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第15話:村の軍備拡張と仲間たちの決意
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翌朝、村人たちは夜間に起きた闇組織の襲撃を受けて、さらに団結を深めていた。
俺はゴーレムを整列させ、昨夜の戦闘で傷ついた個体を点検する。
少し削れた木材部分を補修し、金属関節に潤滑油代わりのオイルを塗り込む。
魔石もフィオラから新たに購入した予備を使って交換し、より安定した動力を確保する。
リーゼとメリッサが真っ先に手伝いに来る。
リーゼは大工道具を借りて傷んだ部分を補強してくれる。
メリッサは小さなバケツに清潔な水を用意して、俺たちが汚れた手を洗えるようにしてくれる。
このささやかな気遣いがとてもありがたい。
「ジュン、昨日の戦闘で分かったことを踏まえて、もう少しゴーレムに工夫ができないかな?」
「そう……例えば、もっと固い部品を増やすとか、魔法を跳ね返す何か……」
リーゼとメリッサが瞳を輝かせてアイデアを出す。
俺は腕を組んで考え込む。
「そうだな、魔法を軽減する護符はあるが、もっと強力な防護策が欲しい。あるいは布陣を工夫して盾役のゴーレムを前に、後ろから槍や矢で攻撃できるようにすれば、より戦略的だ。問題は遠距離攻撃手段がないことだな。投擲用の石や簡易ボウガンみたいな仕掛けを作れればいいが……」
「投げ槍や矢を打ち出すための簡単な機械を作れないかな?ジュンは前世でゲーム開発をしていたんだろう?そういう発想から何か思いつかない?」
「……私、村で使ってない馬車の車輪や部品があるって聞いたことがある……活かせない……?」
リーゼは機械仕掛け、メリッサは資材提供を提案してくれる。
俺はふと、前世で作ったトラップギミックを思い出す。
バネやロープを利用して飛び道具を放つ仕組みなら、魔力無しでも実現可能だ。
村の鍛冶屋ロム爺さんに頼めば、簡易的な射出装置くらいは作れるかもしれない。
「いいアイデアだ、二人とも。射撃用のゴーレムや固定式の防御兵器があれば、闇組織や貴族の兵士が来ても対処が楽になる。後でロム爺さんに相談してみるよ」
「ジュン、すごい!本当に軍隊みたいになるね!」
「うん……私も楽しみ……みんなを安心させられるね……」
二人がうれしそうに微笑む。
彼女たちから見て、俺は頼れる存在になっているらしい。
実際、俺はハーレム状態でモテモテだ。
おまけに村人たちも俺を英雄視し始めている。
この調子なら、もっと強い勢力を築けるだろう。
◇
鍛冶屋ロム爺さんの工房に行くと、彼は腕組みして待っていた。
すでに村の噂を聞いたらしく、俺がさらなる兵器を欲していることを察している。
「ジュン、投げ槍や矢を射出する仕掛けが欲しいんだろう?馬車のバネや鉄屑を使えば、簡易的なクロスボウやスリング装置くらいは作れそうだ。お前のゴーレムに組み込むなら小型化が必要だがな」
「さすが爺さん、話が早いな。多少時間がかかってもいい、頼むよ」
ロム爺さんは呵々と笑いながら図面を描き始める。
この村が、ただの農村から武装拠点へと変わりつつあることを感じさせる光景だ。
◇
夜、納屋で新たな命令式を考え込む。
射出装置を搭載したゴーレムは、攻撃タイミングを自動化しなければならない。
例えば「一定距離以内に敵性反応あり→射出」のような条件分岐が必要だ。
命令式を複雑化させることにより、疑似的なAIのような振る舞いが実現できる。
「これが完成すれば、俺のゴーレムは他人の命令がなくても対処できる半自律兵器になる。そんな存在が増えれば、貴族派閥も闇組織も迂闊に手を出せまい」
前世のプログラミング知識を活かして、魔法陣と刻印を組み合わせ、擬似AIを実現する。
この発想は、異世界において未知なる領域だろう。
笑みがこぼれる。
俺はもう魔力ゼロの無能ではない。
この世界で頂点を目指せる確信が、手の中で輝いている。
俺はゴーレムを整列させ、昨夜の戦闘で傷ついた個体を点検する。
少し削れた木材部分を補修し、金属関節に潤滑油代わりのオイルを塗り込む。
魔石もフィオラから新たに購入した予備を使って交換し、より安定した動力を確保する。
リーゼとメリッサが真っ先に手伝いに来る。
リーゼは大工道具を借りて傷んだ部分を補強してくれる。
メリッサは小さなバケツに清潔な水を用意して、俺たちが汚れた手を洗えるようにしてくれる。
このささやかな気遣いがとてもありがたい。
「ジュン、昨日の戦闘で分かったことを踏まえて、もう少しゴーレムに工夫ができないかな?」
「そう……例えば、もっと固い部品を増やすとか、魔法を跳ね返す何か……」
リーゼとメリッサが瞳を輝かせてアイデアを出す。
俺は腕を組んで考え込む。
「そうだな、魔法を軽減する護符はあるが、もっと強力な防護策が欲しい。あるいは布陣を工夫して盾役のゴーレムを前に、後ろから槍や矢で攻撃できるようにすれば、より戦略的だ。問題は遠距離攻撃手段がないことだな。投擲用の石や簡易ボウガンみたいな仕掛けを作れればいいが……」
「投げ槍や矢を打ち出すための簡単な機械を作れないかな?ジュンは前世でゲーム開発をしていたんだろう?そういう発想から何か思いつかない?」
「……私、村で使ってない馬車の車輪や部品があるって聞いたことがある……活かせない……?」
リーゼは機械仕掛け、メリッサは資材提供を提案してくれる。
俺はふと、前世で作ったトラップギミックを思い出す。
バネやロープを利用して飛び道具を放つ仕組みなら、魔力無しでも実現可能だ。
村の鍛冶屋ロム爺さんに頼めば、簡易的な射出装置くらいは作れるかもしれない。
「いいアイデアだ、二人とも。射撃用のゴーレムや固定式の防御兵器があれば、闇組織や貴族の兵士が来ても対処が楽になる。後でロム爺さんに相談してみるよ」
「ジュン、すごい!本当に軍隊みたいになるね!」
「うん……私も楽しみ……みんなを安心させられるね……」
二人がうれしそうに微笑む。
彼女たちから見て、俺は頼れる存在になっているらしい。
実際、俺はハーレム状態でモテモテだ。
おまけに村人たちも俺を英雄視し始めている。
この調子なら、もっと強い勢力を築けるだろう。
◇
鍛冶屋ロム爺さんの工房に行くと、彼は腕組みして待っていた。
すでに村の噂を聞いたらしく、俺がさらなる兵器を欲していることを察している。
「ジュン、投げ槍や矢を射出する仕掛けが欲しいんだろう?馬車のバネや鉄屑を使えば、簡易的なクロスボウやスリング装置くらいは作れそうだ。お前のゴーレムに組み込むなら小型化が必要だがな」
「さすが爺さん、話が早いな。多少時間がかかってもいい、頼むよ」
ロム爺さんは呵々と笑いながら図面を描き始める。
この村が、ただの農村から武装拠点へと変わりつつあることを感じさせる光景だ。
◇
夜、納屋で新たな命令式を考え込む。
射出装置を搭載したゴーレムは、攻撃タイミングを自動化しなければならない。
例えば「一定距離以内に敵性反応あり→射出」のような条件分岐が必要だ。
命令式を複雑化させることにより、疑似的なAIのような振る舞いが実現できる。
「これが完成すれば、俺のゴーレムは他人の命令がなくても対処できる半自律兵器になる。そんな存在が増えれば、貴族派閥も闇組織も迂闊に手を出せまい」
前世のプログラミング知識を活かして、魔法陣と刻印を組み合わせ、擬似AIを実現する。
この発想は、異世界において未知なる領域だろう。
笑みがこぼれる。
俺はもう魔力ゼロの無能ではない。
この世界で頂点を目指せる確信が、手の中で輝いている。
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