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誕生日パーティーともう1人の婚約者

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 結局、フェルドマン執事から押し切られ、試着したドレスを着付けられたメリッサ。

「やはり、胸がもう少しサイズ上げたいですね………メリッサ様、失礼します」
「?…………ち、ちょっと!!」

 メリッサの後ろに周り、ドレスの隙間から、胸の底上げと揉み始める。その時の蕾の扱きも当然行われた。

「こういうドレスはぷっくりと勃たせた方がお似合いになりますから」
「やだっ!触らないでっ!」
「本日はビスチェも着けていないのですから、なるべく他から持ち上げなければ」
「ちょっとっ!!…………っ!」

 パーティーにまだ時間があるのに着替えをさせられるので、何かと思っていたら、こういう事の為だったと知る。踞りそうになると、フェルドマン執事は椅子を用意し、メリッサを膝上に乗せ、胸だけを弄る。

「常に硬く勃ってなくても良いのです……摘みやすい様にしておくのが、男を誘いますから」
「やめ…………て……よぉ………」

 ずっと扱かれていて、ヒリヒリし始めたメリッサ。感じているのか分からない。初めはくすぐったくて、止めて欲しかったが、コリコリとしてくると、くすぐったくはなくなり、気持ち良くなってくる。

「うん………今日これぐらいにしましょう……明日から、もう1人の婚約者も仕事を調整してメリッサ様の身体開発に協力しますので、頑張って下さい」
「…………」

 何を頑張れと言うのか、と思ったが、口答えすると、倍に返ってきそうなので、口を噤むメリッサ。メイクもされ、背中を見せる為に、髪をアップにされてしまった。

「やだよぉ………この格好……恥ずかしいよ………」
「誕生日パーティーは、婚約者候補とその母ぐらいですからお気になる事はありません」
「気にするわ!!」

 コンコン。

 カチャ。

「よぉ、準備出来たか?フェルドマン」
「………やぁ、ゲルニカ」

 騎士服を着た青年が入って来る。その青年は、メリッサの前で跪き、ドレスの裾を掴みキスをした。

「お初にお目にかかります、メリッサ様……モートン・ゲルニカ……ゲーデル国の軍隊長をしております」
「………モートン………フェルドマン執事と同じ名前……」
「えぇ、ですから性でお呼び下さい。結婚したら………まぁ考えますが、ゲルニカも婚約者の1人です」
「…………宜しく……ゲルニカ」
「フェルドマン、たか?」

 メリッサに跪くのを解くと、フェルドマンに目線を送る。フェルドマンは溜息を吐いた


出来ると思うか?まだ幼児体型なんだから」
「……………幼児………体型………?」
「いいじゃねぇか、幼児体型でも。開発しがいがあるしお前が統括なんだから、指示に従うぜ」
「開発…………?」

 只でさえ、夫選びの誕生日パーティーに既に2が婚約者がいるメリッサをどうしようとするのか、後退りして逃げ出したかった。ジリジリと逃げる体制になる。

「逃げるんじゃねぇよ、メリッサ様」
「!!…………あ、あんたねぇ、てかアンタ達、王女に対して使う言葉じゃないわよね!!」
「確かに、メリッサ様は王女ですが、夫婦になれば平等。私達は政務に関わる事はありませんが、妻になるメリッサ様を躾けるのも開発するのも我々の仕事なので、公的な場所でなければどの様にメリッサ様に接しようが問題ありません」
「……………逃げたい…………やだよぉ………こんな格好……」
「まだ大人しいよな、コレ」
「あぁ………陛下は露出されているからな……独身の男にはかなりキツイ……今日は控えられると思うが……主役がメリッサ様ですし」

 しかし、メリベルはでは無かった。布面積は胸と下腹部だけ、腰はストールを撒いているが、素足にヒール。夫達はそれぞれ盛装、若しくは所属する隊の制服や貴族服。祖父母達さえも盛装しているというのに。

「……………お母様の盛装、て……」
「まぁ、あんなもんだな」
「ゲーデル国の国王はが優先ですからね、1かと」
「!!………国王になっ………んぐっ!!」
「今、『国王になってたまるか』て言おうとしなかったか?」

 ゲルニカが、メリッサの口を塞ぐ。何故か分かったのかは分からないが、フェルドマン執事もメリッサを隠すように立ち塞がった。

「んんっ!」
「放すぞ、その台詞は言うなよ!」
「いいですね、特に陛下の前で言ってはなりません!」

 気迫に負け、メリッサは頷く。声が掛かり入場する。右側にフェルドマン執事、左側にゲルニカの腕を組む。メリッサがしたくてする訳ではない。やらされていた。婚約者候補の男達、20人は居るだろう。その母と見られる女性達。男の既婚者は入れない。国王以外重婚は認められておらず、独身男達も厳選された男達。婚約者が居る者、恋人が居る者も論外で、兄弟姉妹が多い家系の男が国内外から来ている。

「もしかして、全員挨拶するの?」
「………いえ、先ず私とゲルニカで厳選した者だけがメリッサ様とお話出来ます。しかし、気になった男が居たら、話掛けていいですよ」
「……………んなの居ない方がいいわ……」

 メリッサの本音が出た。

「ソファに座ったら、足組んで色っぽくして下さいよ、メリッサ様」
「そうそう、今舐められちゃいけません」

 フェルドマン執事からは散々、座り方のレクチャーを受けている。姿勢、手の置き方、笑顔………アルメリア夫人からもその笑顔の特訓も受け、肖像画も製作してもらっている。益々、逃げられない状況のメリッサだった。

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