上 下
24 / 59
恋愛開始

やっと触れて触れられて♡

しおりを挟む

 裕司の手が、紗耶香の腰を探る。

「っ!」
「………如何する?返事無ぇが」

 紗耶香のブラウスをスカートの中からスルスルと引き上げている、裕司の手。
 紗耶香には紗耶香なりの始めてのセックスのシュチュエーションを夢見た事もあった。それとは違うがドキドキと鼓動が早まっていく。

「…………せ、背中は……見ないで……」
「………あぁ……後は?シて欲しい事あったら言えよ」
「っ!………わ、分かんない………けど……いっぱい………キス欲しい……」
「了解」
「!」

 腰を抱き寄せられ、ブラウスに手を掛けていた手は、ブラウスの中に滑り込む。

「倒れて来い………キスしたいんだろ?」

 体重を裕司に掛け、胸に倒れていく紗耶香は、裕司と目が合い、唇を重ねた。

「んっんっ!」

 キス中、触られた事がない紗耶香の身体。肌に触れる裕司の手は、背中に回されるが、ブラジャーのホックを外しただけで、背中の肌には触れられてはいない。
 一瞬、ビクッとする身体が緊張をしているようだ。
 ブラウスの中で、開放的になった胸が揺れる。緩く中途半端に脱がされたブラジャーが邪魔なのか、胸の上に上げられ、大きな裕司の手が胸を包む。

「んっ……はぁ……」

 唇が裕司と離れ、銀糸が引くと距離が離れる前にプツッと切れた。

「いい弾力だな……」
「っ!」

 直に見られてはいないのに恥ずかしい紗耶香は照れて裕司から目を反らした。

「………煽るなよ」
「あ、煽ってないよ!」

 照れてる顔が煽る事になるとは、紗耶香は分かっていない。もっと、煽られたくて裕司の指は紗耶香の胸の蕾を引っ掻いた。

「あっんっ」
「声、我慢しなくていいからな、紗耶香」
「な……か……変な声……出ちゃ……」

 紗耶香もこれが喘ぎ声だと、分かってはいるのだが、何故出てしまうのか、出ている女がおかしいのでは、と思った事はある。自分は出すまいと思っているのに、自分もそれが出るとは思わなかった。

「聞かせろよ、紗耶香……もっと俺を煽れ」

 下から見上げる様に喘ぐ紗耶香を見れて嬉しそうな裕司。ギラギラとした目は、紗耶香の変化を逃すまいと、目を離さない。
 隙あらば、舐めてあげたい胸を晒す為に見逃したくないという目だった。

「恥ずかし………」
「知ってんだろ?………覗き見して……」
「っ!………思い出さ……せな……で……」

 思い出してはいたが、それは全て相手は裕司と数多い女達だ。

「あぁ………嫉妬するから?」
「っ!」
「忘れさせてやるよ」
「あっ!」

 ブラウスを捲られる。ふるん、と揺れた胸が裕司の目に晒された。

「………このピンクに触れる権利は俺だけだな……」
「っんっふっ!」

 両手で蕾を人差し指と中指で挟み、親指の腹で転がされる。どちらの胸も力加減が絶妙で、強くもなく痛さを感じない程の扱きに、紗耶香は蕩けた顔になっている。

「エロい顔……」

 裕司が身体を起こし、紗耶香を反転させる。

「どんな味がする?紗耶香」
「し……ら……な………ああっんあ、ああっ」

 裕司の口に含まれた蕾は甘噛みされ、甘い声も益々溢れてきて止まらない。
 その声がもっと聞きたい裕司は紗耶香のスカートのホックを外す。

「!」
「…………触るぞ」
「っ!………んっ……」

 小さい返事を返すのが精一杯の紗耶香の下着に手を掛ける裕司は、そのまま直に手を滑り込ませた。
 始めての経験の紗耶香に、愛撫を時間を掛けてやりたいような、強引に押し込みたいような逸る気持ちが混在する裕司。
 秘唇に沿い、指が擦られる紗耶香。もう、紗耶香の腹はキュンキュンと疼くのもずっと続いていた。濡れているのだろうか、等紗耶香は思ったが、ねとッとした滑りの良い秘唇の感覚が、紗耶香に伝わる。

「っんッ!」
「…………分かるか?濡れてるの」
「……………ぅ……ん………擦っちゃ……」
「擦るだけじゃないぞ?解して………広げて………な……」
「っ!」

 想像させられてしまった。触れられた場所に裕司が入るのだ。裕司の身体は見た事は無いのだが、裕司の上や下で狂うように喘ぐ女とのセックス場面をみてしまっている紗耶香は裕司は激しいに違いないと思っている。

「そうだ………想像しろよ………もう俺のはだ」
「!」
「脱がすぞ?紗耶香」

 紗耶香の手に触れさせた裕司の杭が、握られた。
 如何して、裕司は紗耶香に想像させるのか。それは裕司しか知り得ないが、紗耶香の記憶の中での裕司のセックスはであったのだ。全くの真逆の裕司に戸惑いを感じた紗耶香。過去の女達の様に抱かれたいとは思わないが、違い過ぎて何故か分からない恐怖が芽生えてしまう。
 そう思った途端、火照った身体が凍り付く紗耶香。
 下着が完全に脱がされ、裕司が紗耶香を見ると、紗耶香が強張っていると気が付く。

「紗耶香?」
「!」
「…………怖いか?」
「…………怖い………?……分から……な……」
「身体が冷たくなってる」
「!」

 裕司が紗耶香の頬に触れるが、震えている紗耶香に、裕司は捲れたブラウスを下ろし、脱がした下着を紗耶香に返す。

「………ゆ、裕司?」
「…………車出すから送ってく……服直せ」
「…………わ、私……出来る……」
「出来ねぇよ………怯えてちゃ……レイプしてる気になっちまう………」

 紗耶香の恐怖心が裕司に伝わって、裕司は紗耶香を抱くのを止めてしまった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

続・上司に恋していいですか?

茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。 会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。 ☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。 「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。

なし崩しの夜

春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。 さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。 彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。 信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。 つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

高級娼婦×騎士

歌龍吟伶
恋愛
娼婦と騎士の、体から始まるお話。 全3話の短編です。 全話に性的な表現、性描写あり。 他所で知人限定公開していましたが、サービス終了との事でこちらに移しました。

処理中です...