。
 それがキールには面白くなかったのか、

「…………その人がロートシルトの王になるの?」
「ならないわ、王になるのはお兄様よ。………婚約者の方は別の国の王子様よ。」
「…………ね、姉様、ロートシルトの能力あるんじゃ……。」
「私は無いの。能力の継承者はお兄様だったわ。だから私はロートシルトの女王にならない。」
「…………姉様………。」

 コンコン。

「ジュリアナ様。陛下とアレクセイ様、お時間を空けて頂けるそうです。今からなら大丈夫だそうですよ。」
「ホント?じゃ行こうかな、キールも時間あるなら一緒に話を聞いて。」

 ジュリアナはキールの手を取って、引っ張る。

 
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