45 / 66
44 逢瀬のとき
しおりを挟む
「まあいい、お前に嫉妬されるのもいいものだ。なんせルルーとの時は嫉妬どころか、俺から離れようとしたくらいだからな」
いつもなら俺なんかと身を引こうとするレイズンが珍しく嫉妬心を見せたことが、ハクラシスは呆れながらもなんだか嬉しそうだ。
「どうせもうすぐ騎士団を辞めることになるんだ。王族のことなどこれ以上知らなくていい。深入りすれば俺のようにがんじがらめになる」
そう言いながら横から肩を抱き寄せると、レイズンの口元に唇を落とす。
「……本当に小屋へ帰れるようになるんです? 俺、なんだか無理な気がして」
先ほどまでの話を聞く限りでは、全てを穏便に済ませ小屋に帰るなど、到底無理な気がするのだが……。
「大丈夫だ、俺を信じろ。何とかしてみせる。討伐から戻ってきたら、すぐに帰るぞ。冬支度もあるしな」
そうだ、もうすぐ寒くなる。雪が降るまでに小屋に戻って、薪を用意し保存食を準備しなければ。
そして雪に埋もれた小屋の中で、二人だけの時間を過ごすんだ。
ハクラシスはレイズンの不安を拭い去ろうとするかのように、深く口づけた。
唇を舐め、歯列をなぞり、舌を求め口を開いたレイズンの口内を存分に嬲る。舌を絡めとり、じゅっと吸い上げるとレイズンの口から熱い吐息が漏れる。
「……ん……小隊長殿って、意外とキスが好きですよね」
「……そうだな、相手がお前だからだ。これまではあまりしてこなかった」
口づけが唇から頬へ移動し、そして耳たぶを柔く食むと、レイズンの体がピクンと動く。
「……あ、ちょ、あんまり触られると俺、勃っちゃいます」
耳を嬲られ、さらには体を弄る手に、レイズンの体の中心をゾクゾクとした快感が走った。
「お前は……そんなことを言うと逆効果だと、誰かに教わらなかったのか」
ハクラシスの手が股間を弄り、すでに硬くなりかけの膨らみを指で撫で上げる。
「あ……っ、ちょ、声、声出ちゃいますって! 誰か来たらまずいですよ……っ」
珍しく積極的なハクラシスにレイズンは慌てて止めようとするが、逆にハクラシスに手を掴まれ、背後の木に背中を押し付けられてしまった。
そしてハクラシスは、レイズンの足の間に体を割り込ませ、自身の股間をレイズンの勃ち上がったモノに押し付けた。
何度も繰り返し激しく擦り付けられ、レイズンの硬く敏感になったそこに刺激が走る。レイズンは耐えきれず思わず身をよじった。
「あっ、……は、あ……小隊長殿……!」
こんな風にハクラシスが積極的に体を求めてくることは初めてだ。
いつもは愛撫だけのハクラシスが、服の上からとはいえ自分から体を密着させ、まるでセックスさながらに腰を擦り付けてくるなんて。
その上お互い騎士団の制服姿というのも、仕事中によくないことをしているようで思った以上に興奮を誘う。
(うわ……まずい、なんかすごいクるかも……)
このままではこんな所で、ハクラシスに抜いて欲しいと懇願してしまいそうだ。
何とか股間に与えられる刺激に耐えようと頑張ってはいるものの、体は正直であそこはどんどん硬くなっていく。
そんな快楽の波に押し流され小さく喘ぐレイズンの耳元で、ハクラシスが囁く。
「……しっかり勃ったな。俺が抱いてやれたらいいんだが……」
ハクラシスがレイズンの股間に手を伸ばし、前をくつろげ脱がしていく。
「……へ? しょ、小隊長殿?」
レイズンが「へ? へ?」と困惑している間に、ハクラシスの手によってガチガチに勃ち上がったペニスが下着から引きずりだされた。
熱くなったペニスにひやっとした外気が触れ、瞬間寒気が走りレイズンは尻をよじる。
ハクラシスはレイズンが着ている上着を捲り上げると、月明かりに照らされ浮かび上がった臍の周辺の筋肉を、確かめるように手でなぞり、口づけた。
口では下腹部を愛撫し、片手は剥き出しのペニスを軽く撫でては扱き上げる。
「……んっ」
出したい、抜いてほしいという欲望に抗えず、レイズンは無抵抗のままハクラシスに身を任せた。
「ん……あっ……」
そのまま手で抜いてくれるのかと思いきや、なんとハクラシスは、レイズンが扱かれた刺激に「あっ」と身をよじった瞬間、今にも爆発しそうなペニスの先をガブリと咥えてしまった。
「ひ……えっ! しょ、小隊長殿! あっ! ちょっ、あっ、く……ふ……はあ…………っ」
レイズンは慌てて止めようとした。まさか口で抜いてくれるなんて、思いもしなかったからだ。
これまでも口での愛撫はたくさんしてもらったが、口淫だけはなかった。
だからハクラシスは、こういうことはしない人だろうと思っていたのだが……。
驚いたレイズンが必死でハクラシスの頭を押し退けようとするが、びくともしない。
当のハクラシスはそんなレイズンの慌てぶりなど意にも介さず、最初は先端のすべすべとしたところの感触を愉しむように舌で愛撫し弄んでいた。
だがレイズンが押し退けようとした途端、それを一気に奥まで滑り込ませた。
「……ひ! あっ!! ……っ」
体を走り抜ける快感にレイズンは一瞬悲鳴のような声をあげ、慌てて自分の両手で口を押さえた。
こんな声、人に聞かれたら怪しまれて林の中を覗かれてしまう。
「んっ……!」
ハクラシスの口は奥行きが広いのか、レイズンの完勃ちのペニスをいとも簡単に飲み込んだ。
舌で絡め取られ喉できゅっと吸われるだけで、レイズンは抱え込まれた腰を反射的に前に突き出してしまう。
あのハクラシスが自分のものを咥えているという状況だけでももうかなりヤバい。
ギュッと瞑った目を薄く開けチラッと覗き見ると、自分のモノを咥え頭を上下させるハクラシスが見え、レイズンの腹の奥がギューッと痺れた。
「はっ……あ……、だめですって! ……ひ……やっ、あ……出るから!」
レイズンが抵抗すればするほど逃がさんとばかりに腰をがっちりと押さえ込まれ、もう抵抗すらできない。
(……あー……もう……だめ……)
ハクラシスの容赦ない舌技に、レイズンはあっという間に吐精してしまった。
快楽から解放され一気に脱力したレイズンは、木に凭れかかったまま、口元を拭いながら起き上がるハクラシスを眺めていた。
「……小隊長殿、口の端、ついてます……」
「ん?」
「ここ」
口元に垂れた自分のものを見て罪悪感を感じつつ、レイズンは少し体を起きあがらせて指で拭い取った。
それを今度はハクラシスが懐から出したハンカチで拭く。
そのついでにレイズンの口元も拭いてくれた。
どうやら涎が出ていたらしい。
「結構たくさん出たな。溜まっていたのか?」
「……小隊長殿と会えなかったのに、出す機会なんてないですよ」
ブスッと不貞腐れたような言い方で返すと、レイズンの服を整えていたハクラシスがははっと笑った。
「討伐が終われば、ずっと一緒にいられる。そうしたら溜まる暇なんかないぞ」
「ぷっ、本当ですか」
「本当だ」
ハクラシスは目尻に皺を寄せ、優しく笑いながら、くったりと木に凭れかかるたレイズンを抱きしめると、そのまま地面に二人で転がった。
地面にはまるで絨毯かのように芝草がみっちりと広がり、ややチクチクとはするが柔らかくて気持ちがいい。
そしてハクラシスの肩越しに、屋根のように広がる木々の葉の隙間から差し込む、月の明かりが見えた。
月の位置からして、そろそろ寮では就寝の時間くらいにはなっていそうだ。
「……さっきは少し強引だったな。すまなかった。討伐前で滾っているのか、ちょっと抑えが効かなかった」
「……俺は気持ちよかったからいいですけど……。小隊長殿もそんなことあるんですね」
「まあ、ないことはないな。お前がそばにいるとだめだな」
額に口づけの感触。レイズンはへへと笑って、チラッとハクラシスの様子を窺った。
「……ちょっとだけお願いがあるんですが」
「なんだ?」
「小隊長殿のを触ってみたいのですが」
その言葉にハクラシスは「うっ」と言葉を詰まらせた。
「……その、直に、か?」
あの日不満をぶつけたレイズンに、ハクラシスは自身のことについて引け目を感じていると語った。
レイズンに老いた体を見せたくないだの、勃たないモノを触らせたくないだのと言い訳をしてた割に、今日はやけに大胆だったのだし、レイズだって少しばかり強気に出てもいいだろう。
「……直に触りたいですけど、……だめですか」
「……服の上からではだめか」
こればかりはいつもの"お願い"のようにはいかないと見え、ハクラシスも素直にうんとは言わなかった。
さっき自分はあんなに強引なことをしたのにズルいとレイズンは思ったが、仕方がない。譲歩することにした。
「じゃあ、服の上から」
寝転がったまま、向かい合わせの体勢でレイズンがそっとズボンの上に手を這わすと、ハクラシスの体がビクンと跳ね、小さく吐息が漏れる。
(んん?)
さきほど股間を押し付けてきた時はあまり気が付かなかったが、思ったよりも盛り上がっている。
勃ってるんじゃないかと思ったが、押すと芯もなく柔らかいから元が大きいのか。
その大きさを確かめようと何度もさすってみる。
「……レイズン……」
勃たないだけで触られるとそれなりに感じてはいるようだ。ハクラシスが熱い息を吐きながら、自分の股間を凝視するレイズンの頬を撫でた。
「……小隊長殿……」
「なんだ?」
「これ、勃ってないんですよね」
「……硬くなってきたのか?」
「……いえ、硬くはないみたいなんですけど……」
ブツブツと何か言いながら擦るレイズンに、ハクラシスが眉根を寄せた。
「どうした? 何か変か」
「いえ……、なんだか、ちょっと大きさが……」
「…………」
ハクラシスは黙ってしまった。
「もしかして結構大きいほうですか」
指で押したり撫でたりしながらその大きさを確かめる。
「……普通だ。他の者と大して違いはない。さあもう終いだ」
「…………」
ひょいと手を掴まれて転がされると、もう触れないよう今度は背面から抱きしめられてしまった。
どうも大きさも禁句らしい。
元が大きいから勃たなくなって余計に辛いのだろうか。
そうか、でも長いのかとレイズンが一人しつこくぶつぶつ言っていると、ハクラシスが「いずれ分かる」とため息混じりに答えた。
いつもなら俺なんかと身を引こうとするレイズンが珍しく嫉妬心を見せたことが、ハクラシスは呆れながらもなんだか嬉しそうだ。
「どうせもうすぐ騎士団を辞めることになるんだ。王族のことなどこれ以上知らなくていい。深入りすれば俺のようにがんじがらめになる」
そう言いながら横から肩を抱き寄せると、レイズンの口元に唇を落とす。
「……本当に小屋へ帰れるようになるんです? 俺、なんだか無理な気がして」
先ほどまでの話を聞く限りでは、全てを穏便に済ませ小屋に帰るなど、到底無理な気がするのだが……。
「大丈夫だ、俺を信じろ。何とかしてみせる。討伐から戻ってきたら、すぐに帰るぞ。冬支度もあるしな」
そうだ、もうすぐ寒くなる。雪が降るまでに小屋に戻って、薪を用意し保存食を準備しなければ。
そして雪に埋もれた小屋の中で、二人だけの時間を過ごすんだ。
ハクラシスはレイズンの不安を拭い去ろうとするかのように、深く口づけた。
唇を舐め、歯列をなぞり、舌を求め口を開いたレイズンの口内を存分に嬲る。舌を絡めとり、じゅっと吸い上げるとレイズンの口から熱い吐息が漏れる。
「……ん……小隊長殿って、意外とキスが好きですよね」
「……そうだな、相手がお前だからだ。これまではあまりしてこなかった」
口づけが唇から頬へ移動し、そして耳たぶを柔く食むと、レイズンの体がピクンと動く。
「……あ、ちょ、あんまり触られると俺、勃っちゃいます」
耳を嬲られ、さらには体を弄る手に、レイズンの体の中心をゾクゾクとした快感が走った。
「お前は……そんなことを言うと逆効果だと、誰かに教わらなかったのか」
ハクラシスの手が股間を弄り、すでに硬くなりかけの膨らみを指で撫で上げる。
「あ……っ、ちょ、声、声出ちゃいますって! 誰か来たらまずいですよ……っ」
珍しく積極的なハクラシスにレイズンは慌てて止めようとするが、逆にハクラシスに手を掴まれ、背後の木に背中を押し付けられてしまった。
そしてハクラシスは、レイズンの足の間に体を割り込ませ、自身の股間をレイズンの勃ち上がったモノに押し付けた。
何度も繰り返し激しく擦り付けられ、レイズンの硬く敏感になったそこに刺激が走る。レイズンは耐えきれず思わず身をよじった。
「あっ、……は、あ……小隊長殿……!」
こんな風にハクラシスが積極的に体を求めてくることは初めてだ。
いつもは愛撫だけのハクラシスが、服の上からとはいえ自分から体を密着させ、まるでセックスさながらに腰を擦り付けてくるなんて。
その上お互い騎士団の制服姿というのも、仕事中によくないことをしているようで思った以上に興奮を誘う。
(うわ……まずい、なんかすごいクるかも……)
このままではこんな所で、ハクラシスに抜いて欲しいと懇願してしまいそうだ。
何とか股間に与えられる刺激に耐えようと頑張ってはいるものの、体は正直であそこはどんどん硬くなっていく。
そんな快楽の波に押し流され小さく喘ぐレイズンの耳元で、ハクラシスが囁く。
「……しっかり勃ったな。俺が抱いてやれたらいいんだが……」
ハクラシスがレイズンの股間に手を伸ばし、前をくつろげ脱がしていく。
「……へ? しょ、小隊長殿?」
レイズンが「へ? へ?」と困惑している間に、ハクラシスの手によってガチガチに勃ち上がったペニスが下着から引きずりだされた。
熱くなったペニスにひやっとした外気が触れ、瞬間寒気が走りレイズンは尻をよじる。
ハクラシスはレイズンが着ている上着を捲り上げると、月明かりに照らされ浮かび上がった臍の周辺の筋肉を、確かめるように手でなぞり、口づけた。
口では下腹部を愛撫し、片手は剥き出しのペニスを軽く撫でては扱き上げる。
「……んっ」
出したい、抜いてほしいという欲望に抗えず、レイズンは無抵抗のままハクラシスに身を任せた。
「ん……あっ……」
そのまま手で抜いてくれるのかと思いきや、なんとハクラシスは、レイズンが扱かれた刺激に「あっ」と身をよじった瞬間、今にも爆発しそうなペニスの先をガブリと咥えてしまった。
「ひ……えっ! しょ、小隊長殿! あっ! ちょっ、あっ、く……ふ……はあ…………っ」
レイズンは慌てて止めようとした。まさか口で抜いてくれるなんて、思いもしなかったからだ。
これまでも口での愛撫はたくさんしてもらったが、口淫だけはなかった。
だからハクラシスは、こういうことはしない人だろうと思っていたのだが……。
驚いたレイズンが必死でハクラシスの頭を押し退けようとするが、びくともしない。
当のハクラシスはそんなレイズンの慌てぶりなど意にも介さず、最初は先端のすべすべとしたところの感触を愉しむように舌で愛撫し弄んでいた。
だがレイズンが押し退けようとした途端、それを一気に奥まで滑り込ませた。
「……ひ! あっ!! ……っ」
体を走り抜ける快感にレイズンは一瞬悲鳴のような声をあげ、慌てて自分の両手で口を押さえた。
こんな声、人に聞かれたら怪しまれて林の中を覗かれてしまう。
「んっ……!」
ハクラシスの口は奥行きが広いのか、レイズンの完勃ちのペニスをいとも簡単に飲み込んだ。
舌で絡め取られ喉できゅっと吸われるだけで、レイズンは抱え込まれた腰を反射的に前に突き出してしまう。
あのハクラシスが自分のものを咥えているという状況だけでももうかなりヤバい。
ギュッと瞑った目を薄く開けチラッと覗き見ると、自分のモノを咥え頭を上下させるハクラシスが見え、レイズンの腹の奥がギューッと痺れた。
「はっ……あ……、だめですって! ……ひ……やっ、あ……出るから!」
レイズンが抵抗すればするほど逃がさんとばかりに腰をがっちりと押さえ込まれ、もう抵抗すらできない。
(……あー……もう……だめ……)
ハクラシスの容赦ない舌技に、レイズンはあっという間に吐精してしまった。
快楽から解放され一気に脱力したレイズンは、木に凭れかかったまま、口元を拭いながら起き上がるハクラシスを眺めていた。
「……小隊長殿、口の端、ついてます……」
「ん?」
「ここ」
口元に垂れた自分のものを見て罪悪感を感じつつ、レイズンは少し体を起きあがらせて指で拭い取った。
それを今度はハクラシスが懐から出したハンカチで拭く。
そのついでにレイズンの口元も拭いてくれた。
どうやら涎が出ていたらしい。
「結構たくさん出たな。溜まっていたのか?」
「……小隊長殿と会えなかったのに、出す機会なんてないですよ」
ブスッと不貞腐れたような言い方で返すと、レイズンの服を整えていたハクラシスがははっと笑った。
「討伐が終われば、ずっと一緒にいられる。そうしたら溜まる暇なんかないぞ」
「ぷっ、本当ですか」
「本当だ」
ハクラシスは目尻に皺を寄せ、優しく笑いながら、くったりと木に凭れかかるたレイズンを抱きしめると、そのまま地面に二人で転がった。
地面にはまるで絨毯かのように芝草がみっちりと広がり、ややチクチクとはするが柔らかくて気持ちがいい。
そしてハクラシスの肩越しに、屋根のように広がる木々の葉の隙間から差し込む、月の明かりが見えた。
月の位置からして、そろそろ寮では就寝の時間くらいにはなっていそうだ。
「……さっきは少し強引だったな。すまなかった。討伐前で滾っているのか、ちょっと抑えが効かなかった」
「……俺は気持ちよかったからいいですけど……。小隊長殿もそんなことあるんですね」
「まあ、ないことはないな。お前がそばにいるとだめだな」
額に口づけの感触。レイズンはへへと笑って、チラッとハクラシスの様子を窺った。
「……ちょっとだけお願いがあるんですが」
「なんだ?」
「小隊長殿のを触ってみたいのですが」
その言葉にハクラシスは「うっ」と言葉を詰まらせた。
「……その、直に、か?」
あの日不満をぶつけたレイズンに、ハクラシスは自身のことについて引け目を感じていると語った。
レイズンに老いた体を見せたくないだの、勃たないモノを触らせたくないだのと言い訳をしてた割に、今日はやけに大胆だったのだし、レイズだって少しばかり強気に出てもいいだろう。
「……直に触りたいですけど、……だめですか」
「……服の上からではだめか」
こればかりはいつもの"お願い"のようにはいかないと見え、ハクラシスも素直にうんとは言わなかった。
さっき自分はあんなに強引なことをしたのにズルいとレイズンは思ったが、仕方がない。譲歩することにした。
「じゃあ、服の上から」
寝転がったまま、向かい合わせの体勢でレイズンがそっとズボンの上に手を這わすと、ハクラシスの体がビクンと跳ね、小さく吐息が漏れる。
(んん?)
さきほど股間を押し付けてきた時はあまり気が付かなかったが、思ったよりも盛り上がっている。
勃ってるんじゃないかと思ったが、押すと芯もなく柔らかいから元が大きいのか。
その大きさを確かめようと何度もさすってみる。
「……レイズン……」
勃たないだけで触られるとそれなりに感じてはいるようだ。ハクラシスが熱い息を吐きながら、自分の股間を凝視するレイズンの頬を撫でた。
「……小隊長殿……」
「なんだ?」
「これ、勃ってないんですよね」
「……硬くなってきたのか?」
「……いえ、硬くはないみたいなんですけど……」
ブツブツと何か言いながら擦るレイズンに、ハクラシスが眉根を寄せた。
「どうした? 何か変か」
「いえ……、なんだか、ちょっと大きさが……」
「…………」
ハクラシスは黙ってしまった。
「もしかして結構大きいほうですか」
指で押したり撫でたりしながらその大きさを確かめる。
「……普通だ。他の者と大して違いはない。さあもう終いだ」
「…………」
ひょいと手を掴まれて転がされると、もう触れないよう今度は背面から抱きしめられてしまった。
どうも大きさも禁句らしい。
元が大きいから勃たなくなって余計に辛いのだろうか。
そうか、でも長いのかとレイズンが一人しつこくぶつぶつ言っていると、ハクラシスが「いずれ分かる」とため息混じりに答えた。
1
お気に入りに追加
220
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる