31 / 59
恋愛開始
スケベな中年男会
しおりを挟むバー白河に中年には見えないが、年齢的に中年な男達が集まった。
裕司、航、律也、彬良、この4人がどんな話になるのかは、裕司の考えで店のスタッフにも聞かせる気はなく、裕司は個室に押し込んだ。
「何なんだよ、彬良。せっかくの休みに呼び出してよ」
「お前達に如何かな、と思ってよ」
航が律也と飲む約束をしていたので、彬良が裕司迄誘い出した飲み会。航は不服そうにするどころか、少し嬉しそうだ。
裕司も航や彬良の3人で会うのも久々なので、航もそうだと思われる。
「何かくれるのか?」
バーの個室のテーブル中央に紙袋を彬良は置いていた。裕司はその袋の中を覗いた。
「うおっ!何だ!如何したこんなに!」
裕司が1つ箱を取り出し、航や律也にも見えた。
「彬良さん、その趣味が?」
律也の目が輝く。
「…………俺が使うのは大抵、バイブやローター、ローションぐらいだぜ?あとアナルビーズはいい反応したな……」
「彬良………てめぇいつからその趣味に走った……」
航には刺激が強そうだ。
「…………なぁ、コレ何だ?」
裕司が興味深々でいろいろ紙袋から出しまくり、気になった物を彬良に聞いて来た。
「あ……それは……何だ?」
「あぁ、それ……エネマグラだね」
「何だ?それ」
律也が詳しそうなのは裕司は知ってはいたが、3人は律也に注目する。
「男に使うアダルトグッズだ。ケツに入れて前立腺を刺激する………あぁ、これとこれ……こっちも男用だな」
「…………これは何に?」
「コックリング?嵌めて出すのを我慢させる」
「律也………お前何で詳しいんだ?」
「知識あるだけさ」
嘘だ、と彬良と裕司は気が付いているが、航は全く律也の趣味は分からない。
「で、でも彬良、これ如何したんだよ」
「この前、玩具会社のイベントが好評でな、貰ったんだよ………勿論、全部新品。俺等が使う分は持ってったが、ハードなもんや分からんもんは使いたくない、て言って処分も勿体無いかな、と」
「あ、これ欲しいな」
「何!律也!てめぇ羽美に使うんじゃねぇだろうな!」
「他に誰と使うんだよ」
律也が持ったのはぺ○スサックだった。
―――え?コレ使うのか?
「羽美は了承してんのか!」
「航、他所の夫婦間の性生活を例え兄だろうと、羽美が教えるとでも?俺も羽美との性生活はシークレットにしたいね」
「律也………てめぇ……」
「航、別にお前が止めさせるなんて出来ねぇんだから……律也と羽美が納得するかしないかだろ」
「裕司君、いい事言うね、まさにその通り……航はアダルトグッズ使った事が無いのか?」
航は、食い入る様に見ていたが、見たくなくなったのか、ソファにふんぞり返る。
「使った事ねぇよ!これからも使う気はねぇ!」
―――コイツは硬派だったからな
航は根本的に生真面目な男だから、受け入れるのは難しいだろう、と裕司は見ていた。
「俺は貰ってこっかな……ローションと……電マにしよっと」
―――ローションは使った事あるし、紗耶香も抵抗無かったからな……電マは………見せるだけで終わりそ……
「裕司君、その電マならこっちもオススメ………先細いからピンスポットで入れられるし」
「おぉ………彬良いいか?」
―――え?コレも電マ?
あまりにも律也が詳しくて、律也に引き気味の裕司。それでも多少の興味が勝り、貰ってしまった。
「あ、あぁ………持ってけよ、俺は要らねぇし」
律也は、1つずつ説明付きで話して行く度に、航が不機嫌になっていた。
「航には酷だったな……」
「放っとけよ、航は羽美に使われてる方が絶対にショックなんだぜ、きっと」
「…………絶対に、羽美と別れて貰うからな!律也!」
「シングルマザーにさせる気はないぞ、航………それに、あれ程戸籍に傷付けるな、て豪語したのは航じゃないか」
「……………だぁぁぁぁぁっ!」
航はハイボールを一気飲みし始め、現実逃避しようとしている。それを裕司が止めに入るが、彬良は宥めた。
「おい!航!一気すんな!」
「1杯目で航はなるかよ……コイツ蟒蛇だぞ」
「それはそうだが」
幾つか裕司と律也は持っていくが、航は頑なに持って行こうとはせず、酒を飲むだけだ。
「余ったな………捨てるのもな……」
「ネットで売ったらいいじゃん、フリマサイト」
裕司がアドバイスするが、彬良は難色を示す。
「事情書かなきゃならねぇじゃん………貰いもんだけど使わないから、て書くだけだろうが、量多いし、面倒だし売れないのも嫌じゃね?」
「なら、SM系のショップに流したらいいんじゃないかな」
「………あぁ……裕司、知り合い居るって言ってたよな」
律也はその辺り詳しいからか、的確にアドバイスをしてくれる。
「………聞いてみてもいいが、如何だろな」
「貰ってくれると思う。男女それぞれのグッズあるし……特にSMバーにはもってこいのグッズ多いしね……コレなんて喜ばれるよ」
「何だ?この細い棒………バイブ?」
裕司が箱の中にある細い棒を覗く。
「ブジーさ………先から入れる」
「うえっ!想像しちまったじゃねぇか!」
「…………俺も……絶対にヤダぞ!そんなもんは」
「俺もごめんだね………M気質の男用」
律也がジェスチャーを踏まえて説明し、裕司が想像して発した言葉で、彬良も想像してしまう。
裕司や彬良には、不必要な代物だった。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
続・上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。
会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。
☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。
「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる