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お茶会
しおりを挟むお茶会の時間に合わせ、皇女宮を出ると、まだよく分からない王庭の為、少し迷ってしまったロバート。
「こちらの筈でしたが………。」
「ロバート、迷ったの?失礼の無いように、遅れない様にしないと駄目じゃない。わたくしはまだ散策出来る程、行動が許された訳ではないのよ?」
「申し訳ありません、アリシア様。」
(ロバートのミスはいっぱい言えるから気分いいわ。)
と、王庭を歩いていると、コリンの侍女なのか、声がアリシアに掛かる。
「アリシア様でいらっしゃいますか?コリン殿下がこちらでお待ちしております。ご案内致しますね。」
「まぁ、迎えに来て頂けたのですか?」
「はい、まだアリシア様が慣れていらっしゃらないだろうから、と。」
「ありがとうございます。ロバート………もういいわ、案内してもらえるから。」
「いえ、お供致します。」
(…………ちっ!)
暫くすると、見知った金髪のウェーブが掛かる少年が、2人の女性と仲良く話しているのを見つけたアリシア。
(コリン兄様だわ!)
「失礼します。」
彼等があまり聞き慣れないロバートの声に、はしゃぎ声を止め振り向く3人。
アリシアはロバートの後ろに隠れるように立ち様子を伺う。
「あ、あのご機嫌よう。本日はお招きありがとうございます、コリン兄様。」
「アリシア!元気だった?アルの話も聞きたかったし誘ったんだけど、女性が居た方がいいと思って、皇太子妃ナターシャとトリスタン公国公女、ラメイラも一緒なんだけど、大丈夫?」
「わぁ、可愛い王女だなぁ。ラメイラだ、宜しく。」
「!!」
ラメイラがアリシアに近付き、握手を求めたが、ロバートがアリシアを庇うように阻止をした。
(やっぱり………ホントウザい!)
「…………え?」
「アリシア様、やはり今日はお暇致しましょう!公女!!この女性の何処を見たら公女だと言うのです!!」
「ロバート………やめて。」
「コリン殿下、皇太子妃殿下、失礼致します。」
ロバートはアリシアを囲うように背を向けた。
「…………お待ちなさい。失礼ではありませんか?ラメイラ公女に。それとも、アードラは他国の公女にその様な対応されるのですか?ラメイラは緊張されているアリシア様に気さくに話掛けただけ。その一言で、存在その物を否定されるのですか?」
「ナターシャ、私は慣れているから大丈夫だ。」
「ラメイラ、あなたもです。その第一声で印象を悪くしてしまう事もある事を肝に銘じて下さい。トーマス殿下とのお勉強を無駄にされるおつもりですか?」
ラメイラにもロバートにも叱咤するナターシャ。
どちらも悪い態度であったから、平等に毅然と言放つ。
「アリシア王女、ロバートさん、失礼しました。私が、軽率な態度で挨拶して気を悪くさせてしまい申し訳ありません。」
「…………とんでもございません、ラメイラ様。ロバートが失礼しました。………ロバート、謝罪して下がりなさい。」
「ですが、アリシア様!!」
「ロバート…………お願い。」
「…………も、申し訳ありませんでした。ラメイラ公女殿下。」
「大丈夫です。気にしてないので。」
ロバートは渋々その場から離れ、見える所で待機をしてくれた。
(…………離れても見える所に居るのは嫌だわぁ……。)
「ラメイラ、それは気にしようよ、アレはロバートの方が絶対に失礼なんだから。」
「コリンは知ってるのか?彼を。」
「アル………アリシアの兄のアルフレッドの侍従で、乳兄弟なんだよ。すっごい過保護。アルの言う事は絶対!アリシアに付いて来たのには驚いたけど。」
「コリン兄様、ごめんなさい……ロバートがいつも付いて回ってるから……………もう……………本当に本当に本当に……………蹴り倒したい!!」
ガタッ!!
ラメイラが椅子から落ちた。
「ラ、ラメイラ大丈夫ですか?」
「あ………あぁ。」
「アリシア、素が出てる……。」
「あ……ごめんなさい………鬱憤溜まってしまって…………。」
「アリシア、この可愛さだろ?周りが淑女らしさを凄い強要するんだ。この素を知ってるのは、アルと僕ぐらいじゃないかな。」
ラメイラとナターシャは、アリシアの口調の変化に驚きを隠せなかった。
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