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婚約者候補の振るい落とし
しおりを挟むフェルドマン執事とゲルニカにより半分以上振るい落とされた。今この時点で振るい落としたとしても、また来年参加も出来る事もあり、見込みありの者だけ、メリッサと話が出来る。
メリベルや父達、アドルフや祖母達は、フェルドマン執事やゲルニカの目利きを確認をしているだけの参加だ。特にフェルドマン執事の手腕でメリッサの仕上げ振りを見ている。
「流石だな、フェルドマン家の息子は」
「当然だよ、メリベル………私の甥だからね、あの子は」
「あぁ………マードック……貴方の教育も素晴らしい物だと分かるよ」
メリベルの横に居るマードックという男は、メリッサの父の1人でモートン・フェルドマン執事の叔父にあたる。フェルドマン執事はフェルドマン家の5男だった。長年執事勤めをしている家系で、それぞれ貴族の執事をしていた。マードックがメリベルの執事であった事もあり、夫の統括をする第一夫だ。手を握りいちゃいちゃ始める。
「メリベル、マードックといちゃいちゃ始めないでくれ」
「やだな、ケイドン……私は貴方も愛しているのに」
7人の夫と全員いちゃいちゃし始めそうなメリベル。そんな事をしているとは露知らず、メリッサはメリベルに背を向けていたが、コソコソ話声が聞こえ、後を振り向いた。すると、メリベル達はメリッサを見るとニコニコと笑顔を向ける。
「何、あの夫婦達………」
「俺達の未来の形」
「希望なら、今夜辺りからしましょうか?メリッサ様………私とゲルニカと2人ですけど」
「……………しない」
見込まれた男達が決まると、メリッサの足元に並んだ。人数は4人。10代から20代の男。選んだからといって婚約者になる訳では無い。メリッサが16歳になったら結婚になるが、それ迄持続出来るかどうか、だ。
「お誕生日おめでとうございます、メリッサ王女………心よりお祝い申し上げます」
「メリッサ様、彼はゲルニカと違う隊の隊長をしています、オルサガ・タスマンです」
「初めまして、タスマン卿………祝いの言葉、ありがとうございます」
「是非、私も夫の1人に加えて頂けたら嬉しく思います」
跪き挨拶するオルサガは、ゲルニカと同じ様に鍛え上げられた体型をしている。鞭のような靭やかさのありそうなゲルニカとは違い、筋肉質なのかがっちりしていそうだ。
それぞれの候補が自己紹介していく。だが、メリッサ自身に結婚の意思は全く無い為、全員の顔や名前等覚えなかった。オルサガ以外は。フェルドマン執事やゲルニカは、メリッサの反応を見ながら婚約者候補を決めるのだが、まだ12歳のメリッサが真剣では無いのも分かっている。
「ふぅ…………疲れたっ!」
「メリッサ様、お疲れ様でした。」
「本当よ…………顔と名前なんて一致しない!」
部屋に戻って来たメリッサ。そしてエスコートをしたフェルドマン執事とゲルニカ。メリッサはその2人に声を掛ける。
「もう寝るから下がっていいわよ?」
「では、メイドと共にお世話を致します」
「…………?」
何の事か分からない。メリッサの身の回りの世話はメイド達がしてくれるので、何が何だか分からない。バスルームへメイド達が誘導すると、2人も付いて来る。
「何で2人も付いて来る訳?」
「説明してないのか、フェルドマン」
「誕生日パーティー後に言うつもりだったからな」
「…………何の説明………かな?」
「結婚式後は、全て夫達が、メリッサ様のお世話をするんですよ」
「だから、メイドの仕事も覚える………メイクやヘアメイクはしないが、風呂や着替えは夫が手伝うんだよ……そのまま子作りに雪崩れ込めるしな」
「……………こ、こ、こ………」
「けこっこ?」
「鶏にでもなりました?メリッサ様」
メイド達に目配りし、追い出す様事は出来ないのか、と視線を送るが、メイド達が目線を合わせる事はなかった。
「…………う、売られた………」
「国王になる者の定めです、諦めて下さい……今日は見ているだけです。馴れてらっしゃいませんからね……我々もメリッサ様を玉体を傷付けたくありませんから」
「さぁ、やってくれ」
広いバスルームだと思っていた。1人で入るには浅く広い浴槽に、もったいないと思っていたからだ。ドレスを脱がされ素っ裸にされると、メイドの説明を聞きながら、真剣にメモを取るフェルドマン執事と腕組みしてマジマジとメリッサの身体を視姦するゲルニカ。
「わ、わ、私は何かの実験体なのか!?」
「まさか…………メリッサ様を労る為の大事な講義なんですから、メリッサ様はいつも通りになさって下さい」
「…………なぁ、ココはどれで洗ってる?」
「それならこの綿で石鹸を泡立てて優しく丁寧に……」
「綿じゃなくて、手で洗っちゃいけないのか?」
「ちょっと!!ゲルニカ!!何聞いてんのよ!!」
「大事な場所じゃねぇか、というか、全身綿じゃなく手で洗ってやりたい」
「…………え~~っと………それでも大丈夫………ひぃぃ!……も、申し訳ありません!メリッサ様!!」
ゲルニカの希望と提案に、メイドも肯定したものだから、メリッサがメイドを睨んだ。何をしようとしてるんだ、こいつらは!!とメリッサのこれからの生活に暗雲が立ち込めていた。
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